Culture / Post
Numero TOKYOおすすめの2019年7月の本
あまたある新刊本の中からヌメロ・トウキョウがとっておきの3冊をご紹介。
『あなたの右手は蜂蜜の香り』
著者/片岡翔
価格/¥1,550
発行/新潮社
甘くほろ苦い、少女のまっすぐな愛の物語
無邪気な好奇心によりヒグマの親子の絆を引き裂いてしまう小学生の雨子。命をかけてでも動物園に入れられた子グマを救おうと邁進する少女の成長と、さまざまな愛の形を描き出す物語は、誰かを想う気持ちが生み出す尊さも残酷さも知っている大人の心に切なく響く。
『真実の終わり』
著者/ミチコ・カクタニ
訳/岡崎玲子
価格/¥1,700
発行/集英社
ディストピア的現実に警鐘を鳴らす注目作
フェイクニュースやソーシャルメディア操作により客観的事実が軽んじられ、民主主義の基盤である真実の価値が低下しつづける米国と世界。現代社会における危機の深層を、鋼鉄の文芸評論家として知られる著者が読み解く、理性なき時代を生き抜くための必読書。
『訴訟王エジソンの標的』
著者/グレアム・ムーア
訳/唐木田みゆき
価格/¥1,200
発行/早川書房
アカデミー賞受賞脚本家が放つリーガル・スリラー
電力事業の覇権をめぐる電流戦争がおきた19世紀末の米国を舞台に、特許権をめぐる“訴訟王”でもあったエジソンに挑む新人弁護士の奮闘を描く本書。緊迫感あふれる頭脳戦と、発明王、実業家、偉才の発明家の三者が織りなす人間ドラマも楽しめる極上の歴史小説。
Text: Miki Hayashi Edit: Sayaka Ito