Interview / Post
松本恵奈×藤原ヒロシ
9月に発売される予定のコラボレーションアイテムは、フライトジャケットB-15Mのデザインを取り入れ、両ブランドのロゴをあしらったMA-1。プライベートでも親交が深いという二人が醸し出す和やかなムードの対談では、今回のコラボ実現の経緯や、こだわりについて聞いた。
メディア企画がきっかけで実現したコラボ
──まずは今回のコラボレーションのきっかけについてお聞かせください。
松本恵奈(以下M)「実はファッション誌の『夢のコラボ企画』という企画で私がヒロシさんとのコラボを熱望したことがきっかけなんです」
藤原ヒロシ(以下F)「めちゃくちゃハードルを低く設定したなって思ったよね(笑)」
M「いえいえ(笑)。まさか実現するとは思っていなくて、あくまで願望だったんです」
F「もっと海外の大物デザイナーとコラボしたいって書けばよかったのに」
M「もともと交流はあったのですが、私にとってヒロシさんとお仕事を一緒にできるだなんて思ってもみなかったし、そもそもこんなお願いしてもいいのかって考えていたのですが、企画の中でヒロシさんにお手紙を出したんです」
──そこからトントン拍子に進んだのですか?
F「タイミングよくできそうなものがあればという話をしました。デザインを描いてきてくれたよね。具体的にこうしたい、ああしたいって要望が結構細かく書いてあって」
M「ヒロシさんに適当な手紙を出したら失礼ですから、結構色々練って、デザインを出しました」
誰もやったことのないアイテムで勝負!
──こだわったポイントやお二人だからこそ実現したことなどがあれば教えてください。
F「MA-1をやりたいということだったんですが、実は今回B-15Mというフライトジャケットを選んでいるんです。みんなMA-1はやっているから、B-15Mは誰もやっていなしどう?っていう提案です。これって、男の人のこだわりで、古着マニアならわかるようなアイテムなんですよね。女の人は誰も知らないから、それが逆にいいなって」
M「実際はB-15Mのデザインを取り入れていますが、商品名はMA-1のほうがわかりやすいから、そのほうがいいかなと」
F「ほら、(女性って)そんな感じでしょ(笑)!?」
M「でもデザイン説明のところには、きちんとB-15のデザインを取り入れていることは書きますよ(笑)」
F「わかる人にはわかるアイテムということで。マニアックな人が見たらわかってくれる。B-15Mはジッパーが斜めについているんです。ちなみにB-15というタイプは襟にボアがついているんですけれど、軍の人たちにとってボアがあるとヘルメットを被るときに邪魔ということで、ボアを取ったのがB-15M。MはModify(モディファイ=変える、修正を加える)の意味で、その後にMA-1ができたんです。だからこの型はMA-1の前身」
M「本当にすごい知識ですよね!」
F「マニアックな軍ものブランドにだったらあると思いますが、ファッションブランドとして取り入れるのはあまりないんじゃないかな。ほかにこだわった点としてライナーを派手な色にするかどうか迷ったよね」
M「そうなんですよね。黄色にするか、白にするかって。でも黄色って可愛いけれど、好みが分かれるかなと思ったんです。だからアイボリーで肌になじみやすいカラーを選びました」
F「すごく『クラネ』っぽさが出たと思う。きれいなゴールドっぽい色味で、大人っぽいし」
M「袖口のリブの内側もアイボリーに切り替えたり、ちょっと大きめな作りにしていたり結構メンズっぽい仕様なんですよね。サイズをS、M、Lで展開しているんですけれど、ユニセックスで着られるものを目指しました」
松本恵奈×藤原ヒロシ
「クラネ」でコラボレーションが実現
松本恵奈ディレクションによる、東京のリアルモードを追求する「クラネ(CLANE)」と、ファッションシーンに常にバズを起こし続ける藤原ヒロシが主宰する「フラグメントデザイン(Fragment Design)」がコラボレーションを発表。二人にインタビューした。
enamatsumoto × hiroshifujiwara
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Photos:Ayako Masunaga
Text:Etsuko Soeda
Edit:Kefa Cheong
Profile
松本恵奈(Ena Matsumoto)
「EMODA(エモダ)」のディレクションを経て、2015年2月にCLANE DESIGN株式会社(クラネデザイン)を設立。“オリジナル スタンダード”をコンセプトにしたブランド「CLANE(クラネ)」をリリース。CLANE DESIGN株式会社の代表取締役社長兼、CLANEクリエイティブディレクターとして活躍中。
藤原ヒロシ(Hiroshi Fujiwara)
1964年三重県伊勢市出身。80年代にイギリス・アメリカに渡りクラブカチャーを吸収し、帰国後はDJとして活動を始める。90年代には、小泉今日子、UAなどの音楽プロデュースのほか、ソロミュージシャンとしても作品を発表。NIKEやHEAD PORTERなど数多くのブランドにも参画し、「the POOL aoyama」を監修するなど、日本のストリートファッションを牽引する一人。