日本酒はもちろんワインまで日本産!
中目黒の和食料理店「伍燗」
国境やジャンルを超えた料理とお酒の組み合わせを堪能できるレストラン5軒を「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」がピックアップ。
料理もお酒も器もオールジャパニーズ!
新店ラッシュで注目のフードスポット、中目黒の高架下を進むと、作家ものの器などが並ぶこじんまりしたエントランスに到着。カウンター6名、個室6名、全12席の小さな空間には毎晩ペアリングを楽しむ大人が集まっている。茶もたしなみ、和食一筋の「伍燗(ごかん)」の店主、内藤大輔さんの料理は、淡いだしを基本とする京都色がやや強め。「先輩に京都出身の方が多くて、その影響です。素材をできるだけ生かすことを考え、見た目にも美しく、お酒を呼ぶ料理を意識しています」。面白いのは、日本酒はもちろん、ワインも日本産の自然派のみだという点。「日本のワインは今、志の高い造り手が次々と生まれ、質も向上していて、とても面白いんです。どのワインにも共通していえるのが、押しが強すぎない、料理をじゃましない、それでいて飲み続けたくなる日本人に似合う味わい。うちでは特に、だしや味噌、醤油といった和の調味料に寄り添ってくれるような、やさしい旨味を感じるワインを選んでお出ししています」。
酒肴盛り合わせ
× ヨイチロゼ(ドメーヌアツシスズキ/北海道)
目にも楽しい八寸は、だしに軽く漬け、花びらをかたどった食感の良い新生姜や、白味噌で炊いたほろ苦さが心地よいふき味噌など、あしらいのような小さな存在にも細かい気配りがされていて隙がない。北海道で注目の造り手のロゼに含まれる、ほろ苦さやじんわりした旨味が実によく合う。あん肝や子持ち昆布など、海のもの系との相性も楽しめる。
尾崎牛焼き筍
× 丹沢山凛峰 山廃限定酒(川西屋酒造)
力強い旨味が詰まった赤身と、さらっと軽い脂のバランスが特徴の宮崎県の尾崎牛を、塩と胡椒だけでしっとり丁寧に焼き、酒で炊いてからこんがり甘く香ばしく焼いた筍を添えた一皿には、山廃独特の旨味と、張りのある酸を感じる純米酒を。常温ではさらっと心地よく、お燗にするとぐっと香りも味わいも膨らんで、牛肉の旨味をしっかり支える。
伍燗
住所/東京都目黒区上目黒3-5-20中目黒高架下71
TEL/03-6451-2623
営業時間/火~木・土 17:00~23:00(L.O.)、金 17:00~25:00(L.O.)、日 13:00~20:00(L.O.)
定休日/月
料金/ペアリングコース・6肴6酒¥10,000
Photo:Toshiyuki Ebihara
Text & Edit:Saori Bada