引き続き、2014 S+S PARIS MEN’S COLLECTIONのリポートをお送りしますね。あくまでもここで発表されているのは1年後の夏のコレクションです。暑い日が続きファッションなんかどーでも良いなんて気分の毎日で、しかも秋冬を通り越して1年後の夏の話なんて、、、、とお思いの方々も多いと思いますが、ボヤボヤしてたら人気のアイテムは即完売してしまいます。アイテムによっては実質的にリミッティッドの物も多いので、こまめにショップに通ってチェックする事をお勧めします。
まずは素晴らしい作品を発表したMaison Martin Margielaのコレクションから。『時間の経過』というテーマでこのメゾンらしく再解釈されたアイテムは、長い間スチールのハンガーにかけられ、鉄の錆がしみ込んだTシャツや、特殊なコーティングを重ね、時間の経過や劣化により表面のテクスチャーが変わって行くバッグ等、めまぐるしく過ぎて行く昨今のファッションの状況にアンチテーゼを唱うような、静かで大人なコレクションが素敵でしたね。
こちらは、ソールにポイントのあるシューズで、実際にマーブルの特別なソールを作り出し、錆を踏んで色が沈着したようなムードを作り上げ、履いて行く事により底が減り、また違う表情を見せるという、芸の細かいテクニックが用いられていて素敵でしたね。
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7区にあるrue sainte dominiqueのギャラリーでアヴァンギャルドで楽しいプレゼンテーションを行ったのは、Acne Studios。アクネのシグネチャーカラーでもある、グレイッシュピンクのつなぎを着たギャルソン達が、グラニエのサービスを振る舞い、日差しが強くなったこの日に嬉しいおもてなしでしたね。
今迄ベーシックなリアルクローズを発表して来ていたこのブランドのメンズウエアですが、今回は新しい方向へ舵を取り直しました。様々な時代のストリートカルチャーを独自の目線で再解釈し、フィルムのようなゴールドやシルバーのマテリアルを使ったジャケットやパンツ、19世紀末から20世紀にかけて活動したスエーデンの女流画家Hilma af Klint(ヒルマ・アフ・クリント)の作品からインスパイヤされてたグラフィカルなシャツやカットソー等、エッジィで感度の高いファショニスタ達にはビンビン来るコレクションを見せてくれました。
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8区の高級住宅街、Rue Francoisの素晴らしい自社サロンでプレゼンテーションを行ったのはLOEWE。いつものスペイン兄貴のシックなスタイルから少しカラーを変え、若くコンテンポラリーなコレクションが印象的でしたね。アルボラン海を見渡す、スペインの高級リゾート地”ソトグランデ”をテーマに、そこでセーリングやゴルフ、ポロ等を楽しむスペイン貴族のバカンススタイルが、ネイビーやマリン、スカイブルー等の海の色や、鮮やかなスカーレット、グリーン等で表現されます。
大注目なのがフレッシュでスポーティーなムードを表現した新作のサッチェル・バッグ、”Montera”。スエードにパーフォレーションを施したボディ部分と、表革を使った蓋の部分のコントラストが印象的で、さりげなくロエベのエンブレムもパンチングで施された、また話題になりそうなアイテムの登場でしたね。
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クリエイティブ ディレクター、ウンベルトとキャロルの生まれ故郷、カリフォルニアをテーマにイージーでリラックスしたカジュアルスタイルを提案したのは人気のKENZOです。常に彼らが愛情とリスペクトを抱く西海岸の海の情景は様々なプリントになってコレクションを飾ります。ジオメトリックに解釈されたパターンや、葛飾北斎の名作、富岳三十六景の中の『神奈川沖浪裏』を思わせる荒波のパターン等、ユニークで開放感溢れるコレクションでしたね。
全てのアイテムにハイブリッドなイージーさを取入れていて、2ウェイで楽しめる襟のデザインや、コーディネイトしやすいアイテムの数々。アクセサリーに関しても紐でレースアップにするという部分を排除したスリッポンタイプのスニーカーや、どこでも気兼ねなくガシガシ物を収納する事が出来る、プリントの楽しいバックパックやサッチェル等が注目でしたね。
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常に日常の生活の上に成り立つデザインをコンセプトに、ベーシックなアイテムを独自の目線で解釈し、世界中から大注目を集める誇るべき日本のブランドsacaiは、今回モデルを使ったプレゼンテーションでまた新しい魅力を発揮しました。ボディと袖で複雑に素材を変えたスウェットシャツや、グログランリボンを叩く事によりストライプを作り出したアテリアルで仕立てたモッズコートやジャケット。話題のフラワーモチーフも、ジオメトリックにパターン化され、ボーダーとコンビになったり、カムフラージュのようなカラーリングでアイテムに落とし込み、すぐにでも取入れたい秀作が揃ったコレクションでしたね。
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ミニマム・バロックをテーマにいつものミニマムなスタイルの中に新しいデコラティブな要素をプラスして話題になったのが、クリス・ヴァン・アッシュがクリエイティブ ディレクターを務めるDIOR HOMMEです。ジャンク・アートを代表するアメリカのアーティスト、John Chamberlain(ジョン・チェンバレン)の作品からインスパイヤされた、カラーブロックのモチーフはボンディング等ハイブリットなテクニックが施された、新しい時代の刺繍の提案です。
フォーマルスタイルとビーチウエアというかけ離れた矛盾を上品に作品に取り込み、ラグジュアリーなマテリアルは目を見張る物がありましたね。ヒューチャーされていたボルドーや、ブルー、グレー、得意のブラック等のカラーパレットを用い、艶やかでセクシー、そしてコンテンポラリーな男性像が印象的でした。
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