藤井フミヤ、16年ぶりの個展「The Diversity」が開催中です。 | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

藤井フミヤ、16年ぶりの個展「The Diversity」が開催中です。

「アリス」 アクリル キャンパス 2016
「アリス」 アクリル キャンパス 2016

ミュージシャンとして不動の地位を築いた藤井フミヤが、この夏、アーティストとしてカムバックしました。初の個展となった「FUMIYART - Take a break」を開催したのが1993年、その10年後の2003年には2度目の個展「FUMIYART」を催し、CGアーティストとしての存在を確立しました。その後、アーティスト活動は休止するも、作品作りへの熱は沸々と燃えたぎっていたようです。

今回の「The Diversity」展では、93年に発表したデジタルCGアートや、03年発表の線画、カッターを使ったキリエやハリエのほかに、近年、創り溜めていた作品総80余点がズラリと並び、観るものを圧倒します。

「ADAM&EVE」 CG 紙  1998
「ADAM&EVE」 CG 紙  1998

 

「WHISPER」 木  2003
「WHISPER」 木  2003

 

「軍鶏」 コピーに筆ペン 水彩  2016
「軍鶏」 コピーに筆ペン 水彩  2016

 

 

 

「遥巡の朝」 水彩 紙 2017
「遥巡の朝」 水彩 紙 2017

 

特筆すべきは、絵筆のみならずボールペンやスティッカーといった、藤井オリジナルの独特な技法で仕上げられた作品たち。こちらのカラフルな作品は、よく見るとスティッカーで仕上げられています。

「Sticker mosaic Maria」  シール、アクリル板  2003
「Sticker mosaic Maria」  シール、アクリル板  2003

よく見るとニコちゃんマークが!!
よく見るとニコちゃんマークが!!

ボールペンを駆使したペン画にいたっては、仕上げるのに手が痛くなった、というほどのアナログな技法です。よく見るとボールペンをうねうねと走らせ仕上げていて、ペン画のみの描写にも関わらず、息づかいが聞こえそうな女性の表情に、ただただ感嘆の域です。

「縺れた線の女」  ボールペン 紙  2018
「縺れた線の女」  ボールペン 紙  2018

展覧会に並べられた作品のひとつひとつから、画家、藤井フミヤの煮えたぎる創作意欲が垣間見えます。”自分が死んだ後、音楽以外で残せるものはなんだろう? そう考えた時に絵だなと思った”の言葉にもあるように、すべてに力強い熱量が含まれていて、音楽とは異なる藤井の内面が溢れ出ています。完成に数ヶ月を要したものから数時間で描き切ったものまで、全80余点の作品たちと出合いに、ぜひ足を運んでみてください。


挨拶中の藤井フミヤさん。おめでとうございます!

藤井フミヤ The Diversity展

会期/〜9月1日まで(会期中無休)
会場/代官山ヒルサイドフォーラム
住所/東京都渋谷区猿楽町18−8 ヒルサイドテラスF棟
入場料/一般・大学生 700円 高校生以下は無料

Profile

田中杏子Ako Tanaka 編集長。ミラノに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。紙面でのスタイリングのほか広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numéro TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。
Twitter: @akotanaka Instagram: @akoakotanaka

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