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いま僕の心がアイドルという言葉に激しく反応する。ただし、8年前に立ち上がったAKB48のビジュアルを担当していた時期と異なる反応の仕方なのだ。 8年前、世の中はまさにハーフモデルブームだった。「ハーフモデルになりたい」が女子の一般的な気分であり、メディアは毎日のようにそれを煽る特集を組んでいた。ハーフモデルの対極にあるアイドルという存在は当然、冬の時代。アイドルは秋葉原的趣向を持つ男子のみに好まれる女子タイプだと世間に認識されていたのである。でもハーフモデル風になりたいと願う女子が女子の全体ではない。だから「AKB48を女の子向けに」という秋元康さんのコンセプトは、それがメジャーになったとき、ハーフモデルになれない(なりたくない)女子たちへの福音になり得ることができた。ここで何度も指摘しているが、日本の地方は無条件にメジャーを受け入れる。ハーフモデルがメジャーであればハーフモデルを受け入れるし、アイドルがメジャーになればアイドルも受け入れる。 AKB48がメジャーになったのは6年前。小学6年生が中学高校を卒業してしまう年月が流れている。本来の意味を塗り替えてしまうには十分な時間だ。それは、アイドルという存在がすでに女子スタイルの選択肢のひとつとして認識されているということを意味する。別にアイドルだからって、男子だけを対象に唄を歌わなくても大丈夫だということだ。 今日足を運んだ「最上もが(でんぱ組.inc)の女の子だけの生誕祭」で、その実感をさらに強くする。今アイドルとは狙うものではなく、ありのままでいることなのだ。そのありのままが同性の支持を得る。その在り方に僕の心が激しく反応している。
米原康正(よねはら・やすまさ)
編集者・写真家 女の子も楽しめるエロカワな世界観が認められ、中華圏を中心に各国で活躍。世界中に“カワイイってもともと日本のもの”という思想(!?)を布教中。夏過ぎにNY、LA、サンフランシスコ、マイアミで個人展を開催予定。従来の枠組みを超え、身近なところにおけるアートをテーマに鋭意制作中。富士フイルム「instax mini8」発売中(http://instax.jp)。原宿女子サイト(http://haraj.jp/)、公式サイトLOVEYONE(http://loveyone.com)絶賛更新中。
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