新時代を予感させる、原宿にオープンしたJAPAN MASTERY COLLECTION_estへようこそ | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

新時代を予感させる、原宿にオープンしたJAPAN MASTERY COLLECTION_estへようこそ

伝統ではなく、革新の和テイストが狙いです

原宿駅前にオープンした複合型商業施設『ウィズ原宿』内B1プロモーションスペースHARAJU Crossにて新たに展開をはじめるブランドJAPAN MASTERY COLLECTION_est。こちらは羽田未来総合研究所がNTTアドとの共同事業でオープンしただけあって、来日外国人にウケそうなセンスのよい和テイストの店に一見、見えますが、それだけではないようです。そこは後述するとして・・・。

そもそも羽田未来総合研究所とは「羽田空港を舞台に、さらにはそこを飛び出して新しい価値を創造しながら東京と各地域、日本と世界を結ぶハブとして、地方創生・文化・アートを広げるべく設立」されたのだとか。要は日本の窓口である”羽田”から、海外に向けてクリエイティブなジャパンブランドを発信しようという考え方です。 「場所と場所、ビジネスとビジネスの間に私たちが存在し、すべての支えとなる人財力とマーケティング力をベースにして、未来を見据えて、新しいことへのチャレンジを続けてまいります。」代表取締役社長執行役員の大西 洋さんは語ります。伝統工芸ではない、革新的な現代の和ものとはどういうことなのか? 多くの人に「九谷焼」の良さを知ってもらおうと、九谷焼をプリントした紙皿があったり、

九谷焼をプリントした紙皿1セット ¥550(税込)
九谷焼をプリントした紙皿1セット ¥550(税込)

徳島の地場産業、唐木仏壇彫刻師の作家、伊川昌宏が社寺、仏壇の彫刻以外に生み出した木彫りのダンベルがあったり、

井川彫刻展の木彫りダンベル1kg ¥35,200(税込)
井川彫刻展の木彫りダンベル1kg ¥35,200(税込)

壽泉窯の技術で作られたポップなマグ&プレートや、石川産の珪藻土入りオリジナル素材で消臭や保湿に優れた元気マスクがあったり、また店内の壁は、抗菌にもなる錫が貼り付けられていてひと捻りされています。

上段は壽泉窯で作られたマグ&プレート ¥7,150(税込)  元気マスク ¥2,200(税込)
上段は壽泉窯で作られたマグ&プレート ¥7,150(税込)  元気マスク ¥2,200(税込)

そして、こちらの特徴は、NTTアドとの取り組みにより、デジタルマーケティングを主目的とした共同実験の場でもあるそうです。

NTTアドとは、SNSへの投稿と位置情報の分析を組みあわせて、人々の動向を解析して観光消費を拡大すべく、日々、戦略を構築する機関だそうです。お店に入った人が目にして、手にとって、気にして、最終的に購入に至ったか否かの動向を分析して、その人にあった嗜好にあわせて情報を提供するといった最先端のアプリを開発している会社です。

そんなこんなで、店内にはカメラが設置され、自分の趣味嗜好にあった情報が送られてくるといった仕組みになっているようです。

店内に設置されたカメラ
店内に設置されたカメラ

また、隣では現代の伝統食として、二十四節季をテーマにしたメニューが用意されています。目玉食材は、季節のINARIと名付けられたいなり寿司。

いなり寿司各種がずらりと並んでいます。めちゃくちゃ美味でした
いなり寿司各種がずらりと並んでいます。めちゃくちゃ美味でした

試食会の日、最後に出てきたのはそら豆とびわのKINTON。

右側の道具からそら豆を出す仕組みです
右側の道具からそら豆を出す仕組みです

こんな感じでそら豆を抽出していきます
こんな感じでそら豆を抽出していきます

すべての食材は薬膳料理の基礎である陰陽五行の考えを用いて、地方創生のストーリーテリングを心がけているそうです。

これが、その様子です。

そら豆とびわのKINTONの出来上がり図。甘さが控えめな上に何層にも重なった味のレイアードが、美味しすぎてひっくり返りそうになりました。

そら豆とびわのKINTON、出来上がり
そら豆とびわのKINTON、出来上がり

20時閉店ですが、夜は日本酒を中心に、小鉢を数種類、取り揃えています。

上段が小鉢、下段がいなり寿司
上段が小鉢、下段がいなり寿司

お米や日本酒、出汁、野菜などメインとなる食材を日本全国から厳選し、完全自然栽培や無農薬食材も取り入れているそうです。

秋田県 高清水から取り寄せた日本酒
秋田県 高清水から取り寄せた日本酒

JAPAN MASTERY COLLECTION_estは、次世代アーティストの作品を置くセレクト型物販ショップと、二十四節気をテーマに陰陽五行の食材を用いてもてなされるcafe &barが併設された、所作や間を感じられる場所として、またデジタルマーケティングの場として、日本、東京の今後を担っていきます。

ウィズ原宿 B1階 HARAJUKU Cross内
JAPAN MASTERY COLLECTION_est

Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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