綾野剛の決意「日本の作品をもっと世界に届けていきたい」 | Numero TOKYO - Part 2
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綾野剛の決意「日本の作品をもっと世界に届けていきたい」

Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
──さまざまなシーンで、今後そういった目論見が垣間見られることも楽しみですね。最近はドラマもさることながら、映画でも大きなニュースがありましたね。 「はい。モントリオール映画祭で、出演作の『そこのみにて光輝く』がワールド・コンペティション部門で最優秀監督賞をいただきました。出演者として限りなくうれしく思うと同時に、あの場所に一員として立ち会えたことが、僕個人にも大きなターニングポイントになったんです」
──自分自身の今後にとってという意味で? 「かなり大きな影響を受けました。あの映画祭を経て、日本の作品をもっともっと世界に届けていきたいという思いに目覚めた」
──海外で評価されたことが、考え方をシフトした? 「それもあると思うんですが、まず驚きだったのが、現地でのプレスカンファレンスでの出来事。僕らの前にいる記者の方々は、作品や演技についての質問をするよりもまず、自分たちの思い思いの感想を熱心に投げかけてくるんです。しかもその内容がとても濃い。監督や出演者に対しても歯に衣着せずといった具合で、それはまさにディスカッションでした。作品というものは、評価を得てはじめて息づいていくということを手に取るように感じましたし、皆さん本当に映画を愛しているんだなと、胸が熱くなりました。そんな光景を目の当たりにしていたら、丸11年役者をやってきたなかで徐々に溜まっていた迷いのようなものが、一気に吹っ切れたんです。自分の頭から湯気が噴出すような感覚があって、その後、目が覚めたような感覚でした。すごく、スッキリしました」

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