綾野剛の決意「日本の作品をもっと世界に届けていきたい」 | Numero TOKYO
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綾野剛の決意「日本の作品をもっと世界に届けていきたい」

Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
役柄によってまったく異なる空気を放ち、“カメレオン俳優”という異名もささやかれる役者、綾野剛。主演ドラマ『すべてがFになる』では、天才肌の研究者を演じて話題を呼んだ。映画、ドラマの中で目まぐるしい活躍を見せる彼に人生での変化について投げかけてみると、最近のある出来事が自分を大きく変えたと話し始める。「丸11年役者をやってきたなかで徐々に溜まっていた迷いのようなものが、一気に吹っ切れたんです」。役者人生で蓄積されてきたモヤモヤのタネの正体とは? 役者にかける思いと、新たな決意を語ってくれた。(Numéro TOKYO 2014年12月号掲載

──この秋スタートしたドラマ『すべてがFになる』(フジテレビ系毎週火曜21時~)は、綾野さんにとって民放連続ドラマ初主演作品であり、なおかつ武井咲さんとのW主演。原作が人気ミステリー小説ということも相まって、話題ずくめのスタートになりましたね。

「僕も撮影前に原作を読ませていただいたのですが、『このドラマは現場で取り組んでみないとわからない』というのが率直な感想。というのも、ストーリーを追ううちに『こんな展開が待っているんだろうな』と察しがつくような小説ではないんです。それだけに、この作品の映像化そのものがチャレンジなのかもしれないし、出来上がった作品はドラマにおける新風になるのではないかと期待しています。ストーリーに関しては、情報量がとても多いので、見てくださる方々を捉えて離さない工夫をしていきたい。それも一つの目標です。いつもは大抵、作品に流れている匂いや空気感のようなものを手応えとして感じることが多くて、それが演じる上での手がかりになるんですが、この作品は限りなく無臭に近い。台本を手に役と向き合っていると、真っ白なところに閉じ込められているような感覚になっていくというか。だから、まずは体当たりで演じるのみ。現場主義に徹しています」

──綾野さん演じるのは、工学部建築学科の准教授で天才肌の研究者、犀川創平。犀川のパーソナリティについては、何か自分なりのイメージや役作りのアイデアがあったんですか?

「天才という言葉が付くと、どうしてもクールなキャラクターという先入観が強くなるものだけど、犀川に関しては、もっと人間らしいところを出していきたいという思いがありました。時にチャーミングであり、時に温かくて。あまり理屈っぽくない人物に仕立て上げたいと目論んでいます。自分の頭の中には現場に出てやってみたいアイデアもいろいろあったので、今それらを演技に落とし込んでいるところです」

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