大友良英が導く!「札幌国際芸術祭2017」現地レポート(前編) | Numero TOKYO - Part 3
Art / Post

大友良英が導く!
「札幌国際芸術祭2017」現地レポート(前編)

日本全国、地域発のアートイベントが花盛り。「音楽フェスもいいけどアートもね!」的な楽しみはもう常識。10月1日まで開催中の、いま話題の『札幌国際芸術祭2017』について、現地レポートをお届けします。

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札幌芸術の森美術館 札幌芸術の森で繰り広げられる 『リプレイのない展覧会』 モエレ沼公園に続いて大友が導くのは、札幌市街を挟んだ反対側に位置する「札幌芸術の森」。心洗われるような空気の中、敷地内に点在する彫刻を巡る「野外美術館」や、意欲的な展示を行う「札幌芸術の森美術館」などを舞台に、音の表現を手がける5人のアーティストたちによる『NEW LIFE:リプレイのない展覧会』が開催されている。 なかでも注目は、大友が「音楽を飛び越えてさらに広い意味の芸術、アートの面白さ」に気付くきっかけをつくった盟友だと語るアーティスト、クリスチャン・マークレーの回顧的展示。札幌芸術の森美術館の展示室を進むほどに、若き大友に衝撃を与えた最初期の『カバーのないレコード』から、旧式の携帯やパソコンなどのガラクタがリサイクル工場で分解・破砕されていく様子を映像と音のループで再構成した作品、日本初公開となる最新アニメーション作品まで、数々の貴重な作品を贅沢な空間構成とともに堪能できる。
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札幌芸術の森美術館内、クリスチャン・マークレー作品の展示風景(撮影:小牧寿里)。手前は『Recycling Circle』(2005年) 敷地内にはこのほかに、オルタナティブ・ロックバンド「ボアダムス」の中心人物∈Y∋が自らの手で記した数十万単位の光の点と音と向き合う圧巻の空間や、サウンドアーティストの先駆者・鈴木昭男が設置した“耳を澄ますポイント”をたどる屋外展示などが点在。森閑とした空気の中で五感を研ぎ澄ませ、この時間限り=リプレイ不能かつ、自分を取り巻く世界と生身で向かい合う時間に浸りたい。
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札幌芸術の森 工芸館、展示ホール全体を使った∈Y∋『ドッカイドー/・海・』の展示風景(撮影:小牧寿里) 『NEW LIFE:リプレイのない展覧会』 出展作家/クリスチャン・マークレー、刀根康尚、∈Y∋、鈴木昭男、藤田陽介 会場/札幌芸術の森

大友良英に影響を与えた 注目アーティスト×3組

Text:Keita Fukasawa

Profile

深沢慶太Keita Fukasawa コントリビューティング・エディターほか、フリー編集者、ライターとしても活躍。『STUDIO VOICE』編集部を経てフリーに。『Numero TOKYO』創刊より編集に参加。雑誌や書籍、Webマガジンなどの編集執筆、企業企画のコピーライティングやブランディングにも携わる。編集を手がけた書籍に、田名網敬一、篠原有司男ほかアーティストの作品集やインタビュー集『記憶に残るブック&マガジン』(BNN)などがある。『Numéro TOKYO』では、アート/デザイン/カルチャー分野の記事を担当。

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