昭和29年創業! 東京でいちばん古い老舗「おにぎり浅草宿六」 | Numero TOKYO
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昭和29年創業! 東京でいちばん古い老舗「おにぎり浅草宿六」

今月のディッシュvol.92は「おにぎり♥」をテーマに、おすすめの3軒をご紹介。

みんな大好き、日本のスローフードおにぎり。米・塩・具材や海苔を合わせるシンプルな構成でありながら、組み合せや味付けによってバリエーションは無限大。手軽に楽しめてヘルシーな“onigiri”は、海外のグルメシティーにも続々とショップがオープンし大人気。昔ながらのおにぎり屋さんから個性的なおにぎりカフェやBARなどお米の国のおにぎりワールドを楽しみたい!

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口の中でほろほろほどける むかしながらの無添加おにぎり 米の自給率が低下する一方、「パンよりおにぎり」という若者が最近増えた。おにぎりカフェやおにぎり酒場が続々登場している。腹持ちがいいのにカロリー少なめ、が人気の理由。雑穀や玄米などの選択肢も増え、ヘルシー度もアップ。味噌汁を添えれば、栄養的にも安心だ。

さて、新しいお店も多いなか、不動の人気を誇るのが「おにぎり浅草宿六」だ。銀しゃりが贅沢品だった昭和29年に創業。おにぎり屋としては東京でいちばん古い。当時と変わらず、浅草観音裏の通りに粋な暖簾を掲げている。ここでは、具材を選ぶと、1個ずつ握ってくれる。

2代目女将のおにぎりは、米の一粒一粒が立ちながら、お茶碗によそいたてのご飯のようにふんわり。口の中でほろほろほどけ、米の甘味と具材の味、海苔の香りが渾然一体となる。米の産地にこだわらず、その時期いちばんおいしいコシヒカリを使用。具は20種余り。添加物など使わない、昔ながらの味ばかり。塩だけで漬けた紀州の梅干しや、昔ながらのたくあん、爽やかな辛味の葉唐辛子……。海苔は香りの高さが大切と、江戸前にこだわる。

夜は、一杯だけならお酒の注文もOK。「うちは飲み屋じゃないから、食前酒として一杯だけね」と女将さん。なめこ、わかめ、しじみの味噌汁も注文してほしい。昼はフルート奏者でもある息子さんが握る。おにぎり目当てに浅草を目指すのもいい。

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住所/東京都台東区浅草3-9-10
TEL/03-3874-1615
営業時間/11:30〜17:00、18:00〜24:00(ご飯がなくなり次第終了)
定休日/昼の部:日 夜の部:水  
URL/onigiriyadoroku.com

Photo:Masahiro Goda
Text:Mika Kitamura
Edit:Yuuka Shiomi

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2024.10.28 発売

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