占いと、上手に付き合う攻略法
2021年11月27日(土)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2022年1・2月号に寄せて。編集長・田中杏子からのエディターズレター。
自他ともに認めるほど、目に見えない世界への憧れがあります。そういう意味において、占いは機会があれば取り入れる、いいとこ取りの活用派です。占星術、六星占術、四柱推命、カバラ数秘術、風水、タロットカード、九星術などで人生を導いていただいたことが幾度もあり、自宅の本棚には『魔法の杖-The Oracle Book』や『引き寄せの法則』など現実を超常する(と信じられている)本も並んでいて、たまにオラクルブックを開いては、なるほどね〜と参考にしています。ある種の人たちにとっては私は完全なる「オカルト女子」ですね。
信じる理由の多くは当たっている、もしくはそのとおり!と感じているからですが、間違いないのは、占いを信じても最後には“行動”が必要だということ。最近思うことは、占いが当たるのではなく、占いで言われた言葉を脳が認識し、認識して動くので結果、事実がついてくる、そして当たった〜となる。勝手なことを言うと占い師の方々に叱られそうですが、どちらかというと占いは行動促進剤とでもいいましょうか、そのスイッチを入れるためのツールなのではと感じています。私の友人に、ことごとく占いをハズし続ける占い好きのオカルト女子がいます。彼女は占ってもらった内容を当てに行く(そのとおりのことが起きるように行動する)という本末転倒な動きをする人で、結果が伴わず常に、当たってないじゃん!というオチに見舞われています。「今年中に結婚するという星が出てるみたい」と言われれば、言われたとおりに結婚するであろう人を探してみたり、「◯月頃に赤ちゃんを授かるかも」では、授かる前の相手探しに躍起になる。何がこうもハズレさせるのか彼女の行動を注視してみると、未来の予測に焦点を当てすぎて、素の自分の行動や脳内にリミットが起き、先ほどでいう実際の脳内認識が不足しているのではと分析しています。「まずは脳内認識、そして行動」のはずが、「一にも二にも行動あるのみ」になっていて、間違いを引き起こすという意味です。霊性の時代に入ったからこそ、脳内認識がないと“引き寄せ”られないですからね(とまた、オカルト女子の発言をしてしまいました)。
今号の占い特集では、猫星ラピスの占星術(本誌p.105〜)や星ひとみの天星術(p.112〜)、東京ケイ子の招福日読み(本誌p.120〜)や鏡リュウジのタロット占い(本誌p.128〜)と、盛りだくさんに取り揃えてみました。え、そんなに?と思った方はぜひ、鏡リュウジさんとジェーン・スーさん、堀井美香さんの鼎談をご一読ください(本誌p.126〜)。鏡リュウジさん的見解では、占いはエンターテインメントであり、時間のファンタジーを与えてもらっているということだそうです。また、占いは社会風俗的に見ても貴重資料になり得るモノだという読みもすごいです。
私自身の開運アイテムを並べてみました。上段左から時計回りに森星ちゃんが「Beauty of Nature」をテーマにデザインしたhikari x CASTiFYコレクション、大宮エリーちゃんが撮影した龍神様が映しだされた「SACRED SPACE 神聖な場所」の洞爺湖の一枚、2022年は寅年だけど自分の干支ということもあり、私が撮った可愛い馬の写真と、鉄板・富士山の写真(でも雪がないの・涙)。
ファッションの世界のトレンドもある意味、時代を占っているのに近いように感じています。「世界のデザイナーは、新たな時代をこう予言した!」(本誌p.64〜)では、各デザイナーが半年先の2022年春夏ファッションを「これが来る!」と提案(予言)。まさに、時間のファンタジーを与える占いに近いようにも思いますが、あなたはどの予言にピンときますか。さてさて、そんなこんなの丸ごと一冊占い特集です。上手に取り入れて、人生のデザイン設計に活用してくださいね。でも最後は、脳内認識と行動ですよ〜。
Numéro TOKYO編集長 田中杏子