祝・アカデミー賞助演女優賞受賞!『ビール・ストリートの恋人たち』公開中 | Numero TOKYO
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祝・アカデミー賞助演女優賞受賞!『ビール・ストリートの恋人たち』公開中

『ムーンライト』でアカデミー賞作品賞に輝いたバリー・ジェンキンス監督作品『ビール・ストリートの恋人たち』が2月22日(金)より公開中。1970年代のニューヨークに生きる若きカップルの愛の物語を描いている。

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あの『ラ・ラ・ランド』を抑えて第89回アカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』。この傑作で一躍時代の寵児となったバリー・ジェンキンス監督が、長年夢見ていたという念願の企画を実現させた。それが最新作『ビール・ストリートの恋人たち』。原作者はドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』が作られるなど、現在再評価著しい黒人作家、ジェイムズ・ボールドウィン。公民権運動の旗手でもあった彼が1974年に出版した小説(邦訳は早川書房刊)の映画化だ。

舞台は1970年代のニューヨーク。ハーレム地区で生まれ育った19歳のティッシュ(キキ・レイン)は、幼なじみで最愛の恋人、22歳のファニー(ステファン・ジェームス)の子どもを身ごもった。しかし結婚を控えるなか、ファニーは無実の罪で留置所にいる。些細なもめごとで白人警官の怒りを買ったことをきっかけに、身に覚えのない強姦罪で逮捕されてしまったのだ。いまは面会室でしか会えないふたり。果たしてこの過酷な試練を乗り越えることができるのだろうか――。

理不尽な運命に直面し、受難を必死で乗り越えようとする彼らは、まるでロミオとジュリエットのよう。そんな“恋人たち”の愛の交歓を、ジェンキンスは独特のタッチで描き出す。官能的とエレガンスに満ちた映像は『ムーンライト』よりもさらにまろやかで濃厚。選曲も含めてすべてが抜群のセンス。エンドロールでは、ビリー・プレストンの1971年の録音となる“My Country, ‘Tis of Thee”がエモーショナルに鳴り響く。キング牧師が演説で歌詞を引用し、オバマ大統領就任式で歌われたことでも有名な歌のカヴァーだ。

ヒロインのティッシュを瑞々しく演じるキキ・レインは、長編映画初出演にして主役を射止めた注目の新人女優。そして彼女の優しい母親シャロン役のレジーナ・キングは、第76回ゴールデン・グローブ賞の助演女優賞に続き、第91回米アカデミー賞でも助演女優賞を受賞。役者たちの熱く細やかなアンサンブルにも胸を打たれる一本だ。

『ビール・ストリートの恋人たち』

監督/バリー・ジェンキンス
原作/「ビール・ストリートの恋人たち」ジェイムズ・ボールドウィン著(川副智子訳、早川書房刊)
出演/キキ・レイン、ステファン・ジェームス、レジーナ・キング、コールマン・ドミンゴ
URL/https://longride.jp/bealestreet/

2019年2月22日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国公開

(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

Text:Naoto Mori Edit:Sayaka Ito

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