「星野リゾート 界 津軽」で癒しの温泉&津軽文化を体験! | Numero TOKYO
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「星野リゾート 界 津軽」で癒しの温泉&津軽文化を体験!

豊かな自然と新鮮な海と山の幸、伝統文化など青森の魅力に触れる旅を2回に分けてお届け。その土地ならではの文化にどっぷりと浸かれる、特色あるおもてなしが人気の星野リゾートの温泉旅館「界」。2019年4月1日にリニューアルした「星野リゾート 界 津軽」にて、くつろぎのステイを体験してきました。

弘前駅から約30分。「星野リゾート 界 津軽」が位置する南津軽の大鰐(おおわに)は、古くから津軽の奥座敷と呼ばれ、江戸時代より名湯として親しまれてきた大鰐温泉がよく知られています。 温泉旅館の「界」では、病気を癒す目的で温泉に長期滞在する「湯治」の習わしを現代に伝える、「うるはし現代湯治」が体験できるのです。

ヒバの香りに包まれる温泉で極楽気分

館内には、湯治に関する基礎知識や入り方、ストレッチなどの案内が。お部屋にもガイドブックが置かれていました。
館内には、湯治に関する基礎知識や入り方、ストレッチなどの案内が。お部屋にもガイドブックが置かれていました。
湯治といえば、夏目漱石や志賀直哉の小説によく出てきたなぁ、というぼんやりとした印象をもっていましたが、自然の恵みで療養をはかるという、なんとも日本的な素晴らしい知恵ですよね。各館には「界の湯守り」なるガイド役がいて、紙芝居で温泉の知識や入り方を楽しくレクチャーしてくれました。

夏は湯船に浸かった後、10秒ほど冷水に浸かると良いとのアドバイスをいただき、いざ大浴場へ!

湯船にぷかぷかと浮いているのは、なんとりんご! それもヒバ製です。顔を近づけると、いい香りがいっぱいに広がります。

りんごそっくりの可愛い形。ヒバには抗菌作用、防カビ、消臭効果があるそう。

窓からはこの景色! 障子には津軽こぎん刺しの模様があしらわれています。

秋にはこんな絶景が拝めます。紅葉を鑑賞しながらゆっくり温泉に浸かれば、旅の疲れも吹き飛びそう。紅葉の見頃は10月中旬~11月上旬とのこと。この時季にまた来たいなぁと思いました。

風流な水庭でまったり涼み時間

温泉でポカポカに温まったあとは、外の風に当たってクールダウン。4月のリニューアルで誕生した「津軽四季の水庭」は、四季折々の演出で見る人を楽しませてくれます。

津軽びいどろのグラスと、手作りしたねぷたうちわで夕涼み。
津軽びいどろのグラスと、手作りしたねぷたうちわで夕涼み。

テラスでは、昼間は桜茶やりんご茶など季節の飲み物を、夜は地酒などがいただけるバースペースとして、水庭の景色を眺めながらゆったりした時間を過ごすことができます。

季節ごとに変わる演出にも注目です。春は、弘前の桜をモチーフにした津軽金山焼のランプを飾り、明かりが水に反射して幻想的な雰囲気。

私がお邪魔した夏は、津軽びいどろのランプで彩られ、津軽三味線の生演奏も。

また9月からは、津軽塗のりんごが実る木の下でりんごのお菓子をいただくという、なんとも素敵な「りんごのお茶会」がスタートしています。

津軽三味線の生演奏にシビれる!

界にはご当地楽といって、その土地の文化を体験できるプログラムがあります。なんと毎晩ロビーラウンジにて、津軽三味線の演奏会が開かれているんです。津軽三味線の全国チャンピオンに輝いた渋谷幸平さんと、界のスタッフが白熱の演奏を繰り広げます。軽快なリズムと華麗な指運びがかっこいい! なんだか日本海の荒波の情景が思い浮かぶようでした。

津軽三味線の体験も! 持ってみると意外と重いのに驚きました。そして音の位置に印がないので、感覚で覚えて弾くのだそうです! 弦を弾くのに結構な力も要り、正確さと力強さが求められ、これはかなりの難易度。ここまで熟練した演奏を見せてくれたスタッフさんに拍手!

海の幸と山の幸を堪能! 青森グルメに舌鼓

さて、お待ちかねの夕食です! 青森の旬の食材を贅沢に使った懐石料理をいただきます。野菜からお肉、お魚まで、海と山に囲まれた青森の食材のオンパレードです。

とうもろこしの葛豆腐に感動!! 甘くて思わずにっこり。

そして青森といえば、「黒いダイヤ」と呼ばれる大間のまぐろ! 赤みや中トロ、握り寿司をいただきました(写真奥)。実は、どちらかというとまぐろの赤みが血生臭い感じがして苦手なほうですが、これはしっかり旨味があって美味しい。中トロもとろける口溶け!

夏は、「鮑の氷しゃぶしゃぶ」というメニューが。鮑のお刺身をハーブ入りのお湯に数秒くぐらせて、肝だれや氷の入った八方だしでいただきます。鮑の歯ごたえがたまりません!

マグロ好きのかたは、9月から始まるマグロ尽くしの「大間のまぐろづくし会席」をぜひご賞味あれ!

朝食は、青森の郷土料理である貝焼き味噌をいただきました。ホタテ貝の貝殻を器にしてその場でグツグツ火を入れてくれます。

朝から滋養たっぷりの味に体が喜びます。

紅葉の時期には、こんな美しい景色を眺めながらお食事ができるというのも至れり尽くせりですね。

津軽こぎん刺しをモダンにあしらった客室

お次は、4月に改装を果たしたというお部屋へ。

客室に行くまでの廊下には、美しい光のアートがお出迎え。こぎん刺しの模様「モドコ」に光が差し込み、なんてきれいなんでしょう。

この「木漏れ日Kogin」は、『Architectural Digest』誌の「ホテルの美しい廊下10選」に選出されたそう。お部屋に行くまでの期待感を盛り上げてくれます。

津軽こぎんの間 和室 リビングスペース付き
津軽こぎんの間 和室 リビングスペース付き

客室は、こぎん刺しのモチーフがアクセントに取り入れられた、落ち着いた雰囲気です。こうしてみると、こぎん刺しのデザインってとてもモダンだなぁと思いました。青森県出身のkoginデザイナー、山端家昌さんとのコラボレーションにより、2015年に「津軽こぎんの間」が誕生したそうですが、今回のリニューアルで41室すべてのお部屋が「津軽こぎんの間」になったのだそう。

このお部屋はリビングスペース付きで広々、ソファでゆったりくつろげます。藍色のトーンがシックです。改装を手がけたのは、ル・コルビジェに師事した坂倉準三が創設した坂倉建築研究所。

1日1組限定の離れにも泊まってみたい!

初心者でも大丈夫! 津軽こぎん刺しに挑戦

これまでにも何度か紹介している津軽こぎん刺し。津軽に伝わる伝統的な刺し子の技法で、農民の着物であった麻布の耐久性や保温性を高めるために生まれたのそう。今や立派な伝統工芸として認められるように。

そんなこぎん刺しにトライ!

予約不要でできるのが、しおり作り。これは紙にあらかじめ穴が開いているので、糸を通した針をその通り刺していけば楽々完成。お手軽にこぎん刺し体験ができます。

たくさんある糸から好きな色を選べます。
たくさんある糸から好きな色を選べます。

ハマってもっとやってみたい! という人は、お部屋に貸出してくれるこぎん刺しセットがあるので、部屋で黙々没頭するのもおすすめです。

地元のこぎん刺し作家を招いたワークショップも行なっています。この日は、ヒバの匂い袋を作りました。モチーフを選び、図案を見ながら刺していきます。

糸の運びや始末が少し難しいですが、作家の先生が教えてくれるので安心です。私が作ったのは、左のりんごのもの。なんとか完成し、出来栄えに満足◎

津軽の文化に触れて、日本にはまだ知らない素敵なところがあると改めて実感。「星野リゾート 界 津軽」にステイすれば、伝統工芸から伝統芸能、郷土料理まで一度に全部体験することができます。大人のための癒し空間で、あなたの知らない津軽の魅力に出合う旅に出かけてみてはいかがでしょう。

星野リゾート 界 津軽

住所/青森県南津軽郡大鰐町大鰐字上牡丹森36-1
TEL/0570-073-011(界予約センター 9:00〜20:00)
URL/kai-ryokan.jp/tsugaru/

 

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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