ジャン=ポール・グードと飯島望未がナビゲート! 「Chanel」の“チャンス”の世界を巡る旅 | Numero TOKYO
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ジャン=ポール・グードと飯島望未がナビゲート! 「Chanel」の“チャンス”の世界を巡る旅

©CHANEL
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現在開催中のシャネル(Chanel)の「チャンス スペシャル フレグランス イベント」では、フレグランスがもたらす世界観はもちろん、稀代のイメージメーカーとしてシャネルのクリエイティブに携わってきたジャン=ポール・グード氏が手がけたエネルギー溢れる作品の数々を展示(2019年4月7日まで。詳しくはこちら)。今回はグード氏自らが、シャネルのビューティアンバサダーとして活躍中の飯島望未さんと共に、作品に対する思いを紐解いていく。

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3つのセクションに分かれた会場の中でグード氏が最初に望未さんを誘ったのは、彼の幼少期から現在までを追ったフィルム「So Far So GOUDE」の上映空間。「タンタンの冒険」をはじめとするバンド・デシネやダンサーであった母親の影響によって興味を寄せた演劇、マスキュリンなボリショイ・バレエなど、彼のインスピレーションの源となったアートピースや歴代の作品を総括している。約1時間に及ぶ映像からも伺える通り、彼の類い稀な想像力と才能の豊かさを再確認できる。

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ジャン=ポール・グード氏(以下、グード氏)「1989年のフランス革命200周年記念パレードのクリエイションに取り掛かったときは、バレエ・リュスから着想を得ました。結果、エポックメイキングとなったこの作品の翌年から、『シャネル』とのクリエイションが始まったのです」

© JEAN-PAUL GOUDE
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次に向かったのは、グード氏が20年以上に渡り協働関係を築いているシャネルとともに作り上げた、イメージヴィジュアルの展示。男性への不満を訴える女性たちの叫び声が高まった瞬間、たったひとつだけ開かなかった窓から香水が現れるというフィルムを、1990年に彼は創造した。強いメッセージを宿しながらも、最後は人々に解釈を託すこの作品こそ、シャネルとの初めてのクリエイションであり、有名なメンズフレグランス“エゴイスト”の広告だった。



© JEAN-PAUL GOUDE
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グード氏「窓からあらゆるタイプの女性が男性のエゴイズムについて声を発していますが、このフィルムには男性が一切登場しないのです。また、当時はCGなどによる特殊効果が存在しない時代。幼い頃から触れていた舞台や映画の世界のように、ブラジルで一からセットを作り上げたことで自分の想像する世界を再現できたのです」

© JEAN-PAUL GOUDE
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今年79歳を迎える彼の偉業のなかで、もう一つ忘れてはならないのが、フレグランス“ココ”のイメージヴィジュアルだ。「Joe le Taxi(夢見るジョー)」で歌手としてその存在を世に知られ出したばかりの16歳のヴァネッサ・パラディを、大胆不敵にもシャネルの核となるフレグランスのミューズとして抜擢。

© JEAN-PAUL GOUDE
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グード氏「彼女のパラディ(天国)という美しい姓を聞いたときに、ロワゾー・ドゥ・パラディ(極楽鳥花)と掛けて面白いことができないかと思いつきました。小鳥に扮した彼女が飛んでいかないよう、そしてかつてココ・シャネルが恋人であったウェストミンスター公爵からプレゼントされた品が鳥かごであったことなどのエレメントが重なり合って生み出されたのです」

© JEAN-PAUL GOUDE
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元々はイラストレーターとして20年以上のキャリアを持つグード氏。会場内には採用されなかったデザイン案も展示されており、彼の多角的な目線を垣間見られる。

© JEAN-PAUL GOUDE
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グード氏「キャンペーンに取り掛かるときはまず、イラストでストーリーボードを作成します。それをベースに様々な角度から構想を練り上げることが私なりのプロセスなのです。アイディアはそう簡単に浮かぶものではありませんが、女性たちに潜む魅力からインスパイアされることは数多くありますよ」

グード氏「2003年に誕生した“チャンス”は、フィルムに愛し合う恋人たちを登場させたいと依頼を受けました。愛の象徴ともいえるヴェニスを舞台とした広告は、想像以上に好評でした。そして、今年公開されたばかりのイメージフィルムのテーマは“ダンス”。自信に満ち溢れた表情でオーディションに臨むダンサーたちの驚きと悲哀、そして歓喜の表情をコミカルに表現しようとイラストに落とし込みました」

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最後に2人が辿り着いたのは“チャンス”の世界観を存分に楽しめるフォトコールやシャネル史上初となるダンスオーディションの会場。今回のフィルムに登場する希望に満ち溢れたダンサーたちは、シャネルのビューティアンバサダーを務める飯島望未さんの姿にも重なる。

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全身を自在に操り、自由なポーズを取りながら人生の好機を手にしてきた望未さんは、まさに“チャンス”が体現する女性像そのもの。最後に、今回の展示について望未さんへインタビューを行った。

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——グード氏の解説を受け、改めて今回の展示について感想をお聞かせください。

「彼のお母様がダンサーであったこと、そして彼自身もバレエに挑戦したけど断念したという背景を伺って、踊りに対する想いが強い方だと改めて実感しました。彼のこれまでダンスにまつわる経験が作品へとつながっていっていることも踊り手としては嬉しいです。グード氏の作品を通してダンスというカルチャーがもっと日本に浸透することを願っています」

——グード氏と言葉を交わすなかで、涙を浮かべる場面も。

「有難いことに、グード氏が私の上半身の動きや腕の使い方を褒めてくれました。でも実はその部分は、アカデミックな要素も尊重しなければならないので日頃注意されていたことだったのです。普段は直さなければと感じていたことが思いがけず、グード氏には特長として目に留まっていたこと、そして光栄にも、その自由な動きはまるで流れるメロディのようだと率直な感想をくださったことに感動し、胸が熱くなりました」

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——そんな彼が作り上げた最新フィルムのテーマは“ダンス”。プリシンパルとして活躍する望未さんが受けた印象は?

「ダンスが純粋に楽しいものとして描かれているのが印象的でした。“NO!”と“YES!”の端的な台詞もキャッチーですね。オーディションにもよりますが、このフィルムのようにその場で「帰っていいわよ!」というのは実際に起こりうることなのでリアリティをもの凄く感じました(笑)」

——望未さんならではのフレグランスの楽しみ方を教えてください。

「気分や役柄によって香りを変えることが多いですね。女性らしい役であればスウィートにする、といった具合に。シーンによって変えるのが自分らしい纏い方です」

——このフレグランスのメッセージは“Take Your Chance”です。望未さんならではのチャンスの掴み方とは。

「自分自身をちゃんと見極めることです。自分を理解していれば、来るチャンスも正しく掴み取れます。私はこれまでも、外から来るものに対して敏感に反応するタイプだったのですが、これは常に自分のことを客観視して問いかけるという習慣が生きているように感じます。そうはいっても、最後は自分の感覚的なものを頼るしかない。だからこそ、自分の感性を磨いたり知識を増やしたりすることが人生のなかで大切だと感じています」

イベントの詳しい情報はこちら!
パリへ行くチャンス!
「Chanel」のダンスオーディションが開催

チャンス スペシャル フレグランス イベント

会期/2019年3月30日(土)〜4日7日(日)

場所/LUMINE 0

住所/東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 NEWoMan 新宿5F

営業時間/11:30~19:30
入場料/無料

オフィシャルハッシュタグ/#TakeYourChance #チャンスオータンドゥル
TEL/イベント専用フリーダイヤル 0120-110-347(10:30~20:30)
URL/takeyourchance2019.chanel-beaute.jp/

Chanel
シャネル カスタマーケア
TEL/0120-525-519
URL/www.chanel.com

Text : Nathalie Lima Konishi

Profile

ジャン=ポール・グードJean-Paul Goude 1940年、フランス生まれ。60年代初頭にイラストレーターとして活動を開始、70年代にはアメリカで雑誌「Esquire」のアーティスティックディレクターに。写真、ダンス、映像、グラフィックデザインなど多分野にわたって活躍。主な個展に、パリ装飾芸術美術館での回顧展「グードマリオン」(2012年)、ミラノの現代アートパビリオンでの「So Far So Goude」(2016年)など。18年4月の「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018」で日本初の回顧展を開催した。
飯島望未Nozomi Iijima バレエダンサー。大阪出身。6歳からバレエを始める。13歳で『ユース・アメリカ・グランプリ』3位に入賞し、奨学金を獲得。07年15歳で単身渡米する。ヒューストン・バレエ団の研修生になり、翌年同バレエ団とプロ契約を結ぶ。13年米ダンスマガジンにおいて「25人のいま観るべきダンサー」に選出。14年ソリストに昇格し、『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』などのクラシックバレエの作品だけでなく、ウィリアム・フォーサイス振り付けの『イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレベイテッド』などのコンテンポラリー作品でも高い評価を得る。19年3月より同バレエ団のプリンシパルに。

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