田中杏子のリアル・モード「zhuzh it up」
オールドベーシックな要素を現代風にしたルックが多く登場している2023年秋冬コレクションでは、アクセサリーのアプローチが多種多様に表現されていた。そんなスタイリングを華やかにモードアップするアクセサリーは、個性的なステートメントを表現するのに欠かせない存在。アクセサリーを1つ足して、トレンドはもちろん個々に合うスタイリングを田中杏子が提案。シーズンに先駆けて、秋冬のワンモアアクセサリー術を取り入れてみて。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年9月号掲載)
革新的なニューパンク モードな官能をプラス
ダニエル・リーがクリエイティブ・ディレクターとして初めて手掛けた2023-24年秋冬コレクション。カルガモのグラフィックトップに、新生バーバリーとしてチェック柄を再構築したスカートとパンツをレイヤードしたルックはパンクで力強いUKスタイルを物語る。チェーンネックレスとバッグを足すだけでデコラティブに。
パールの魅力を重ねて リュクスに白霧を漂う
花びらのようなスパングルを全体に施した光沢感あるドレスに、グログランのハーネスがついたようなデザインがフェミニンでありながら存在感を放つ。ベルベットケープを掛け、右胸元には同素材のローズピンを、幾つもの重なるパールネックレスで自由にアレンジして視線を奪って。
アンダーウェア改革 型破りな主人公
ランジェリーを日常着へと昇華させたミュウミュウ。シンプルなブラックトップと巧みなバランスを叶えた煌めくシークインショーツは主役級。シースルータイツのレイヤードを効かせて固定観念にとらわれない自由なスタイルを楽しもう。
気高く纏う オールレッドブルーミング
真っ赤な花柄のプリーツレザースカートとツンと誇張したショルダーラインが印象的なトップをオン。ロングケープのようなデザインの袖がバレンシアガらしい斬新な思想を醸し出す。同柄のアイコニックなビッグバッグでとことんプレイフルに。
フェザーが織りなすクラシカルな旋律
エレガントなニットトップとプリーツスカートをドッキングしたようなリラクシングムード漂うジルサンダーのドレスを、大ぶりなフェザーネックレスとピアスでデコレート。イエローのボアバッグを投入して遊び心も忘れずに。ときめくアクセサリーをアクセントに旬なスタイリングを叶えたい。
未知なるマスターピースを探る デコレーションハンター
「ロンパージュ」と名付けたドレスを解体したようなロンパースを打ち出したメゾン マルジェラ。甘さとパンクを融合してアクセサリーを纏うようにチュールドレスとストールをレイヤード。ニーハイソックスとラインストーンが施されたタビ シューズ、ビジューのベルトとヴィンテージバッグはガリアーノの美学を体感させてくれる。
ガーリーなタイツと共鳴するモノクローム
シャネルを象徴するアイコンのカメリア。カメリアをアブストラクトに落とし込み、総柄にプリントされたドレスには異なる長さのネックレスを重ね付けして華やかに。白い花柄のタイツでモノクロ映画のヒロインになりきって。
エフォートレスに相反する装飾
輪郭をぼかし抽象的にしたフローラル柄のドレスに、旬なムードを加速するロンググローブと首元にフィットするチョーカーを投入。反骨精神が潜むアクセサリーでドレスを着崩したい。
エッジを効かせる首元 メタリックレッドの魅惑
ギャザーとドレープが創出するメタリックレッドの反射が美しいタイトなミニドレス。1950年代を体現するルックには、グローブと短いハンドルのバッグも欠かせない。懐中時計がスイングしているように見える大ぶりなネックレスにも注目して。
クリスタルの虜 ファッショナブルに解き放つ
大胆なストーンを装飾し目を引く胸元に仕上げたシアーのロングドレス。耳元にもビッグサイズなイヤリングで贅沢に煌めきを連ねて。素材のコントラストを味わうハラコのバッグを合わせたい。
マテリアルが交差する重層的な力強さ
ファブリックの重なる面白さが詰め込まれたコレクションを披露したドリス ヴァン ノッテン。サテンとフェザー、チュールがレイヤードされたかのようなドレスに、金箔の光沢がのったコートを羽織る。首元にはシークインが施されたレースのチョーカーとメタリックバッグでさらに素材を重ね、彫刻的な足元で存在感を発揮する。
Photos:Seiji Fujimori Model:Topsy at Tokyo Rebels, Inc. Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Jun Goto Makeup:Yuka Washizu Edit & Text:Shomi Abe