Numero TOKYOおすすめの2018年4月の本
あまたある新刊本の中から、ヌメロ・トウキョウが、読むべき、とっておきの3冊をご紹介。
『ミライミライ』
著者/古川日出男
価格/¥2,300
発行/新潮社
作家デビュー20周年を飾る、改変歴史×音楽小説
ソ連統治下の「むかし」の北海道で、抗ソ組織を短歌で煽動する司令官。連邦国家の「未来」の日本で、人々を道産ヒップホップで魅了する若者。MCの誘拐事件を機によられていく、異なった時間軸の物語が現出させる壮大な世界。歴史と音楽を幻視する圧倒的長編。
『ありがとうって言えたなら』
著者/瀧波ユカリ
価格/¥1,000
発行/文藝春秋
「母の死」を真正面から描く、瀧波ユカリの新境地
美しく、気高い母に突然下された、すい臓がんと余命1年の宣告。心を閉ざす母との不和、仕事と育児を抱えながらの介護によるストレスなど、最期の日々をリアルに描いたコミックエッセイ。単なる美談ではないからこそ心に深く響く、笑いあり涙ありの感動作品。
『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』
編者/ケン・リュウ
訳者/中原尚哉、大谷真弓、鳴庭真人
価格/¥1,900
発行/早川書房
現代中国SFの旗手たちが放つ、珠玉の13編
『紙の動物園』の著者であるケン・リュウが編纂・英訳した現代中国SF選集を翻訳。「検閲制度を通過するためにいくつか変更点があった」原作を、英訳により本来の形に戻した「沈黙都市」など全13編を収録。世界が注目する中国SFの最前線に触れられる一冊。
Text:Miki Hayashi