瀧本美織のターニングポイント「根っからの悪女もやってみたい」 | Numero TOKYO
Interview / Post

瀧本美織のターニングポイント
「根っからの悪女もやってみたい」

自分自身の今に影響を与えた人物や、ターニングポイントとなった出来事、モノ、場所との出会い。それをきっかけに変化し成長した自分を振り返る。瀧本美織のビフォー&アフター。

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──ドラマ『キャリア〜掟破りの警察署長〜』で、瀧本さんは署長・遠山金志郎(玉木宏)のバディでもある女性刑事・相川実里を演じていますね。彼女はどんな性格の人ですか。

「北町署という男社会で、たった一人の女性刑事。もがきながらも一生懸命に前へ進む、真っすぐな女性です。真面目ゆえに空回りすることもあるのですが、そこが愛すべきところでもあり。25歳と私と同い年なので、等身大で演じられる気がします。上司と署長の板挟みになり、本当は上司の言うことも聞かなければいけない立場。でも署長と出会ったことで、人助けをするために刑事になったことを思い出し、初心に帰ることができました。だから署長のことはとても尊敬していますし、大好きです。署長が来たことで、実里だけでなく、刑事課のみんながだんだん変わってきています」

──華麗なアクションシーンも見どころですね。

「体を動かすのが大好きなので、アクションは楽しいです。第1話のアクションを撮ったとき、『次は蹴りとかやりたいです!』とアクション監督に言ったら、第4話で希望を叶えていただきました」

──署長役の玉木さんは、普段どんな方ですか。

「すごくいたずらっ子でチャーミング。ちっちゃいいたずらをいっぱいされています(笑)。ご自分の靴下をポンポン投げ入れてきたり、座ろうとしたら椅子を引いたり。小学生並みの可愛いいたずらを皆になさっています。テレビなどではクールな印象でしたが、実際にお会いしたら優しい雰囲気の方で、署長と重なります」

──そんな子どもみたいないたずら! 楽しそうな現場ですね。

「はい、撮影中も和気あいあいです。昨日も収録の合間にオンエアを皆で見ていたのですが、柳沢慎吾さんはご自分が出ているシーンになると『やっぱ俺、最高だね。今の見た?』って盛り上がっていました(笑)。さらにお気に入りのシーンをその場で何度も再現なさるから、周りにいる人は巻き込まれています(笑)」

──女優としてのターニングポイントになった作品は?

「この業界に入って約13年、お芝居を始めて7年ほどですが、映画で女優デビューした次の作品がNHKの朝ドラ『てっぱん』のヒロイン。オーディションでいただいた役で、とても光栄でした。本当は大学に通うために上京する予定でしたが、撮影が大阪だったため、入学してすぐ1年間休学。大学には『こんな人は初めて』と言われました(笑)。でもやるからにはとことんやりたいし、情熱を注ぎたかった。一つの役を1年間かけて演じた大阪での時間はとても濃かったですね。役が合っていたみたいで、普段から同化していた感じ。自然体であまり意識せず、体当たりで挑めたことがすごく大きかったです。キャストもスタッフも懐の深い、家族みたいなチームでした」

──初めてのドラマ出演が朝ドラ、それも主演はすごいですね。

「顔合わせのとき、テレビで見たことのある人がいっぱいいるって思いました(笑)。でも戸惑いより、キラキラした世界で、楽しいことのほうが多かった。お芝居も初めてだったからこそ、できたんでしょうね。当時は欲がなかったです。経験を積めば積むほど見えなくなるものもあるんだなって、今になって感じます。当時、エンケン(遠藤憲一)さんに『おまえはおれの教科書だよ』と言っていただいて。当時は『ありがとうございます』って無邪気に受け止めていましたけど、その言葉をいま痛感しています。お芝居をするとき、真っさらな気持ちで顔を合わせたり、思い切って胸に飛び込む感覚は大事だなあと」

ターニングポイントはジブリ映画『風立ちぬ』

Photos:Akihito Igarashi
Styling:Aika Kiyohara
Hair & Makeup:Kie Kiyohara
Interview & Text:Maki Miura
Edit:Saori Asaka

Profile

瀧本美織(Miori Takimoto) 1991年生まれ、鳥取県出身。2010年、映画『彼岸島』のヒロインで女優デビュー。同年NHK連続テレビ小説『てっぱん』で主演。以降ドラマ、舞台で活躍する。フジテレビ系ドラマ『キャリア〜掟破りの警察署長〜』(毎週日曜21:00〜)に出演。17年には音楽劇『マリウス』(山田洋次脚本・演出)を控える。

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