SNSと現実とのギャップをどう乗り越える? 映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』 | Numero TOKYO
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SNSと現実とのギャップをどう乗り越える? 映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

生まれたときからSNSが当たり前に身近にある、“ジェネレーションZ世代”と呼ばれるティーンたちは、ネット上にポストする理想の自分と、ままならない現実の自分とのギャップをどう乗り越えていくのか。公開中の映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』は、何もかも退屈で最低な思春期の少女の成長を厳しくも優しい眼差しで見つめる。

主人公は、中学校卒業を1週間後に控えた、8年生の少女ケイラ(エルシー・フィッシャー)。目立たず、「学年で最も無口な子」に選ばれるほど存在感がない彼女は、何もかもが退屈でイライラしてばかり。心の拠り所は、SNSと自身のYouTubeのチャンネルだけ。シングルファザーとして彼女を気にかけるマーク(ジョシュ・ハミルトン)にも素直になれず、反抗期真っ最中。ネットを駆使して脱ダサい私と一念発起するも、現実のクールな私への壁は高くて分厚くて……。

アメリカでは、口コミで4館から1084館に拡大公開し、全米で社会現象を巻き起こした本作は、『レディ・バード』『ムーンライト』などの話題作を⼿がける新進気鋭スタジオ「A24」が製作。16歳の頃、ユーチューバーとしてキャリアをスタートさせ、コメディアン、ミュージシャン、俳優として活躍するボー・バーナムによる、初監督作。脚本は、若者がYouTubeなどに投稿するVlogにインスパイアされ、実際の13歳の子どもたちへのインタビューなどを重ねて、作り上げていったという。

SNS社会における自意識と現実社会とのギャップは、中学時代に感じたなりたい自分と惨めな自分とのギャップと近い。誰もがかつて通過したことのある自意識との闘いは、痛々しくて苦しくてめちゃめちゃだ。でも、そこから抜け出して振り返ってみると、抱きしめたくなる愛おしい日々へと変わるのだ。

『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』
監督・脚本/ボー・バーナム
出演/エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン、ジェイク・ライアン ほか
製作/A24/2018年/アメリカ/英語/93分
原題/EIGHTH GRADE
配給/トランスフォーマー
© 2018 A24 DISTRIBUTION, LLC
9月20日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、シネクイントほか全国ロードショー
www.transformer.co.jp/m/eighthgrade

 

Text:Tomoko Ogawa Edit:Chiho Inoue

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