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クイーンの次はエルトン・ジョンの音楽映画『ロケットマン』

グラミー賞5度受賞、巨大な成功の裏にあった光と影。圧巻の主演、タロン・エガートンの歌唱&パフォーマンスで魅せる感動のロック・ミュージカル『ロケットマン』が8月23日(金)に公開される。

クイーンに続くのは、現役ポップスター、エルトン・ジョンの音楽映画!

社会現象にも展開したあのメガヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)で、諸事情による監督のブライアン・シンガー降板後、ノンクレジットながら最終監督という大任を務めたデクスター・フレッチャー。この“影の立役者”が、本当に自分が撮りたかった映画だと明言している待望の新作が、いよいよ日本に上陸する。英国を代表する現役のポップスター、エルトン・ジョンの波瀾万丈の半生を描いた『ロケットマン』だ。

作風としては王道のロック・ミュージカル映画。ただしエルトン本人が製作総指揮を務めていることもあり、パーソナルな内実に突っ込んでいく構成はなかなか大胆かつ赤裸々だ。

物語はなんと、ド派手な衣装に身を包んだエルトンがアルコール依存症のリハビリ施設のグループセラピーに参加するシーンから始まる。華やかな成功の光と影。そこからイギリス郊外のピナーという田舎町で生まれ育ちつつ、幼い頃から音楽の才能を発揮し、まるでモーツァルトやベートーヴェンのように神童と謳われた少年時代への回想へと入っていく――。

エルトン・ジョンに扮する主演は、期待の若手俳優タロン・エガートン。『ボヘミアン・ラプソディ』との最たる違いは、あちらがクイーンのオリジナル音源を巧みに使用したのに対し、こちらはエガートン自身がエルトンの名曲を歌い上げていること。そして“リアルガチ”な彼のなりきり歌唱とパフォーマンスは本当に圧巻!

以前にもタロン・エガートンはアニメーション映画『SING/シング』(2016年)で、ゴリラの少年ジョニー役の声優としてエルトンの「アイム・スティル・スタンディング」を歌った。続いてエルトンが本人役で出演した『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)では共演も果たしている。そういった親密な信頼関係の延長にあるせいか、今回は身も心も憑依しているとしか思えぬ素晴らしさ。歌の実力はもちろんエルトンからもお墨付きだ。

この映画は生身で魅せるパフォーマンスの強度を生命線とし、時系列を柔軟に組み替えながら、「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「クロコダイル・ロック」、そしてタイトルにもなった「ロケットマン」など、綺羅星のごときおなじみの名曲群がいかにエルトンの人生と結びついているかを深いレベルで語っていく。数々のコンプレックスに裏打ちされた天才の栄光と孤独。生涯のソウルメイトでもある作詞家バーニー・トーピンとの絆。愛と幸福を求めて彷徨うポップ・ミュージック界の巨星の人生を、エガートンの名演と共にわれわれも旅することができるだろう。

『ロケットマン』

監督/デクスター・フレッチャー 
出演/タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン
8月23日(金)より、全国公開
URL/https://rocketman.jp/

©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

Text:Naoto Mori Edit:Sayaka Ito

Profile

森 直人Naoto Mori 映画評論家、ライター。1971年、和歌山県生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「TV Bros.」「シネマトゥデイ」などでも定期的に執筆中。 YouTube配信番組『活弁シネマクラブ』でMC担当中。

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