「星野リゾート 青森屋」でねぶた尽くしの忘れられないステイを! | Numero TOKYO
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「星野リゾート 青森屋」でねぶた尽くしの忘れられないステイを!

豊かな自然と新鮮な海と山の幸、伝統文化など青森の魅力に触れる旅。後編は、「星野リゾート 青森屋」でねぶたに睨まれながら眠る!?「青森ねぶたの間」に宿泊。

青森県東部の三沢市にある「星野リゾート 青森屋」は、ねぶた祭りのショーや屋台、その他青森の文化を伝えるさまざまなイベントをエンターテイメントとして楽しめる温泉宿。2019年4月より、新たに青森ねぶた祭をテーマにした1組限定の「青森ねぶたの間」ができたというので、早速泊まらせていただくことに!

ねぶたの迫力に圧倒される! 1日1組限定の青森ねぶたの間

お部屋はねぶたが開催される8月2日から7日にちなんで、8287号室! ルームキーもねぶたです。 ワクワクしながらドアを開けると…東北地方の蝦夷征伐を行った征夷大将軍、坂上田村麻呂がお出迎え。大きすぎて、カメラに収まりきりません!

床の跳人(ねぶた祭りの踊り手)の足型を辿って進むと、跳人のステップが踏めるという跳人ロードを抜けると…。

この通り上からも横からもねぶたが睨みをきかせています!!

有名なねぶた師、竹浪比呂央氏協力のもと、構想から完成まで1年かかったそう。

こ…これはかなりの迫力! 威圧感が凄まじいです。

それぞれのねぶたには、ストーリーがあるのも見どころです。

まず、立体のねぶたは、平安時代初期、東北の地を治めていた蝦夷の軍事指導者、阿弖流為(アテルイ)が戦う姿を描いたもの。せり出す立体感が、迫力満点です。

そして、障子に描かれているのは、源義経が奥州平泉の地より生き延び、北を目指したと伝えられてきたことから、荒れ狂う津軽海峡を渡ろうとする場面を表現しているのだそう。

寝室にもねぶたが! 部屋の4隅に四天王が鎮座。天井には、見る位置によって絵が変わる楽しい仕掛けの絵も。寝るときも気が抜けません(笑)。

まだまだあります! お風呂にも阿弖流為が。

お手洗いを開けると、ここにも!

他にも、至るところにねぶたが! ここまでか! という楽しませるおもてなしが半端ありません。

さらに、宿泊者限定のうれしい特典も。跳人の衣装を借りることができるのです。

「これは着ないわけにはいかない!」と私も着てみました。青森の文化を知るには、まずはかたちから! ということで、これで館内を散策するとコミュニケーションが生まれること間違いなし!

熱気あふれる白熱のねぶたショー!

さて、跳人衣装に着替えたら、お食事をしながらねぶた祭のショーを楽しめるショーレストラン「みちのく祭りや」へ。青森民謡からお囃子、青森ねぶた祭の山車、跳人体験など、熱気溢れるショーの始まりです!

日本人だからでしょうか。太鼓やお囃子の音に胸が騒ぎます…!

このねぶたが、ものすごい速さで回転したり、揺れる揺れるの大暴れ!

ねぶた祭りには幼少時に家族で訪れたことがあるのですが、一口にねぶたと言っても、地域によってかなり異なるのだと初めて知りました。

弘前ねぷたまつりは扇型の山車。

八戸三社大祭は豪華絢爛! 人形が動いたり、スモークや水が出たりとさまざまな仕掛けもあるのだそう。

五所川原立佞武多は、高さ約23メートルに及ぶ縦長の山車。パレードのとき邪魔になるので、山車が通るコースの電線は地中に埋めたのだとか。

この青森4大祭りがここに集結した、奇跡のようなエンタメショー。青森屋に来たら、絶対見て欲しいです。山車の前では記念撮影もでき、みなさん殺到するほど大人気。お祭りの非日常感がここで味わえます。

酒場から屋台、ショーまで気軽に楽しめるじゃわめぐ広場

みちのく祭りやを降りたところには、じゃわめぐ(=津軽弁でワクワクする)広場が。ここでも毎晩スコップ三味線や民謡などのショーを鑑賞できます。

青森といえば田子にんにくが名物。にんにく茶屋でいただいた、にんにくスイーツが思いのほか絶品でした!

9月からは、ここじゃわめぐ広場で、りんごとほたてをテーマにした楽しいイベントが盛りだくさん。

りんごの競り体験や、りんごのガチャガチャ、りんごジュースのでる蛇口まで!? さすが、あの「青森ねぶたの間」をつくっただけある! 攻めてます…。また、ほたての貝殻にメッセージを書いて手紙として送れる「ほたてがみ」も。素敵な思い出になりそうです。

昔ながらの古民家でいただく青森旬の味

ショーを見ながらみちのく祭りやで食事もできたのですが、敷地内の古民家レストラン、南部曲屋で夕食をいただきました。かつて馬産地だった、青森南部地方に多く見られた民家で、大事な馬にいつも目が届くように、母屋と馬屋がL字型に繋がっているのが特徴です。

青森の海の幸・山の幸がオンパレードのお料理をいただきます!

青森近海でとれる7種の魚卵、8種の珍味からなる、七子八珍! 蛸の子やサメ南蛮漬け、焼きほや、いくら、ふじつぼなど、お酒との相性も抜群。

テーブルに雲海が立ち込めるような幻想的な演出も! お刺身もとっても美味しかったです。

他にも、高級魚のきんきんの塩焼きや、叩き海老の新引き揚げ、牛肉と野菜の焼き物、締めに冷たいお蕎麦などをいただきました。

野菜にしても海鮮にしても、新鮮な素材を活かした料理がおいしくて、ペロリと完食!

のんびり静かな時間を満喫するなら、ここ

広い敷地内には、たくさんの施設が。なかでも気に入ったのが、「八幡馬ラウンジ」。14時から22時までは予約制なので、ゆったりくつろぐことができます。

目の前には、大きな池が。美しい景色を眺めたり、お茶を点てたりとゆっくり過ごしました。和の落ち着いた雰囲気でつい長居してしまうはず。

八幡馬ラウンジ

営業時間/10:00~22:00(最終入室 21:30)
※14:00~22:00までは予約制
料金/一人 ¥1,852(税別)
※宿泊者限定
※入室料、ドリンク代、お茶、お菓子代を含む
※チケットは購入から24時間有効。時間内は何度でも利用可能

個性豊かな3タイプの温泉

ねぶたに熱が入りすぎてなかなかたどり着きませんが(汗)、肝心な温泉も素晴らしいのです!

露天風呂「浮湯」はこの眺め。秋は紅葉がライトアップされて、これまた絶景!

内湯は、ヒバの浴槽で良い香り。

私は行けなかったのですが、昭和レトロな雰囲気の元湯は地元の人の憩いの場になっているそうです。さらに、公園内には足湯もありました。

かわいい馬と自然の中をお散歩

広大な敷地を誇る青森屋。公園内を馬車で巡るツアーにも参加しました。

黒く美しい毛並みのうるるちゃんが馬車を引いてくれました。うるるちゃん、れっきとした星野リゾートの社員として、一生懸命働いています。

かつて馬産地であった歴史や、人間と馬の関わりなどをお話しいただきながら、公園内をぐるっと案内してもらい、戻ってきたときには少し賢くなった気分。

9月からは、世界で唯一の津軽塗の馬車に乗って、月を鑑賞しながら公園を一周する1日1組限定のプログラムがスタートするのだとか! 地酒やと郷土料理「けいらん」を堪能できるほか、津軽三味線の生演奏も聴けるというスペシャルな内容です。

青森の豊かな郷土の魅力を全方位から堪能できる「星野リゾート 青森屋」。盛りだくさんすぎる充実のステイに大満足でした。やっぱり、旅の醍醐味は人と人の心温まる交流だと実感。さまざまなおもてなしを通して、人の温かさに触れる青森旅を体験してみてください!

星野リゾート 青森屋

住所/青森県三沢市字古間木山56
TEL/0570-073-022(9:00〜20:00)
URL/noresoreaomoriya.jp/

 

Profile

新藤友紀子Yukiko Shinto ウェブ・エディター。女性ファッション誌のウェブ編集などを経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッションをはじめ、カルチャーやライフスタイルなど興味の赴くまま取材。Numero.jpでは連載「パン野ゆりのぶらりパン歩き」「パントビスコの不都合研究所」やスイーツの記事などを中心に担当している。最近は韓国ドラマやK-POPに目覚め、失われた青春を取り戻すかのように沼り中。

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