Culture / Post
アニー・リーボヴィッツ 来日インタビュー「97年に撮影した母のポートレイトが基準」
エリザベス女王、ケイトリン・ジェンナーとの撮影エピソード
──エリザベス女王の撮影はどうでしたか?
「エリザベス女王を撮影する際、彼女が女王としての役割からわずかでも逸脱する瞬間を撮影したいと考えました。なので『王冠を撮ってくださいますか?』と尋ねたのです。とても驚かれていらっしゃいましたが、撮影している間とても快く対応してくださいました」
──最近話題となった、ケイトリン・ジェンナーを撮影した際のエピソードはありますか?
「これは、雑誌『ヴァニティ・フェア』の表紙のために撮影した一枚です。ケイトリンは、自身の女性としての身体を誇りに思っており、何かまわりを驚かせるインパクトのあることをしたいと考えていました。私は裸ではない彼女を撮影することが新しいと感じました。さまざまなドレスを用意し、二日かけて彼女の自宅で撮影しました。撮影を進めるごとに、彼女自身が女性として望む美しい容姿へと輝いていきました。私はお世辞が言えるタイプではないのですが、とても美しいと思いましたよ。彼女は、トランスジェンダーアイデンティティを代表する存在であり、性は男と女だけでは区別できないのではないかと感じます」
今回の写真展は、UBSの独占コミッショニング・パートナーのもと、リーボヴィッツが世界各地域、都市の女性を撮影し、現代社会における女性の役割を映し出すものとなっている。新しく制作された作品の他、プロジェクト初期のオリジナル作品や未発表の写真も含まれている。
──最後に、日本の印象について教えてください。
「まず私は、日本食が大好きです。また以前から申し上げていることですが、皇后陛下の佇まいというものに感銘をうけています。日本の文化を象徴していると思います。皇后美智子様はいつか撮影させていただきたいと願っている方の一人です。私のパートナーであったスーザンも日本の映画が大好きでした。日本の文化は歴史があり、あらゆる面でとても成熟していると感じています」
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UBSと現代アートコレクションについて
世界有数のグローバル金融機関であるUBSは、長年に渡り現代アートをグローバルに支援するリーディング・サポーターとして、文化・芸術活動を様々なプロジェクトを通して支援している。所有する現代アートコレクションは3万点以上。世界で最も重要な民間企業による現代アートコレクションの一つとして知られている。本展覧会にて発表されたアニー・リーボヴィッツ氏の肖像作品も新たにこのコレクションに加わった。
Photos:Junpei Kato Interview:Yukino Takakura