ポメラート歴20年を迎えたクリエイティブ・ディレクターの愛ある金言とは? | Numero TOKYO
Fashion / Editor's Post

ポメラート歴20年を迎えたクリエイティブ・ディレクターの愛ある金言とは?

モード界を彩る多くのデザイナーがいま日本に熱い視線を注いでいますが、先日ミラノのジュエラー、ポメラートのクリエイティブ・ディレクター、ヴィンチェンツォ・カスタルドさんが来日。メディアの方々とインティメイトなランチを共にし、直接お話を伺う機会をいただきました。ポメラートの魅惑的な輝きはどのような人物によって生み出されているのか、その一端をご紹介したいと思います。

ヴィンチェンツォさんはイタリア・トスカーナで生まれ育ち、美術学校を経てフィレンツェで建築を学んだそうです。そこからファッションに興味を持ち、ミラノへ。著名なデザイナーも輩出している名門、マランゴーニ服飾芸術学院を卒業。伝説のデザイナー、ロメオ・ジリやドルチェ&ガッバーナなど、ファッションの世界で15年キャリアを積みました。そして2002年ポメラートと出会い、その才能を開花。2015年からクリエイティブ・ディレクターとして活躍しています。

当日はお気に入りというタートルネックセーターに、たくさんのリングをレイヤードしたシックなスタイル。リングの一つには試作中という素敵なデザインも。親日家で日本の文化への理解が深く、過去には金継ぎにインスパイアされたジュエリーも発表しているほど。

来日したヴィンチェンツォ・カスタルドさん。ポメラート銀座店にて。
来日したヴィンチェンツォ・カスタルドさん。ポメラート銀座店にて。

Pomellato Kintsugi Collection
Pomellato Kintsugi Collection

ポメラートは女性の社会進出が本格派し始めた1967年に創業しました。女性たちの自由を賛美し、ジュエリーを買ってもらうものから自分で選び手にする輝きへと進化させた革新的なジュエラーなのです。女性と共に歴史を刻んできたポメラートのジュエリーを、ミラノの街でデザインしているのがヴィンチェンツォさん。

彼はフレキシタリアンでこの日もミートレスなメニューをチョイスしていました。そんなライフスタイルからもポメラートのデザインが程よく軽やかで、現代的な感覚を持っている理由が感じとれます。

ベストセラーコレクションの一つは「ヌード」。ボリューム感のある宝石の多面的なカッティングと美しいカラーリングに惹かれます。個人的にはニュアンスのあるホワイトトパーズが気になっていて、新作のイヤリングをチェックしています。

「ヌード」コレクションの制作風景
「ヌード」コレクションの制作風景

「ヌード」コレクションの新作
「ヌード」コレクションの新作

そして愛が満ちるバレンタインシーズンにふさわしいコレクション「ポメラート トゥギャザー」も今月ローンチ。パートナーや友人、家族など大切な人との絆をシンプルかつ優美に表現したジュエリーは、建築や美術にも造詣が深い彼が自然であることを大切にし、情熱的な手仕事と大胆なクリエイティビティを融合したポメラートの本質が感じられる作品。支え合い、一緒に生きる人を常に身近に感じられる親密なジュエリーです。

「ポメラート トゥギャザー」
「ポメラート トゥギャザー」

今回のヴィンチェンツォさんとの会話で刺激を受けたワードは「ルールを理解しながらも、あえてそれを無視すること」。継続、そしてさらなる高みを目指すために必要なのは、現状に甘んじず、冒険する勇気と基本を知るからこその遊び心でした。

ポメラートに携わり、20年を祝して制作されたショートムービーで、彼の思いをnumero.jpの読者の皆さんにもシェアします!

Profile

古泉洋子Hiroko Koizumi コントリビューティング・シニア・ファッション・エディター。『Harper's BAZAAR』『ELLE Japon』などのモード誌から女性誌、富裕層向け雑誌まで幅広い媒体での編集経験を持つ。『NumeroTOKYO』には2017年秋よりファッション・エディトリアル・ディレクターとして参加した後、2020年4月からフリーランスとしての個人発信を強め、本誌ではファッションを読み解く連載「読むモード」を寄稿。広告のファッションヴィジュアルのディレクションも行う。著書に『この服でもう一度輝く』(講談社)など。イタリアと育った街、金沢をこよなく愛する。
Instagram: @hiroko_giovanna_koizumi

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