本当の美味しさって何? 天才料理人エネコ・アチャが触れた和食の真髄 | Numero TOKYO
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本当の美味しさって何? 天才料理人エネコ・アチャが触れた和食の真髄

スペイン・バスクにある3つ星レストラン「アスルメンディ」のオーナーシェフ、エネコ・アチャ(Eneko Atxa)が、料理の真髄を求めて東京に旅に出た。それを記録した映画『世界が愛した料理人』が2018年9月22日(土)より公開。「すきやばし次郎」の小野二郎氏、「壬生」の石田廣義氏など、日本を代表する料理人との出会い、そこから若き天才料理人が感じたこと、次に目指すものとは。

天才ミシュランシェフによる、世界最高峰の料理をめぐる旅

エネコ・アチャは、2012年にスペイン史上最年少でミシュランの三ツ星を獲得し、その後、6年連続で三ツ星を獲得するという、世界が注目する若き天才料理人だ。「サスティナブル(持続性)」)を掲げる彼は、バスク州にある彼のレストラン「アスルメンディ」に独自のエコシステムを備え、地域の生産者とともに、環境に配慮し自然と調和しながら、真の美味しさを追求している。

そんな彼が、魂の料理を探して日本に旅に出た。そこで出会ったのは「すきやばし二郎」の小野次郎氏、「壬生」の石田廣義氏、「龍吟」の山本征治氏など、日本を代表する料理人たちだ。

空間を満たす時間の流れや、豊かな日本の自然を表現した料理を体験し、彼らが語る料理人としての矜持、料理を通して表現する日本の文化、さらに、服部幸應氏、料理評論家のマッキー牧元氏が語る言葉に、エネコ自身が目指す料理との共通点を見出していく。

作品には、スペイン・カタルーニャにある「サンパウ」の女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダ氏、バルセロナ「ラサルテ」のマルティン・ベラサテギ氏、世界のガストロノミーを長い間、牽引した故ジョエル・ロブション氏も登場する。

世界の料理人が追い求めるのは、ただ空腹を満たすだけのものや、上流階級の社交の道具になる料理ではない。公開に先立ってエネコ東京で開催されたプレス向けイベントで、エネコ・アチャ氏は、「私が影響を受けたのは、バスクの伝統、そしてこの映画に登場する偉大なるシェフ、さらに街の名もなき料理人、家族のために料理をする友人たちです。私は、祖母や母から受け継いだバスクの伝統を守りながら、新しい料理を作り世界に広めたい。そして、食材を生む土地に感謝を捧げ、循環していく環境を作り、次の世代に伝えたいと考えています」と語った。

イベントでは、「エネコ東京」のシグネチャーメニューが提供された。

バスケットに入ったこちらは、コースの前にサーブされる「ピクニック」。この日は、ブリオッシュの中にウナギのペーストが入った「鰻のブリオッシュ」「レモングラ」カカオバターの球体の中にカクテルをとじこめた「カイピリーチャ」。

卵黄の中にトリュフソースを注入したエネコのスペシャリテ「有機卵とトリュフ」。スプーンを口に入れると、濃厚な卵黄がトロリと溶け出し、トリュフの芳醇な香りが広がる。

人生をかけ「美味しさ」を追求する料理人。彼らが見つめる視線の先を感じる映画『世界が愛した料理人』を観れば、今日食べる一皿がいつもと違った体験になるかもしれない。

『世界が愛した料理人』

監督/アンヘル・パラ、ホセ・アントニオ・ブランコ
出演/エネコ・アチャ(アスルメンディ)、マルティン・ベラサテギ(ラサルテ)、カルメ・ルスカイェーダ(サンパウ)、ジョエル・ロブション(ジョエル・ロブション)、石田廣義・石田登美子(壬生)、山本征治(龍吟)、小野二郎・小野禎一(すきやばし次郎)、服部幸應、マッキー牧元、マイケル・エリス(ミシュラン・ガイド)
2018年9月22日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
URL/sekai-ryori.com

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Text: Miho Matsuda Edit: Yukiko Shinto

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