ヘルシーな南インド料理がHOT!
食通のゲストセレクターを迎え、いま注目の“食の世界”をおすすめのレストランとともに紹介するフード連載。Vol.2は、フードエディター&ライターの北村美香が注目する、本場を経験した日本人シェフが進化させた洗練のあっさりヘルシー南インド料理。(「ヌメロ・トウキョウ」2018年10月号掲載)
大好きなヘルシー南インド料理
秋とはいえ、まだまだ暑いこの時期。スパイスの効いた料理をやっぱり体が欲しがっている。そんなときは南インド料理店へ。ホット&スパイシーなのに、あっさり、ヘルシーだから胃に優しい。宗教上の理由でベジタリアンが多い南インドでは、野菜と豆をよく食べる。海に面した地域が多く、魚介カレーが豊富。北インドのカレーは、油脂分と乳製品が多めなので、トロリ濃厚だが、南インドはどちらも控えめ、水気の多いシャバシャバタイプ。米が主食だから、日本人の舌に馴染みやすい。
本場を経験した日本の料理人が近年、洗練された南インド料理をさらに進化させている。東京・西荻窪「大岩食堂」では、スパイスを効かせたおつまみを用意。自家製レモンサワーや自然派ワイン、日本酒など、ドリンクにこだわり、夜の楽しみを広げている。渋谷「マサラダイナー」は豪快に焼き上げたスパイシーな肉とワインを、銀座「ダルマサーガラ」はベジタリアン向けやハラルメニューも揃えている。もちろん、どのお店でも、南インドの昼定食「ミールス」(カレー数種とごはん、ヨーグルトなど)はお約束。夜メニューにもあるので、お酒の〆にもおすすめだ。
大岩食堂
スリランカで修業し、南インド料理の名店、東京・八重洲の「エリックサウス」で腕を振るった大岩俊介さんが独立。ビストロのような雰囲気の店内で、大岩流南インドの味とバラエティーに富んだドリンクメニューで、幅広い年代層のファンをつかんでいる。必ずオーダーしたいのはやはり「ミールス」(右ページ)。大岩さんのカレーはスパイスの香りが爽やか。食材の味が引き立っている。クミン風味のチキンやマサラ味のフライドポテトなどのサイドメニューが、おつまみにもなる。自然派ワインのほか、「スパイスにはこれが合う」と日本酒のお燗も今夏から始めた。自家製レモンサワーも大人気。バル感覚で訪れたい一軒だ。
住所/東京都杉並区西荻南3-24-1
TEL/03-6913-6641
営業時間/11:00〜14:30(L.O.)、18:00〜22:00(L.O.)
定休日/月・木
エリックサウス マサラダイナー
「宗教上、現地ではあまりお酒を飲まれませんが、南インド料理はお酒との相性が抜群」と店主の礒邊和敬さん。“モダン&クラシックな南インド料理と個性的なワイン”をテーマに、南インドをベースに西欧や中東のエッセンスが融合したフュージョン料理が自慢。豆と米で作るガレット“ドーサ”は「日本でトップクラスの焼き加減」と、店主イチオシメニュー。
住所/東京都渋谷区神宮前6-19-17 GEMS神宮前
TEL/03-5962-7888
栄養時間/11:30〜15:00、17:30〜22:00(L.O.)
日・祝日は11:30〜21:00(L.O.)
定休日/火
価格/ランチ ¥500〜、ディナー ¥1,500〜
ダルマサーガラ
「南インド料理が好きなのと、日本でも本場の味を食べたいと話す現地の友人のためにお店を開きました」と話す、35年近くインドに通い続けるオーナーの山田尚美さん。メニューは自身の思い入れが深いタミルナードゥ州の料理が中心で、厨房に立つのもタミル人。化学調味料などは一切使わずナチュラルな食材のみで作る料理はとびきりヘルシー!
住所/東京都中央区銀座4-14-6 ギンザエイトビル2F
TEL/03-3545-5588
営業時間/11:30〜14:00、18:00〜22:00(L.O.)
土・日・祝日は12:00〜14:30、17:30〜21:00(L.O.)
定休日/年末年始
価格/ランチセットメニュー ¥1,200〜、ディナーセットメニュー ¥2,000〜
Photos : Yufuko Uehara(大岩食堂), Shuichi Yamakawa(エリックサウス マサラダイナー、ダルマサーガラ) Text : Nao Kadokami(エリックサウス マサラダイナー、ダルマサーガラ) Edit : Yuuka Shiomi