30周年を迎えた小泉今日子へ、飯島直子、大宮エリーらからメッセージ
デビュー30周年を迎える、KYON²こと、小泉今日子。 お決まりのアイドルの枠に収まらず、そこまでやっちゃう?ということにも果敢に挑戦し、いつもドキドキワクワクさせてくれた。お茶の間からサブカルまで自由に行き来するアイドルなんて見たことがなかった。強いけど可愛らしくて、現実的だけど空想癖第一線にいながらオタク、受け身なのに度胸あり知れば知るほど、不思議に惹き付けられる。すごい売れっ子なのに、本人はスター然とすることを嫌い、どこまでも自然体。でもやっぱり圧倒的な存在感とオーラを放っているのだ。最強のポップ・アイコン、KYON²の今も変わらない魅力を探る。 Are You Ready?
コヤブソニックの打ち上げで一緒に飲んだりするのですが、時代を象徴するアイドルでありながら気遣いがエグいんですよ。飲み会の席で一番視野が広いのは小泉さんですね。スターになってから長い分、相手がどれだけ気を使っているかがわかる。その上で、相手に気を使わせない気の使い方ができる。遅れてきた人にも「おなかすいてるでしょ、私が頼んであげる」って、食べたいであろうものをちょうどいい量でさらっと頼む。また、盛り上がってる中、僕にだけ聞こえるように「小籔くんコヤソニおつかれさま。すごく頑張ってたね、楽しかったよ」と労ってもくれるんですよ。みんなの前で言うと、僕が「いやいやいや!」となるのもわかってるから、耳元でそっと。その後も新喜劇の若手たちがいる一番はじっこにも座り、縦社会の末端にも天使は舞い降りたっていう。しかも、今別府というデブ芸人がいるんですが、明け方なったらホンマに口臭くなる男で、キョンキョンの前で申し訳ないということでずっと手で口を押さえながら話していたんです。そしたらあいつの口元の手を持って「気を使わなくていいのよ」と下ろしてくれたんですよ。尼崎をブラブラして39歳まで童貞だった男が、キョンキョンと同じ空間にいるだけでも、わあ〜ってなっているところに…。そんなこと大スターがします?
今では仲良くさせてもらってますけど、20代の頃、初めて映画でご一緒させていただいたときに、小泉さんと毎日しゃべってたら、すごく感覚が近くて。誰でもうけるような、CDで言うと100万枚売れるような話をしているときはみんなサビの部分でワーッてなるんですけど、僕としてはサビはよりも、実はBメロのギターソロが一番面白いと思っていると、そこで笑ってくれるんですよ。
でも、恐れ多くもだんだん慣れてきたところに、部屋戻って冷静になって、キョンキョンとしゃべってるってどういうことやと思い始めたら、緊張してきてしまって。あかんテレビ見ようとつけたら、午後の紅茶のCMが始まって、あかん余計緊張するわと今度は本読もうとしたら、文庫の帯にもキョンキョンが写ってたんですよ。ここにもおる! やっぱ大スターやわ。もうお風呂入って寝ようと思ったら、スーパーマイルドシャンプーが(笑)。どこ行ってもいる、そんなに売れっ子なのに心底普通で、カルチャーが好きやったりいつまでも若い感覚を持っている部分と、大人としてきっちりしている部分を半々持ってらっしゃる。すごくバランスのいい、女性としての最終形という感じがします。間近に会って憧れ度が増した人ってあんまりいないんですけど、小泉さんは断トツ一位。小泉さんといるときは、僕も素敵な大人になっていかなあかんなと、いつもふんどしを締め直します。これからもずっと僕のお手本でいてください。
Text:Tatsunori Hashimoto (1,2,4) 、Ellie Omiya (3)