142号にご登場の星野源さん、撮影秘話をお話します。 | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

142号にご登場の星野源さん、撮影秘話をお話します。

142号では、何をやっても話題必至”日本の宝”とも呼べる星野源さんにご登場いただきました。撮影日が決まってから、コンセプトや取材内容などを練りに練り、無事に撮影当日を迎えることができました。

当初インタビュアーとして、星野源さんと親交の深いハワイ在住のMaki Koniksonさんに来日していただく予定でしたが、ハワイはロックダウンの最中という時期だったので同席は断念し、取材前にLINE電話でハワイと東京を繋いでチアアップしていただいたりと、異例のグローバルな撮影スタートとなりました。

撮影当日、最初のショットは操上和美さんの連載「男の利き手」撮影。本誌の人気連載を星野源Specialの中にも入れてみようということになり、手の撮影をしていただきました。

実際のところ、この連載の発端は才能あふれる男性の”手”が見たいということで、創刊号からスタートした企画でした。男性の手にはその人の生き様や人生模様が刻まれていてセクシーだからです。想像以上に星野さんの手はスラっとしていて爪が綺麗で大きく、素敵な手の持ち主でした。

連載では常に手だけを撮影していただくのですが、今回は星野源Speicalの中のショットなので操上さんの得意なポートレートもお願いしました。

操上さんの熱量と星野さんの熱量が瞬間的に共鳴し、クルクルと変化する星野さんの表情に、スタジオ中のスタッフが鳥肌を覚えるほど目が離せない瞬間でした。撮影後に操上さんから「素晴らしい才能を持った魅力的な人で楽しかった!」と大絶賛の連絡が入ったほどでした。

撮影中「いい表情がいっぱい撮れているので16分割とかも面白いかも!」とレイアウトのご提案までいただいたのですが、見た瞬間に、これを表紙にしよう!と即決。

その後、戎さんとのフォトセッションが数時間続いたのですが、ご多忙でお疲れのはずなのにパワフルに表現を続けてくださいました。

花を活けたり、傘で遊んだり、光のドローイングを作り出したりと、たくさんの表現にお付き合いいただきました。

撮影はしたものの、本誌には掲載されなかった自転車のショットもあり、そちらは動画でご覧いただければと思います。

自転車に乗るには狭いスタジオを、すいすいと身軽なこなしで乗られていました。

撮影の合間には、ご自身のフィルムカメラを持ち出して、あちらこちらをパシャリパシャリ。

長い撮影が終了しそこから一問一答、そしてインタビュー。1時間の間に、たくさんの星野源語録があり、ひとことでどんな存在なのかがわかる言葉があり、つくづくと星野源ワールドの面白さ、素晴らしさに触れた気がしました。

星野源さん、マキさん、関わってくださった多くの関係者のみなさま、感無量でございます。ご協力をいただきまして、ありがとうございました!!

 

Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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