Life / Food
自然派ワインと日本酒を楽しめる
歓声と驚きに満ちたオーガニックなディナーを
シェフでソムリエとしての経験も豊富な店主の藤田善平さんが2年前にお店を開いたとき、メニューの軸に据えたのが料理とお酒のペアリングのコース。「以前から、この料理にはどのお酒が合うかとお客さまに聞かれることがとても多かったんです。それにはきちんと答えがあって、例えば淡い酸味やほのかな苦味を感じる野菜が主役の料理には、近い酸味や苦味を持つワイン、チーズのミルキーな味が主役の料理には、乳酸系のコクを持つ純米酒の燗酒など。そういうペアリングの楽しさを一皿ずつ提案できたら面白いと思って」。主役は故郷の瀬戸内から週に数回直送される新鮮な魚介類や、岡山の契約農家から届く無農薬の露地栽培の野菜など、出どころが明確で健康的な食材。素材の美味しさを最大限に生かすべく、オーガニック料理の最先端を行くデンマークなどのフレンチノルディックな技法を使って、アートのように美しい皿に仕立てる。コース全体がまるでおいしいショウのようだ。
鰆のローストとチコリ
× レ・デ・ボネール シノン(仏)
上品で淡泊な鰆をじっくりとローストし、にんにくのオイルを絡めたチコリ、揚げて乾燥させたケール、皮ごと焼いたレモンを一緒に合わせ、鰆の旨味にさまざまな苦味や香ばしさ、酸味を幾重にも重ねて楽しむ。カヴェルネフラン100%の赤は軽めのタンニンや野菜っぽいニュアンスがあり、鰆の軽やかな旨味や多彩な香ばしさと好バランス。
下津井たこのコンフィ
× ロッソ・ダ・ターボラ コッレカプレッタ(伊)
じっくりとコンフィした肉のようなたこの旨味、香ばしい香りは、ウンブリアのサンジョベーゼで造られた自然派ワインの、梅干しにも似た干した旨味のニュアンスと不思議にマッチ。添えたマッシュポテトのほのかな甘味、ニラソースの青い香り、散らしたドライオリーブなどの旨味を重ねて、あか抜けないけれど、旨味じんわりの赤を楽しめる。
自然派ワインと日本酒を楽しめる
ノルディックフレンチ「ATELIER FUJITA」
国境やジャンルを超えた料理とお酒の組み合わせを堪能できるレストラン5軒を「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」がピックアップ。
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Photos:Miwa Kumon
Text & Edit:Saori Bada