籐、貝、小石!? ハイジュエリーの概念を覆した自然素材を用いたブシュロンの「アイユール」コレクションレポート
クリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌ(Claire Choisne)によって年2回発表されるブシュロン(Boucheron)のハイジュエリーコレクションは、毎回他のジュエラーとは一線を画す、自由で驚きのクリエイション! 7月のオートクチュールウィークにパリで発表された新作「Ailleurs -アイユール」が、この秋、東京に到着。買ったばかりのiPhone 14 Pro Maxを片手に(笑)展示会に参加させて頂いたのでレポートいたします!!
今回の新作コレクションは、フランス語で「アイユール(ここではない何処か)」と名付けられ、外出制限のあったコロナ禍に創造されたという。クレール・ショワンヌは、現実ではなく、想像力を駆使した“心の旅”というこれまでとは違った方法を見つけ出し、想像の世界を広げ、それをハイジュエリーへと落としこみました。
フィーチャーされたのが、小石や木、籐、隕石といった一見矛盾する自然の天然素材。それらとプレシャスなジュエリーを融合することにより、他では絶対見ることができない、幻想的なスペシャルな5つのコレクションが完成。驚くべき自由な感性で創造された、5つのユニバースをご紹介させていただきます。
1.「SAND WOMAN」
夢幻の砂漠へと誘う「SAND WOMAN」は、砂や降り注ぐ日の光に輝くブロンドやベージュトーンのコレクション。展示会の前にヴィジュアルを見せていただいた時、いったいどうやって作られているのだろう!? と興味津々、実物を見るのが楽しみだったコレクションの一つ。職人さんたちの技術により、天然の柔らかい籐とダイヤモンド、という驚くべき組み合わせが実現!
こちらの貝のイヤリングも素敵でした。一見これは作るの簡単そう!? とか一瞬思ってしまいましたが、天然の貝殻をスキャンし、質感や曲線、そのフォルムをゴールドとダイヤモンドで再現。同じ大きさと形状の貝殻を探し出すのも大変難しかったそう・・・。すみませんでした。<左>は、カササギの頭部をロッククリスタルとダイヤモンドで表現したリング。頭蓋骨をはめ込んだように見えて、SOOO REAL! さすがブシュロンさまクオリティです。
2.「LEAF WOMAN」
「LEAF WOMAN」のインスピレーション源は熱帯雨林。鮮やかな色彩溢れる南国の世界で、見てるだけでエネルギーチャージができそうなハイジュエリーたち!
圧巻だったのが、まるで植物の葉を編んだかのように見えるブレスレット! 非常に軽くて頑丈なアルミニウムを採用し、本物の葉に見えるように繊細な細工を施したんだとか。
このカモノハシのくちばしのリアルさたるや! こちらが最も職人さんの高度な技術が発揮された作品だそうで、色調の異なるシトリンを立体的に組み合わせ、鋭いくちばしの先はブラックオニキスで形状を作り、ルベライトをセット。金属をいっさい使うことなくストーンを組み合わせて表現したそう。
3.「EARTH WOMAN」
植物、動物などの有機的なフォルムをリアルに再現した「EARTH WOMAN」。特筆すべきは、右肩に乗ったリアルな花びらのブローチ!
こちらの素材はなんと、ローズウッド。本物の花びらをスキャンし、そこから新たに架空のお花を作ったという逸品。写真ではわからないのですが、薄いローズウッドの花びらの中央にあるのがチタン製のおしべ。これがなんと優雅に揺れるのです! 思わずうっとりと眺めてしまいました。
4.「PEBBLE WOMAN」
月の海原や天空に広がる広大な浜辺といった、静かで穏やかな世界「PEBBLE WOMAN」。本物のペブル(小石)を使ったジュエリーにご注目を! 白い大理石の小石(ペブル)をひとつひとつ半透明になるまで削って軽量化し、ゴールドやダイヤモンドのモチーフをタトゥーのように埋め込んだそう。
裏から見ても、ペブルが限界まで薄く削られているのがわかります! もはやジュエリーを超えてアートの世界!!
5.「VOLCANO MAN」
最後に、今回のコレクションで唯一、男性をイメージした「VOLCANO MAN」を。ブラック&ホワイトの世界でクールでとっても素敵でした。X線を通してしか見ることのできない貝の内側の螺旋構造を、あえてエアブラシで描いた<上>のネックレス。<下>のJapaneseテイストなネックレスは、炭化させた樹齢3000年のオーク材とダイヤモンドを組み合わせた逸品。炭とダイヤモンドって・・・! 予想を超える素材使いに、もう拍手喝采です!!
さて、長くなってしまいましたが、最後に。ブシュロンといえば・・・の個性溢れる愛すべき動物リングたちをご紹介。今回は、想像の世界に登場する動物たちが、ダイヤモンドが煌めくリングとなってラインナップされていました。なんと隕石(!)をあしらった、月に吠えるオオカミの姿を描き出した「ルウ リング」なども!!
どれも幻想的で、おとぎ話に出てきそうな動物たち。お気に入りの一頭はいましたか?
クレール・ショワンヌは「私にとってPrecious(貴重なもの)とは、美しいものであって、必ずしも高価なものではありません。私が美しいと感じるものはいつも自然の中にあります。この地球上で最もクリエイティブな才能を選ぶとすれば、それは自然だと思います。その自然に敬意を示し、その美しさと価値に人々の目を向けさせたいのです」と語ります。 今回のコレクションを拝見させていただいて、私の中でハイジュエリーのイメージが一新すると同時に、本当に美しいものとは何だろう?と考える機会をいただいたような気がします。こんな脳をガツンとやられるようなハイジュエリーはなかなかお目にかかれません。また次回のブシュロンさんのハイジュエリーコレクションを楽しみに待っていたいと思います!
Thank you for inviting me Boucheron!!
Boucheron
ブシュロン クライアントサービス
TEL/0120-230-441
URL/www.boucheron.com