文人墨客が愛した旅館「おちあいろう」へ【子連れの楽しみ編】 | Numero TOKYO
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文人墨客が愛した旅館「おちあいろう」へ【子連れの楽しみ編】

さてさて。「おちあいろう」滞在記後編は、子連れ目線レポートです。都会の喧騒から離れたことだし、川のせせらぎを聴きながら読書でもしたいのが本音だけれど、我が家には魔の2歳児(いやいや期の暴君)がいるので落ち着いて過ごすことは大抵叶わなかったりします。

が! こちらでは奇跡的に、のんびり心身を休める余裕のある過ごし方ができました。空間にただよう品格と温かみを子どもたちも感じ取っているのか、宿泊できるお部屋が16室のみだったり、館内の入り組んだ構造だったりすることも関係しているかもしれませんが、プライバシーを意識しながらの半歩先のおもてなしが素晴らしく、とても居心地がよかったです。

地のもの、旬のものを生かして丁寧に作られたモダンな和食

そして子連れ旅の最重要課題は幼児食なのですが、子どもを喜ばせるプレゼンテーションのおかげで切願叶って、大人ものんびりフルコース堪能することができました(涙)。

「くまちゃん! ど〜れにしようかな〜(ふふふ)」とかなんとかワクワクしてくれている間に親の食事時間ばっちり確保。おかずも食べやすく、あれこれ楽しめる工夫がなされていて大満足です。とどめは静岡産メロンをくりぬいたデザート! 黙殺です。

大人の夕食を以下、いくつかご紹介。

先付けのまぐろ沢庵うにのせ。絶品!
先付けのまぐろ沢庵うにのせ。絶品!

天城名物わさびは、香り高くて甘みもありました。ハタ、ボタンエビの刺身は藻塩とすだちで。

猪の角煮。半熟卵とせりと一緒にお出汁のあんでいただきます
猪の角煮。半熟卵とせりと一緒にお出汁のあんでいただきます

和食のジビエ料理も。鮮度がよいから一切臭みがなく、薄味でよいのだそうです。猪の角煮が旨味たっぷりで最高でした。夢でいいからもう一度食べたい!

こちらもジビエです。鹿のローストくるみだれ
こちらもジビエです。鹿のローストくるみだれ

蟹のおすし
蟹のおすし

からすみたっぷりのうどん。ボッタルガのパスタをイメージしていただけるとよいかも
からすみたっぷりのうどん。ボッタルガのパスタをイメージしていただけるとよいかも

自然豊かな伊豆の食材を生かした丁寧な仕事ぶりに終始感動でした。

朝食はこんな感じです。

おめざのにんじんジュース
おめざのにんじんジュース

大人は生しらす、子どもは釜揚げしらす
大人は生しらす、子どもは釜揚げしらす

こちらに焼き魚と卵料理がついてちょうどいいボリューム、理想の朝食です。写真を撮り忘れましたが私はアジの開きを。ほっくほくでした。

腹ごなしにお庭を散歩。

物語に出てくるような吊り橋が。
物語に出てくるような吊り橋が。

上の娘が妖怪吊り橋揺らし童に変身して、夫は半べそ。魔の2歳児は慎重に渡ります
上の娘が妖怪吊り橋揺らし童に変身して、夫は半べそ。魔の2歳児は慎重に渡ります

川の水は透明度が高くてきれい!
川の水は透明度が高くてきれい!

大きな暖炉が印象的なラウンジ
大きな暖炉が印象的なラウンジ

外は冷えますが、館内に戻れば暖炉でぽかぽか。ぜひまた違う季節にも、再訪したいなあ〜とぼんやり炎を眺めてしまいました。癒し効果も抜群。

そんなわけで、一泊でしたがとても思い出深い滞在になりました。

番外編

そしてここは伊豆半島のど真ん中なので、蒸気機関車が走る修善寺虹の郷、ロープウェイに乗ることができる伊豆の国パノラマパークなどなど都内へ帰るまでにサクッと立ち寄れる観光スポットの選択肢も多いのが嬉しいところ。我が家はクレマチスの丘に行きました。IZU PHOTO MUSEUMはまだ休館中でしたが、とても気持ちよくて好きな場所。

ヴァンジ彫刻庭園美術館では3月から、少し前にポストしたレイチェル・カーソンの著作をテーマにした企画展「センス・オブ・ワンダー もうひとつの庭へ」が開催されるそう。きっと観に来ます。

旅のおしまいには、とびっきり美しい冬の富士山を拝めることができました。

おちあいろう
住所/静岡県伊豆市湯ヶ島1887-1
Tel/0558-85-0014
URL/https://www.ochiairo.co.jp

Profile

井上千穂Chiho Inoue フィーチャー・ディレクター。『Numero TOKYO』創刊時よりエディターとして主に特集を担当。2011年よりウェブマガジン「honeyee.com」「.fatale」の副編集長をつとめ、19年より出戻り現職。作り手の話を聞き、ものづくりの背景を知るとお財布の紐が緩みます。夜な夜な韓国ドラマに、休日は自然の中に逃避しがち。子連れ旅もお手のものな二児の母。

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