はい。メンズコレクションのリポートの途中ですが、皆さんにお伝えしたい、素敵なエンタメがありますので、今回はお伝えしますね。
世界中のファッショニスタ、特にニューヨーカーにとって彼に撮影される事は最高の喜び、まさにイギリス女王の晩餐会に招待されるようなステイタスとも言われている、New York Timesのフォトジャーナリスト、Bill Cunninghamの映画をようやく先週末観に行って来ました。今更ですよね。。。。でも、素晴らしかったので、是非足を運んで頂きたいです。
私はパリに足しげく通うようになって、何度か彼に写真を取られた事があります。いつもコレクション会場の外で楽しくおしゃべりをしていると、スルスル寄って来てニコニコしながら撮影して行きます。風のように現れ風のように去って行く。。。。それが、ビル。
最初、可哀想なフランス人のアマチュアカメラマンのおじいちゃんだと思っていました。パリのゴミ清掃員のブルーの作業着を着て、チャリンコで現れ、、、、でも、そんな彼をChloéのファーストロウで発見したときの驚きようと言ったら、、、、嗚呼、恥ずかしい！！！
同じファッションという世界を見つめていますが、こんなに純粋で聖職者のような尊い見方が良く出来るものだと感動しましたね。ファッションの力とそこに向けるひたむきな迄の姿勢にはただただ頭が下がります。観た後に、次のパリコレクション、何を着て行こうか真剣に考えました。もし私が素敵だったら、、、、きっとビルが見付けてくれる筈です。
間もなく終わってしまいそうな感じなので、是非お早めに足を運んで下さいね。特にファッションに関わる人々にとって、この真摯な姿勢を学んで頂きたいです。もちろん私もですがね。。。
Bill Cunninghamのサイトへはこちらからどうぞ。
Phot By Takao Fujita
Phot By Takao Fujita
もう一つは私のブログではあまりご紹介した事がないISSEY MIYAKEに関する情報です。先月、国立競技場第二体育館にて男子新体操の名門校、青森大学男子新体操部の選手達の出演で特別公演を行いました。演出・振り付けはアメリカのダンスカンパニーMOMIXやISOの創立メンバーでもある、ダニエル・エズラロウが手がけています。肉体の美しさを最大限に生かした演出や振り付けを得意とし、布等や小道具を効果的に使い絵画的な表現には定評があります。
ISSEY MIYAKEはかつて三宅一生氏がデザイナーを務めていた時代から、ウィリアム・フォーサイス率いるフランクフルトバレエ団の衣装を手がけたりと、日本のブランドではあまり縁がないダンスという世界でもその独特な美意識を表現して来ました。
もちろん、この舞台でも動きの中で美しいフォルムを作り出す事が得意な、このブランドならではのアイデンティーが生かされていますし、何より、日々の鍛錬により作り出された青森大学男子新体操部の美しい身体表現と、完璧な演技が素晴らしかったですね。表現とか宣う、アマチュアに毛が生えた程度の華のないダンサーや、御年、還暦を過ぎても中々退かない、戦後の日本をまだまだ引きずっているような重鎮が君臨している日本の稚拙なダンスの世界で、これはまさしく清涼飲料水のように爽やかで清々しくとても美しい舞台でした。
只今この公演の模様を、私も何度かお仕事させて頂いた映画監督の中野裕之氏が編集した映像で楽しむ事が出来ます。中野裕之氏は日本を代表する素敵な映画監督で、数年前カンヌ国際映画祭で学生達が投票する、一切の政治に左右されない唯一の部門で金賞を取った『アイロン』という素晴らしい作品でお馴染みですね。監督とは松雪泰子さん出演の『灯台』、吹越満さん出演の『スパゲティーナポリタン』、綾野剛さん出演の『全速力海岸』等でお仕事させて頂き、どれも楽しい思い出が一杯です。ご本人の人柄からも感じられる愛のある作品が素敵で、お仕事させて頂いてもなお、私もファンの一人です。
彼らの躍動する息づかい迄編集してしまったような美しい舞台。38分の優雅で清々しい時間をお楽しみ下さいね。
企画公演「青森大学男子新体操部」のサイトへはこちらからどうぞ。
あっ！書きますよ、パリメンズの後パブも、もう少しお待ちあれ！！！
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