アニー・リーボヴィッツ 来日インタビュー「97年に撮影した母のポートレイトが基準」 | Numero TOKYO - Part 3
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アニー・リーボヴィッツ 来日インタビュー「97年に撮影した母のポートレイトが基準」

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ローリング・ストーン誌のフォトグラファーとしてキャリアをスタートさせ、45年以上に渡って時代を記録してきた写真家アニー・リーボヴィッツ。この度、UBSを独占コミッショニングパートナーとする新作肖像画「Women:New Portraits」の世界巡回展にあたり、来日を果たした。彼女の写真家としての信念、世界的に有名なあのポートレイト作品の裏話について語ってくれた。<「WOMEN: NEW Portraits」東京展はこちら>

エリザベス女王、ケイトリン・ジェンナーとの撮影エピソード
──エリザベス女王の撮影はどうでしたか?
「エリザベス女王を撮影する際、彼女が女王としての役割からわずかでも逸脱する瞬間を撮影したいと考えました。なので『王冠を撮ってくださいますか?』と尋ねたのです。とても驚かれていらっしゃいましたが、撮影している間とても快く対応してくださいました」
──最近話題となった、ケイトリン・ジェンナーを撮影した際のエピソードはありますか?
「これは、雑誌『ヴァニティ・フェア』の表紙のために撮影した一枚です。ケイトリンは、自身の女性としての身体を誇りに思っており、何かまわりを驚かせるインパクトのあることをしたいと考えていました。私は裸ではない彼女を撮影することが新しいと感じました。さまざまなドレスを用意し、二日かけて彼女の自宅で撮影しました。撮影を進めるごとに、彼女自身が女性として望む美しい容姿へと輝いていきました。私はお世辞が言えるタイプではないのですが、とても美しいと思いましたよ。彼女は、トランスジェンダーアイデンティティを代表する存在であり、性は男と女だけでは区別できないのではないかと感じます」
今回の写真展は、UBSの独占コミッショニング・パートナーのもと、リーボヴィッツが世界各地域、都市の女性を撮影し、現代社会における女性の役割を映し出すものとなっている。新しく制作された作品の他、プロジェクト初期のオリジナル作品や未発表の写真も含まれている。
──最後に、日本の印象について教えてください。

「まず私は、日本食が大好きです。また以前から申し上げていることですが、皇后陛下の佇まいというものに感銘をうけています。日本の文化を象徴していると思います。皇后美智子様はいつか撮影させていただきたいと願っている方の一人です。私のパートナーであったスーザンも日本の映画が大好きでした。日本の文化は歴史があり、あらゆる面でとても成熟していると感じています」

展覧会情報はこちら

UBSと現代アートコレクションについて
世界有数のグローバル金融機関であるUBSは、長年に渡り現代アートをグローバルに支援するリーディング・サポーターとして、文化・芸術活動を様々なプロジェクトを通して支援している。所有する現代アートコレクションは3万点以上。世界で最も重要な民間企業による現代アートコレクションの一つとして知られている。本展覧会にて発表されたアニー・リーボヴィッツ氏の肖像作品も新たにこのコレクションに加わった。

アニー・リーボヴィッツ(Annie Leibovitz)

1970年代初頭「ローリング・ストーン」誌の写真ジャーナリストとしてキャリアをスタート。以来機知に富んだパワフルなポップ・カルチャーのイメージを写し続けている。1980年代から社会的情景に焦点を当てた肖像写真に領域を広げ、「ヴァニティ・フェア」や「ヴォーグ」などの雑誌など発表の場を広げる。広告キャンペーンも多く手がけ、受賞歴も多数。米国議会図書館からは、”Living Legend (生きる伝説)”の称号も授かっている。

Photos:Junpei Kato Interview:Yukino Takakura

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