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アラーキーの写真人生「東京慕情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」

フランス国立ギメ東洋美術館で発表された荒木経惟の新作『東京墓情』に香り立つ、自身の写真人生、そして死──。日本初公開となる『東京墓情』と、荒木が選んだ同美術館所蔵の幕末・明治期の写真が、シャネル・ネクサス・ホールで花開く。

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荒木経惟の新作より(2017年)RP-Pro crystal print © Nobuyoshi Araki / Courtesy of Taka Ishii Gallery

写真家人生をかけて見つめる“愛と死”

荒木経惟は1940年、東京の下町・三ノ輪にある下駄屋の家に生まれた。カメラを趣味にしていた父親の影響で、子どもの頃から写真を撮り始めたという。荒木自身がたびたび好んで語る思い出の一つに、彼岸花のエピソードがある。生家の向かいにあった“投げ込み寺”として有名な浄閑寺が子ども時代の遊び場で、墓に供えられた彼岸花が最初に撮った花だったという話だ。その頃からすでに、生の傍らにいつも死を意識してきたという。

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荒木経惟の新作より(2017年)RP-Pro crystal print © Nobuyoshi Araki / Courtesy of Taka Ishii Gallery

しかし、荒木にとって“死”が最も決定的な表現の素地となった契機が、妻・陽子の早世であったことは間違いないだろう。90年に亡くなった前後のスナップを「冬の旅」としてまとめ、彼女との新婚旅行を写した私家版『センチメンタルな旅』(71年)を再編集して合本とした『センチメンタルな旅・冬の旅』(新潮社/91年)を、彼は「私の愛であり、写真家決心なのです」と宣言している。

そして、彼自身の「大切な人の死が、俺を生に向かわせる。生っつうのがどれだけ素晴らしいかって気付かせるんですよ」(前掲書)という言葉に出合うとき、もしかしたら愛とともにある喪失感こそが写真に向かう原動力となってきたのではないかと思わずにはいられない。

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荒木経惟の新作より(2017年)RP-Pro crystal print © Nobuyoshi Araki / Courtesy of Taka Ishii Gallery

6月22日からシャネル・ネクサス・ホールで開催される写真展『東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館』は、『ARKI』展で発表された作品が日本で初展示されるとともに、撮り下ろしの新作も出展される予定だ。また、ギメ東洋美術館の写真コレクションから荒木自身が選んだ幕末・明治期の貴重な古写真も併せて展示されるという。武士や花魁、刺青を入れた別当や、盛りを過ぎた椿の花などの写真からは、当時の文化が偲ばれるが、そこで私たちは、日本の“粋”を自らの人生で継いでみせた写真家が、荒木経惟その人であることを確認することになるだろう。

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『東京墓情』シリーズより Nobuyoshi Araki,“ Tombeau Tokyo”(2016年)Gelatin Silver print © Nobuyoshi Araki / Courtesy of Taka Ishii Gallery

『東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館』
パリのフランス国立ギメ東洋美術館で2016年に開催された個展『ARAKI』にて発表された『東京墓情』シリーズと本展のために撮り下ろした新作、荒木自身がセレクトした同館所蔵の幕末・明治期の写真作品を併せて展示する。
会期/2017年6月22日(木)〜7月23日(日)
会場/シャネル・ネクサス・ホール
住所/東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
TEL/03-3779-4001
URL/chanelnexushall.jp

展覧会「写狂老人A 17.5.25で77齢 後期高齢写」も開催中。

Photos:Nobuyoshi Araki
Text : Akiko Tomita
Edit : Keita Fukasawa

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