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Fashion Post

犬山紙子が描く「幸せを掴んだ女性たち」

「地雷女子」や「負け美女」たちの実態を世に送り続けてきた犬山紙子が共感する、“オンナの幸せの見つけ方”とは? 身近にいる、さまざまな形で幸せを掴みとった女性たちのエピソードを書き下ろしイラストとともにご紹介。

Text&Illustration:Kamiko Inuyama

Episode 01
友人をとことん愛する
スナックのママHちゃん

私が東京で一番センスの良い女だと思っている人がいる。彼女は元々出版社で編集者として働き、20代で辞めて、フリーの編集者兼スナックのママになったので、ママちゃんとみんなに呼ばれている(年齢は私と同じ)。私がニートの頃、たまたま「おもしろいスナックができたそうだよ」と聞きつけて、オープンしたばかりのその店に行ったのだけど終わりの時間になると「さあ、お金を置いてもうみんな帰る時間」とテキパキ切り盛りしている姿に強烈に憧れた。私なら「気を悪くする人がいるかも」とか思ってしまう。でも終わりの時間にそう言われて気を悪くする人なんてロクな人じゃないだろう、彼女はお店やお客さんをああやって守っているんだ。大切なことを大切にする、そういう本質にそって行動する人なんだろう。

そんな彼女のスナックは巷で「あげまんスナック」と呼ばれている。と、言うのもこのスナックに関わった女の子たちにぐんぐん仕事が舞い込むからだ。ちなみに私も彼女と遊ぶようになってから、本を出版してテレビに出てとニートからガラリと生活が変わった一人だ。そして、彼女の元に集うホステスちゃんたちはとびっきりセンスのよい子達ばかりで、私も彼女たちの才能に触れるのが楽しくて仕方がない。

ママちゃんが幸せを感じる瞬間は?と聞いたら「友人が仕事や人生で成功しだしたときがめっちゃ幸せ。特に店を始めてここ数年は才能ある若い友人が増えたので、正当に評価されてめきめき力をつける姿を見ると幸せになる」という。友人の幸せを自分の幸せとできる人はそういない。だから、あげまんスナックなんだろう。彼女が本気で彼女たちを応援して、それがたくさんの人に伝わってみんな正当に評価されて、彼女も幸せになって。友人の一人として私も涙がでるような言葉だ。「この間もホステスがどんどんチャンスを掴んで、赤坂BLITZでワンマンライブに成功したんだよ」と嬉しそうなママちゃん。うん、応援しまくってたの私知ってるよ。

「特別なのは、恋人や家族」という、社会の制度なのか私たちにある無意識の垣根をひょいと超えて自分の軸で大切なものを愛でる。そんなママちゃんの幸せは他人にも伝染する。だから最高のスナックが出来上がってるんだろう。人と人はどんな関係性だって最高になるものなんだ。

幸せの見つけ方、Hちゃんの場合
「周りの人の幸せをとことんサポートすることが自らの幸せに!」

義足モデルGちゃんの場合

Profile

犬山紙子(Kamiko Inuyama) 1981年生まれのコラムニスト、エッセイスト。出版社で編集者として勤務後、ニート生活を送るが、美女たちのトホホネタをまとめたエッセイ「負け美女」で作家デビュー。雑誌、ラジオ、テレビなど、メディアでも活躍。『嫌われ女子50』『言ってはいけないクソバイス』また、峰なゆかとの共著『邪道モテ!』など著書も多数。

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