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Fashion Editor's Post

「Prada」2019年リゾートコレクションレポート@NY

NYで開催された「プラダ(Prada)」2019リゾートコレクションのショーを見に行ってきました!コレクションからディナー、会場までミウッチャ・プラダの美意識の高さを改めて実感したひとときでした。


旧ピアノ工場を、プラダではお馴染みの建築家ヘルツォーク・ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)が改装したという、NYのプラダ本部がある、コンクリート剥き出しのミニマルな空間を会場に、真っ赤なサンセットの光の中でショーはスタートしました。

コレクションはというと、とてもモダンでフェミニン。リアルに欲しいと思うものがたくさんありました。ミウッチャが語るには、80年代のイタリアポストモダン様式を生み出したデザイナー集団メンフィス(Memphis)がインスピレーションになっているとのこと。ちょうど、私がイタリアにいた頃で、当時の友人数名がメンフィスのグループに属し、エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass)の下でインダストリアルデザイナーとして働いていたこともあり、とても懐かしい!!正直、ポストモダン様式の家具は個人的には好きではないのですが、ミウッチャのフィルターを通してファッションで表現すると、こんなに新しく、コンテンポラリーに生まれ変わるのだと感激です。


ミウッチャ自身もショー直後に、「いつでもハイ&ローのミックスが好き」とコメントしているように、アイテムやイメージのレイアリングが絶妙。全てにおいて新しい境地に立たせてくれるのがプラダ。特に、帽子を使ったルック、シフォンのシースルースカートのスタイリングが気になりました。

会場の演出は、サンセットをより強調する効果を生むべく、窓には赤いフィルムが貼られ、何もない広い空間が時とともに赤く染まっていく様は妖艶な印象さえ与えていました。ところどころにパネルが設置され、パネルの外と中、バーチャルとリアリティを行ったり来たりしているような空間にしたかったとのこと。ちなみに、この建物は、実はプラダが2000年にヘルツォーク・ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)に依頼した最初のプロジェクトだったそうですが、虚飾を排した、コンクリートの構造がむき出しの建築家様式は、どこかイタリアのファシズム建築にも似ているな〜とも思いました。

Chloe Sevigny Photo by Sean Zanni/Getty Images

Miuccia Prada and  Marc Jacobs Photo by Sean Zanni/Getty Images)

Miuccia Prada and Designer Raf Simons Photo by Sean Zanni/Getty Images

ショーには、クロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)など多数のセレブリティや、NYデザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ラフ・シモンズ(Raf Simons)も来場していました。

そして、コレクションだけでなく、ディナーの席でも、ミウッチャのセンスに脱帽。食器やカトラリー、ナプキンに至るまで、なんとミウッチャがイタリアから運んだ私物なのだとか!? 実際に自宅でのホームパーティーで使用しているものなのかはわかりませんが、数百名分準備されていたことを思うと、一貫したスタイル、細部まで徹底した空間作りはさすがです。

ちなみにこのオリエンタルなプレートが、前菜、プリモ、セコンド、デザートまで続いていたので、人数分x4枚ずつくらいあったのかも。

また、テーブルの中央に置かれたデキャンタの赤ワインを飲みたいと頼んだところ、そちらは飾りです、とボトルから赤ワインが注がれました。演出のためにデキャンタまで用意するなんて! すごい美意識です。シェフも、もちろんワインもお気に入りをイタリアから持ち込まれたのだそう。

最後に余談ですが、実は、同じテーブルにアジア系のインフルエンサーが座っていると聞いていたのですが、名前を聞くと、なんと、あの「Diet PRADA」でした。

彼らは、現行の新たに発表されたコレクションが、実はいつの時代のどのコレクションが元ネタになっているとか、これはこのコレクションのパクリ(とまでは言わないが)だとかを分析し、インスタグラム上で発信している二人組なのですが、辛辣なことを書いているのにも関わらず(しかもPRADAという名前を使って)、ゲストとして招待されていることを知り驚きました。聞くと二人は、学生の頃の同期だそうでプラダに対しての絶大なる敬意を払っているそうです。彼らの分析はなかなか鋭く、リサーチ力も素晴らしいので、見ていて痛快ではあります。

Diet Prada ™さん(@diet_prada)がシェアした投稿


Instagram/@diet_prada

そして、早速、このプラダの2019リゾートコレクションのスタイリングのポイントにもなっていたビッグハットにフォーカスして90年代のケイト・モスの写真と比較して投稿していました。

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Profile

田中杏子(Ako Tanaka)編集長。高校卒業後にイタリアに渡りファッションを学んだ後、雑誌や広告に携わる。帰国後はフリーのスタイリストとして『ELLE japon』『流行通信』などで編集、スタイリングに従事し『VOGUE JAPAN』の創刊メンバーとしてプロジェクトの立ち上げに参加。誌面でのスタイリングのほか、広告キャンペーンのファッション・ディレクター、TV番組への出演など活動の幅を広げる。2005年『Numero TOKYO』編集長に就任。著書に『AKO'S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)がある。

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