スーパーボディが集まるヴィクトリア・シークレットという帝国
Startraks/アフロ(Behati Prinsloo, Erin Heatherton, Miranda Kerr, Rosie Huntington-Whiteley) Zeppelin/アフロ(Adriana Lima, Alessandra Ambrosio, Chanel Iman, Doutzen Kroes) AP/アフロ(Candice Swanepoel) ロイター/アフロ(Lily Aldridge) Splash/アフロ(Lindsay Ellingson)
かつては二流、三流というイメージがあったランジェリーモデル。「昔は『体をギリギリまで出すのがOKのモデル』という暗い印象でしたが、そのイメージを覆すのにVSエンジェルたちが大きな役割を担ったでしょうね」。そう話すのは、ロージー・ハンティントン・ホワイトリーなど数多くのVSエンジェルたちのメイクを担当するYumiさん。「カタログ販売が主流の低価格ランジェリーに、ジゼル・ブンチェンなどスーパーモデルを起用して商品を高価に見せることに成功したのです」。そんな戦略を打ち出し、ランジェリー界に変革をもたらしたのがVSエンジェルたちだ。さらに今ではロージーのような無名のモデルたちを起用し、スーパーモデルへ続く登竜門となる。
現在、モデルには「ヴィクトリア・シークレット・エンジェル」と呼ばれる専属モデルのほか、キャンペーンごとに起用される「フューチャーエンジェル」、またショウに登場する単発の「ランウェイエンジェル」が存在し、ある種シビアな“階級制度”がある。そして、毎年ひとつだけ作られる宝石を散りばめた「ファンタジーブラ」を着けるモデルが、実質上その年の頂点。昨年はその大役をミランダ・カーが務め、142カラットものダイヤモンドが施された、250万ドルの「トレジャーブラ」を着用した。また、健康的であることが、VSエンジェルの条件。痩せ過ぎのモデルが必死で体重を戻したことも。「普段からジムで鍛えていますが、特にショウ前は、いかに腹筋をつけるかを皆気にしています」(Yumiさん)。モデル世界の縮図のようなVS帝国でVSエンジェルになることは、モデルとしての成功を約束するのだ。
Text:Mari Oyama
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