広大な世界に生きる私たちの身体に光を当てたミュウミュウの2026年秋冬コレクション。身体と心、個と世界。その親密な関係性はウォッシュ加工や肌に寄り添う柔らかな素材、愛らしい装飾によって静かに紡がれていく。繊細な感覚にそっと耳を澄ませながら、自らと優しく向き合うための余白を探しに。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年12月号掲載)
情緒を呼び起こす、時の痕跡

端正なテーラリングのジャケットに、時を重ねたような柔らかな表情を添えて。1990年代のミュウミュウを思わせるシャープなラインはそのままに、ウォッシュ加工を施したストレッチポプリンが自然体の美しさを引き出す。過ごしてきた時間や記憶をそっと抱きしめ、自らを受け入れるためのエレガンスを。
ロマンティックな冒険心

光を受けてほのかに艶めく質感が、スポーティなシルエットに穏やかな温度を宿すウィンドブレーカーとパンツ。ライナーに施されたシアリングの愛らしさと、ソフトレザーのバックパックが醸すノスタルジックなムードが、実用性の奥に静かなロマンスを忍ばせる。
優美なカーブに誘われて

2011年のアーカイブデザインに着想を得たレザーバッグ「ランデヴー」。ゆったりとしたホーボーシルエットは高い収納力を備え、柔らかなレザーやフラップのなめらかなカーブがどこか女性らしいしなやかさを感じさせる。編み込みのディテールを施した彫刻的なワンハンドルがアクセントを添え、ヴィンテージライクなムードに現代的なエッセンスを吹き込む。
無垢なドレスに潜む、妖艶な気配

可憐さと強さ、そのあわいに漂う控えめな官能性。素肌に寄り添うミニマルなドレスは、ダブルウィーブのウールが生み出す構築性と端正なシルエットによって、センシュアリティをほのめかす。足元にはレザーのレースアップブーツを合わせ、鋭い輪郭を与えて。
たおやかに紡ぐ、愛らしい余白

コンフィーなピンクのニットと、自然な風合いを残したリネンスカート。フェミニンな温もりを湛えながらも、削ぎ落とされた佇まいがポエティックな余韻を残す。華やぎを添えたい日には、シアリングとスタッズモチーフが目を引くバッグを味方につけて。
無邪気な煌めきを足元に

2000年代初期のアーカイブから着想を得たバブルシューズに、クリスタルとスパンコールの繊細な煌めきを重ねて。テクニカルな機能性とロマンティックな装飾性という相反する魅力が交差し、自由な個性を描き出す。足元からときめきを呼び込んで、いつもの装いに小さな魔法を。
柔らかな繭のなかで

身体や心に意識を向け、自分自身を大切にすること。そんなマインドフルな感性を映し出すように、ウールのカーディガンが優しく身体を包み込む。リネンのペンシルスカートは、静かな自信を携えて。心地のよい質感とクリーンなシルエットが調和し、衣服は自らを守るためのシェルターとなる。
儚げなシルク、物語を宿すレザー

ペールトーンのシルクドレスに重ねたのは、ヴィンテージ加工を施したレザージャケットとパンツ。レザーに刻まれたシワの表情は、傷ひとつない美しさではなく、揺らぎや脆ささえ受け入れながら自分らしく在ることの意味を教えてくれる。繊細なシルクと無骨なレザーの意外性のあるレイヤードで、内に秘めた強さをしなやかに表現して。
Miu Miu
ミュウミュウ クライアントサービス
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Photos:Saki Omi Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Yu Nagatomo Makeup:Suzuki Edit & Text:Makoto Matsuoka
