現代美術の “宝石箱や〜!”UBSコレクション@東京駅
アートには、常に “保護者” がいる。 古くは国家や教会といった公権力が、近世以降はそれらに加えて資産家や画商がその役割を担ってきた。芸術家に制作を依頼し、その対価を支払うといった形で芸術家の生活を、さらには「アート業界」全体を保護してきたのだ…。
現代において、特に企業による芸術支援は「メセナ」と呼ばれ、重視されている。
東京ステーションギャラリーで開催される展覧会、「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより」で見ることができるのは、一民間企業による現代アートのコレクション、その中でも世界最大規模のものだ。
今回そのコレクションを公開するUBSは、世界有数のグローバル金融グループ。1960年代以降の変転めざましいアートシーンに焦点を当てたコレクションは、絵画や彫刻から、写真にヴィデオまで、30,000点以上の作品で構成されている。
今展ではその中から、エド・ルーシェイ(生ける伝説とも呼ばれるコンセプチュアル・アーティスト!)やルシアン・フロイド(20世紀イギリスを代表する画家。精神学者フロイトの孫!)など、日本でまとめて見る機会の少ない12人の作家をセレクト。名作の数々を通して、多様な現代美術を俯瞰することができる。
そして何より、趣ある東京ステーションギャラリーの展示室に並んだ約80点の作品は、 “ホワイト・キューブ” で見るのとはまた違った表情を見せてくれるだろう。まるで親に見せるのとはまったく違う表情を、子どもが学校で見せるように…。
そんな “UBSの子どもたち” を、あなたも見に行ってみてはいかが?
12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより
会期/2016年7月2日(土)〜 9月4日(日)
会場/東京ステーションギャラリー 東京都千代田区丸の内 1-9-1
時間/10:00〜18:00
金曜日は20:00まで(入館はそれぞれ閉館30分前まで)
休館/月曜日(7月18日は開館)、7月19日(火)
TEL/03-3212-2485
URL/www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201607_12rooms.html
エド・ルーシェイ『スタンダードのスタンド』1966年、リトグラフ、紙
©Ed Ruscha. Courtesy Gagosian Gallery UBS Art Collection
Text:Ken Suzuki