People / Interview

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭
アーウィン・オラフの新境地

世界最古のシャンパーニュメゾン、ルイナール(Ruinart)が2016年のコラボレーターに選出した世界的フォトグラファー、アーウィン・オラフ(Erwin Olaf)にインタビュー。

そこにルイナールの歴史と自然の息吹を感じたんだ

──今回の作品はこれまでの作風とはかなり違った印象を受けます。

「ルイナールの基本的な歴史背景などや情報をもらって、メゾンのレガシーをいかに表現するか、深く考えたんだ。私が写真家として有名になった、スタジオにセットを作り緻密に計算されたストーリー性のある作品を想定されていたと思うが、ルイナールのクレイエルセラーに足を踏み込み、全て変わった。そこには、かつてそこで働いていたであろう人が作ったサインに、長年かけて培われて来た自然の跡、そこにルイナールの歴史と自然の息吹を感じたんだ」

──撮影はどのように?

「私とアシスタント1人、照明1人の少人数で1回の撮影に2日間かけ、5、6回に分けて撮影をした。クレイエルセラーの中の表情は様々だった。誰かが時間をかけて石を削って描いた教会や人物、ラスコーの洞窟画のような自然の跡。積み上げられったボトルは、見方によって現代アートのようだ。全て8キロ歩いて発見したものだ。中には10センチ足らずの部分にフォーカスしてみたり、深い穴の中にあった部分を浮き彫りにしたり。自分にとって全て非常に新しい試みだった。厳選した26枚の写真は、ある1枚が他の1枚を表現するものとして必要だったり、全体を通して世界最古のシャンパーニュであるルイナールの歴史とフィロソフィーを感じられると思う」

──今回の作品でのあなたらしさとは何でしょう。

「確かにこれまでの作品の個性は、自分でクリエイトしたストーリーだが、今回は私のエモーションを反映したつもりだよ。セラーの中はシャンパーニュの品質を保つためにオレンジのやわらな光で包まれている。その光の陰影をより印象的に表現するためにモノクロで撮ることにしたんだ。それにクリッピングで作品が全く違うものになってしまう。全てのディテールを精密に自分で決定した。フォトショップなしのそのままの作品だし、暗室で焼く作業も新鮮だった。写真家になった頃の時代、写真がジャーナリズムであったりアートとして評価され始めた頃に立ち返った気持ちだ。ルイナールとの作品が、自分の大きなターニングポイントになったことには間違いないね」

Light by Erwin Olaf for Ruinart
期間/2016年4月23日(土)〜5月22日(日)
会場/ASPHODEL
住所/京都市東山区八坂新地末吉町103
最寄駅/京阪祇園四条駅

Ruinart Champagne Lounge
期間/2016年4月23日(土)〜5月22日(日)
会場/ASPHODEL
住所/京都市東山区末吉町99-10 ASPHODEL内
営業時間/12:00-20:00
定休日/5月4日(水)を除く毎水曜日
価格/ルイナール ボトル 15,000円、グラス 2,500円(全て税込)
URL/http://mhdkk.com/ruinart/kyoto

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2016
世界屈指の文化都市・京都を舞台に開催される国際的なフォトフェスティバル。日本および海外の重要作品や貴重な写真コレクションを、文化施設が集合する京都・岡崎エリアを中心に、通常非公開の町家や寺院、指定文化財等を含む市内15会場にて14の展覧会を行う。今年のテーマは「Circle of Life いのちの環」。招喜庵(重森三玲旧宅主屋部)でのサラ・ムーン「Time Stand Still」をはじめ、京都×アート写真の世界を体感できる。
期間/2016年4月23日(土)〜5月22日(日)
URL/www.kyotographie.jp

ルイナール(Ruinart)
1729年、世界で最初のシャンパーニュ・メゾンとして誕生。コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスで収穫された最高品質のブドウを巧みに選定し、「清らかさ」「フィネス」「エレガンス」を追求しその繊細でフレッシュ、丸みのある豊かな味わいを引き出す高い技術を有するシャンパーニュ作りのエキスパートであることから、「シャルドネ・ハウス」とも呼ばれています。熟成には、1931年にフランスの歴史的建造物としてシャンパーニュ地方で唯一指定された、ガリアローマ時代の白亜質の石切り場跡「クレイエル」を使用。シャンパーニュの熟成に理想的な一定の温度と適度な湿度を保つ環境この環境で、繊細かつ清らか、エレガントなルイナールスタイル「シャルドネの芸術」を完成します。
URL/http://www.mhdkk.com/products/ruinart.html

Interview & Text:Michie Mito

Profile

アーウィン・オラフ(Erwin Olaf)1959年オランダ生まれのフォトアーティスト。社会問題や社会のタブーをめぐるテーマを視覚的に緻密に捉えた作品を発表することで名高い。その撮影技法もユニークであり、まず頭の中で光景を思い浮かべ、その光景を描き出し、その後に精緻に、時として飾り気のない手法で光沢紙の上に定着させるというものである。彼の精密さ、画面構成、そして非常に独創的な光の使い方は世界中から賞賛を集めている。

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