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北川景子の自己分析「まだ立ち止まりたくない時期です」
Numero TOKYO 79号 きっかけは“コレ”でした vol.52 米倉涼子
──役者さんは一生学びですね。
「そのとおりです。役と一緒に自分自身も成長できる。ヴァイオリニストの役なら、ヴァイオリンも弾けるようになります。その人の人生を演じるために、勉強もしますし苦労もする。苦労は買ってでもしたほうがいいと信じているし、普通にのほほんと生きているとしないような苦労をたくさんすることで成長できる。成長すると視野も広がる。苦しみもあるけれども楽しみもあり、何倍も人生を楽しめるのがこの仕事のいいところだと思います」
──コンスタントにさまざまなタイプの役を演じられてきた印象ですが。
「一度やって評判がよかったら同じような役をやるという手もあるんでしょうけど、あえてそれはせず、毎回、異なる役にチャレンジしています。ルーティーンではない分、すごく楽しいですし、その分、不安もあります。この役はさすがに自分とかけ離れているから腰が引けるときもあるけど、怖いなと感じることにこそ飛び込んでいける自分でありたいなって。そういうときのほうが返ってくるものも大きいと思うから。まだ立ち止まりたくない時期です」
──北川さんは立ち止まってぐちぐち悩まなそう。
「うーん、そうですね。基本的に人に相談しないですしね。結局、自分だから。もちろんアドバイスをいただいて気づける部分もあるのかもしれませんが、自分で気づかないと意味がないことが私の場合は多くて。物事には必ず因果関係があるから、自分で探求して、理由を見つければいい。もちろん長く悩むこともありました。でも最近は気持ちの切り替えがうまくなってきました。どんなときもカメラの前に立ったら、笑わなければいけない仕事ですから」
──わかっているけれども、どうにもならないことってありますか。
「人のこと。自分のことは自分で直せるけど、他の人は変えられない。どうして思っていることが伝わらないんだろうと思うこともありますし、逆になぜわかってあげられないんだろうということも。昔は悩みましたが、今は仕方ないな、と。人のことは変えられないから自分が変わるしかない。でも自分がこの人は苦手と思ってしまうときは大抵、自分が先に苦手としていたりするんですよね。だから極力、苦手意識を持たないようにしています」
──生まれ変わっても女優を選ぶ?
「同じ仕事ができたらいいですね。できれば男性として生まれたい。小さい頃から男っぽくて、小学校に上がるときもランドセルは黒がよかったし、スカートが嫌でずっとパンツをはいていました。デヴィッド・ボウイみたいになりたいんです。付き合いたいではなくて(笑)。カッコいい男の人に生まれ変わって、ワイルドに生きてみたいです」
Photo:Eiji Hikosaka Styling:Kumiko Yosemori
Hair&Makeup:Hisakatsu Yamaguchi Interview& Text:Maki Miura
Edit:Saori Asaka