ロックな兄弟デュオ、レモン・ツイッグスの才能に迫る | Numero TOKYO
Interview / Post

ロックな兄弟デュオ、レモン・ツイッグスの才能に迫る

今年、セカンドアルバム『Go To School』をリリースした、NYロングアイランド出身、19歳のブライアンと17歳のマイケルのダダリオ兄弟によるザ・レモンツィッグスの1年前の来日時の蔵出しインタビュー。2017年2月に開催された「ホステス・クラブ・ウィークエンダー」に続き、同年夏のフジロックでは、10代とは思えぬパフォーマンスで日本のオーディエンスを釘付けにした。天才的才能を持つ実力派、兄弟デュオの音楽のルーツからオフの過ごし方とは?(「ヌメロ・トウキョウ」2017年5月号掲載)

Photo:Autumn de Wilde
Photo:Autumn de Wilde

──「レモンの小枝」というバンド名の由来は?

ブライアン「特に意味はなくて、ジョークで付けた名前だったんだ。面白いかなって」

──デビューアルバム『Do Hollywood』のコンセプトは?

マイケル「コンセプトというほどのものはなくて、これまでストックした曲を集めたんだ。カリフォルニアでレコーディングしたんだけど、華やかなハリウッドと古い寂れた街があって、そのギャップが気に入ってタイトルにしたんだ」

──60、70年代に影響を受けた音楽が多い?

ブライアン「マイケルはヘヴィな音楽や、ピクシーズっぽいもの、ヒップホップも好きだよね」
マイケル「ブライアンはエレクトロも作るしね。僕らがいろんな音楽にトライする中で、変わらずにずっと好きなのが60、70年代の音楽だった。だけど、今後どんどん変わっていくかもね」

──影響を受けたのはどんなミュージシャン?

マイケル「ビートルズ、ビーチボーイズ、トッド・ラングレン、ザ・フー、ニール・ヤング、ハリー・ニルソン、MGMT、アリエル・ピンク…」
ブライアン「もちろんフォクシジェンもね」

──兄弟で意見が食い違うことは?

ブライアン「そういう時もあるけど、お互いに尊重し合っているから。僕はただ、隣にマイケルというリトルモンキーがいてくれることがうれしいんだよ」

──プライベートのファッションも70年代風?

マイケル「ハリー・ニルソンとか昔のミュージシャンを真似することが多いな。父親からポール・マッカートニーが着ていた服を教えてもらうこともあるよ」
ブライアン「僕はタイトなシャツが好きなんだけど、日本では寿司を食べ過ぎてちょっとお腹が…。あとはカラフルなジャケット、フレアジーンズ、ストライプ。でも、短パンは絶対にNG」

──オフの時は何をしている?

ブライアン「彼女とコメディ番組や映画を観たりしてる」
マイケル「僕は子ども向けの映画が好き。最近観てるのは『ペット』『ズートピア』『こうのとり大作戦!』『くまのプーさん』とか」
ブライアン「マイケルが新曲を作らないで、一日中ベッドの中で映画を観てると悲しくなるよ! 僕が好きな映画は『フロム・ダスク・ティル・ドーン』だね」
マイケル僕だって、アニメばかりじゃないよ」

──映画からインスパイアされることは?

マイケル「アルバムに入ってる『ア グレート スネーク』はイアン・マッケランとパトリック・スチュワートの舞台からインスパイアされたし、次のアルバムには『マペットの夢見るハリウッド』をイメージした曲もあるから、楽しみにしてて」

Lemon Twigs『Do Hollywood』

ビートルズ、ビーチボーイズ、トッド・ラングレンなど60、70年代のロック、ポップスを愛し、いくつもの楽器を演奏する彼らの高度なテクニックと、珠玉のコーラスワークが光るデビューアルバム。プロデューサーはフォクシジェンのジョナサン・ラドー。
¥2,200(4AD/BEAT RECORDS)

最新作『Go To School』とライブ情報こちら

レモン・ツイッグスのお気に入りミュージック

Jonathan Richman『I,Jonathan』

「素晴らしいメロディをストレートに表現した傑作。楽器もとてもシンプル。それなのに、なぜか当時の作品のどれにも似ていない。声にもカリスマ性を感じる(ブライアン)」

Todd Rungren『Hermit of Mink Hollow』

「彼の作品中でも特に好きなアルバム。1stでポップを打ち出し、セカンドで方向性を変えたけど、3rdでまたポップに戻った。そのストレートさが好き(マイケル)」

Big Star『Third』

「僕ら二人とも大好きなアーティスト。ルーツサウンドをとにかく思いつく限りのアイデアで実験したとしか思えないアルバム。こればかりはすぐに意見が一致したよ(マイケル)」

Interview&Text:Miho Matsuda Edit:Masumi Sasaki

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