Culture / Post
Numero TOKYOおすすめの2019年2月の本
あまたある新刊本の中からヌメロ・トウキョウがとっておきの3冊をご紹介。
『次の人、どうぞ!』
著者/酒井順子 価格/¥1,350 発行/講談社移り変わる社会のムードを筆録したエッセイ集
週刊誌での連載エッセイのうち、2017年秋からの約1年分をまとめた本書。「#MeToo」運動、ハラスメント問題、歌姫の引退など、社会や人々の意識が変化していく様子を記録したタイムラインとしても興味深く読める。元号が改まる前に読んでおきたい一冊。『本と鍵の季節』
著者/米澤穂信
価格/¥1,400
発行/集英社
男子高校生の推理と友情を描く図書室ミステリ
大人びた松倉と、人が好い堀川。図書委員の彼らのもとに、ある謎が持ち込まれたことから物語は始まる。謎を解くごとに明らかになる松倉の秘密と、変化する2人の関係性。うつろう季節とともに成長する少年の推理と友情を描く、ほろ苦くも爽やかなミステリ作品。
『ヴィオラ母さん 私を育てた破天荒な母・リョウコ』
著者/ヤマザキマリ
価格/¥1,300
発行/文藝春秋
昭和を駆け抜けた「規格外」な母の一代記
まだ女性が仕事を持つのが難しかった時代にヴィオラ演奏家を志し、女手一つで娘たちを育てた母・リョウコ。音楽と家族を愛し、世間体や因習に縛られることなくパワフルに昭和を駆け抜けた彼女の生きざまを描いた本書は、すべての女性に生きる楽しさを教えてくれる。
Text:Miki Hayashi Edit:Sayaka Ito