東信さんがおすすめする素敵な植物園。そして、オオコンニャクと釣り。 | Numero TOKYO
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東信さんがおすすめする素敵な植物園。そして、オオコンニャクと釣り。

絶賛発売中の小誌4月号で、植物園ガイドを企画・担当しました。フラワーアート連載でもお馴染み、フラワーアーティストの東信さんのナビゲートにより世界中の植物園を紹介しているのですが、そのうちのひとつ、英・コーンウォール地方にある「エデン・プロジェクト」が、ものすごく気になって日々インスタを追いかけています。

人類と自然の共生について研究していて、文字通り未来型の“エデンの園”と言ったところ。

残念ながらいますぐ実際に訪れることは叶わないけれど、落ち着いたら必ず行きたいです。他にも今回、東さんにご紹介いただいたのは、規模の大きさやユニークさ、専門性の高さや環境保全への貢献度などの観点からセレクトしていただいた選りすぐりの施設で、「こんなところが!」という発見があると思います。ぜひ、誌面でお楽しみいただけたら嬉しいです。

そしてそして、ここからは番外編。

ニュースでも大きく取り上げられていましたが、この企画を進めているとき(1月18日)に世界最大の花を咲かせる「ショクダイオオコンニャク」が国内で2年ぶりに開花(!!)しまして、植物園好きとして満を持して、つくばにある筑波実験植物園まで見に行ってきました。

日付入りの写真(実寸)が、温室まで道案内してくれます。

わ!

230cmもの大きさを誇った花は、開花10日目にはデローーンと随分しぼんでしまって80cmぐらい……。凄まじいという噂の(虫をおびき寄せる)臭気はもう消え去っていましたがホラー感満点でした。ちなみに開花時や最後の姿は、こちらのコンニャク日記(www.tbg.kahaku.go.jp/news/konnyaku/index.php)にあります。記録がとっても面白いので気になる方はぜひリンクからどうぞ。

温室と聞いてイメージするのはやはりこういった熱帯の植物かなと思いますが、筑波実験植物園には気候ごとにわかれてたくさんの温室がありまして、乾燥帯の植物コーナーが特に私的ユートピアでした。いつかナウシカの地下室みたいな温室がほしい。

流行りのエアプランツはパイナップル科なのだと初めて知りました。パイナップルは果肉にたくさんの水分をたくわえることで水不足をしのぐわけですが、同じ科目のティランジア属の多くは木に登ったんですね。土に根を張らずに細い茎で木に絡まって、葉の表面を覆っている毛から水や栄養を吸収するという……すさまじく大胆な進化ですよね。植物の歴史と多様性、面白い。

あとですね、ここ……広い!

そんなわけで、ちょっとした遠出&ガス抜きに大変おすすめなのですが、こちら3月22日現在は臨時休園中(国立科学博物館の研究施設ですが、通常は一般開放されています)とのこと。開園状況はオフィシャルサイト(www.tbg.kahaku.go.jp/)などで確認してからお出かけください。

ちなみに。都内だと小石川植物園(www.bg.s.u-tokyo.ac.jp/koishikawa/)が大好きです。桜の時期はほんの少し普段より賑わいますが、公園ほど混雑することがなく静かな森林が広がっていて、とてもリフレッシュできます。

先日もその小石川で開放的になりすぎて矢野顕子さんの声真似、しかも大音量で「森に行こう〜 森に行こう〜」と歌いながら散策してしまったのですが、後で「そういえば“森”じゃなくて『“釣り”に行こう』だった」と気付きました……。

春ですね。

Profile

井上千穂Chiho Inoue フィーチャー・ディレクター。『Numero TOKYO』創刊時よりエディターとして主に特集を担当。2011年よりウェブマガジン「honeyee.com」「.fatale」の副編集長をつとめ、19年より出戻り現職。作り手の話を聞き、ものづくりの背景を知るとお財布の紐が緩みます。夜な夜な韓国ドラマに、休日は自然の中に逃避しがち。子連れ旅もお手のものな二児の母。

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