松岡茉優×仲里依紗「自分の“美”は、自分で選ぶ」 | Numero TOKYO
Interview / Post

松岡茉優×仲里依紗「自分の“美”は、自分で選ぶ」

旬な俳優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.131は俳優の松岡茉優と仲里依紗にインタビュー。

<松岡茉優>ジャケット¥419,100/Loewe(ロエベ ジャパン クライアントサービス 03-6215-6116 イヤカフ¥17,600 ネックレス¥143,000/ともにH’eres(ヒアーズ heresjewelry2020@gmail.com) <仲里依紗>ジャケット¥297,000 ネックレス¥126,500 パールネックレス¥159,500 ピアス¥81,400/すべてVivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド www.viviennewestwood.com) 右手のリング¥ 41,800/Love By e.m.(イー・エム アオヤマ 03-6712-6797)
<松岡茉優>ジャケット¥419,100/Loewe(ロエベ ジャパン クライアントサービス 03-6215-6116 イヤカフ¥17,600 ネックレス¥143,000/ともにH’eres(ヒアーズ heresjewelry2020@gmail.com) <仲里依紗>ジャケット¥297,000 ネックレス¥126,500 パールネックレス¥159,500 ピアス¥81,400/すべてVivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド www.viviennewestwood.com) 右手のリング¥ 41,800/Love By e.m.(イー・エム アオヤマ 03-6712-6797)

美容整形の光と闇を浮き彫りにするNetflixシリーズ『ダウンタイム』。美をめぐる多様な価値観とルッキズムを描き、「美とは何なのか?」という根源的な問いを突き付けるヒューマンサスペンスだ。天才的なオペ技術を持つ形成外科医、沼田文(ぬまたふみ)を演じるのは松岡茉優。ある緊急オペをきっかけに勤務していた大学病院を去ることになった文をスカウトするのが、仲里依紗演じるカリスマ美容外科医、遠山凜(とおやまりん)。2人は本作を通して、自らの「美」にどう向き合ったのか。最近の「OFF」の過ごし方についても聞いた。

──沼田文と遠山凜を演じる上でどんなことを大切にしましたか?

松岡「『ダウンタイム』にはいくつかの軸があって、テーマが美容整形であること、シスターフッドの作品であること、ヒューマンサスペンスであること。そして、文と凜の成長譚であること。たくさんの患者さんと出会う身として、勉強させていただいたことばかりでした。文が大切にしているものを、私も大切にしたいと思いながら演じていました」

「美容整形をするということを自然に発信できる世の中になってきてはいますが、ネガティブなイメージを持っていらっしゃる方も多いと思います。私は美容整形を前向きなものだと捉えているので、少しでもネガティブなイメージを払拭できる作品にしたいと思いました」

リング¥33,000/H’eres(ヒアーズ heresjewelry2020@gmail.com)
リング¥33,000/H’eres(ヒアーズ heresjewelry2020@gmail.com)

──本作に携わったことで、「美」に対する価値観の変化や新たな発見はありましたか? 

松岡「小学生から70代までのさまざまな悩みを抱えた患者さんが登場しますが、人が心地よく生きようとすることに、他者が踏み込むべきではないと思いました。整形においても、文の選択においてもそう。文と凜には知られざる過去があり、2人の人生を邪な気持ちで引っ張っていく人も現れますが、2人がどうやって未来を勝ち取るかということが描かれているところも私がこの作品を好きなポイントです」

「もともと美容が大好きですし、強い好奇心があるので、今作のオファーをいただいたこと自体がとてもうれしかったです。茉優ちゃんが言うように、『前に進みたい』っていう気持ちを周りが止めてしまうことは控えたいですよね」

──さまざまな悩みを抱える患者が登場する中で、特に刺激を受けたエピソードはありましたか?

松岡「手相を変えたい患者さんも出てきますし、本当にさまざまな悩みを抱えた患者さんが登場します。キャンペーンなどで一万円以下で行えるプランから、数千万円かかる手術もある。各話で違う手術が取り扱われているので、私たちの向き合い方やカウンセリングのシーンも自ずと変わっていきます」

「ドラマでは末期がん患者の方が『最後に綺麗になりたい』っていう思いで整形をしようとするけれど、凜先生は止めないんですよね。何かしらのリスクがあったとしても、患者さんの願いを叶えてあげることを優先するという考え方も素敵だなと思いました。あと、私はアパレルをやっているのですが、『この年齢でこういう服を着ていいですかね?』って聞かれたりします。年齢はただの数字で、気持ち次第でリミットはない。いくつになっても、おしゃれを楽しんだり、美しくなりたいと願う気持ちは持ち続けていいものだと思います」

──仲さんは中学生の息子さんがいらっしゃいますが、息子さんとの会話を通じて、下の世代の美に関する価値観に驚くことはありますか?

「もう少し美に対しての興味を持ってほしいと思ってるくらいなんですが、昨日一緒に伊勢丹にいるときに『僕のシャンプーが切れちゃったから買って』って言われたんですよ。薬局にいるときじゃなくて(笑)」

松岡「伊勢丹に売ってるシャンプーって見たことないような形だったりして、お値段が高いですよね(笑)」

「そう! びっくりすると同時に、『ちょっと意識高いな』って思いました(笑)」


──お2人は今作が初共演ですが、いかがでしたか?

松岡「里依紗ちゃんとの共演、最高に楽しかったです」

「茉優ちゃんみたいな天才的なお芝居をする方と共演すると、こういう感覚になるんだっていうのを初めて知りました。その感覚がとてもうれしかったですし、私も頑張ろうって思いました。いつもヘラヘラしてるので(笑)」

松岡「里依紗ちゃんはいつでもポップでいてくれるんです」

「ポップ(笑)」

松岡「撮影をしていて一番感じていたのは、里依紗ちゃんとお芝居をすることで、台本を読んでいたときに想像していたものとは違う着地点にたどり着いたこと。里依紗ちゃんと目が合うと、ドゥンって心の奥から何かが湧き上がってくるような感覚があって。相性が良いっていう言葉が適切なのかわからないけれど、本当にありがたいことなんですが、俳優としてとても幸せな経験をさせてもらいました」

「うれしい。私も本当に幸せでした」

──トレンドの顔や画一化された美に惹かれる人は多いと思いますが、そうではないけれど、個人的に惹かれてしまうパーツや特徴はありますか?

松岡「『ダウンタイム』を通じて、人それぞれの美の価値観を他者が評価することには限界があると感じたので、それぞれが好きにするのがいいと思います」

「先日ギャルメイクをして、憧れの目になれたときはすごくうれしかったんです。目によって顔の印象が大きく変わる楽しさを感じる一方で、それぞれの目にはそれぞれの魅力があると感じることも多いですね」


──『ダウンタイム』にかけて、内面でも外面でもいいのですが、美しくなるためにオフの時間でやっていることというと?

松岡「読書です。文字や紙が大好きで、エッセイも漫画も物語も、なんでも読みます」

「一緒に取材を受けていて『茉優ちゃんの話す言葉は美しいな』と思いました。私からは出てこないような言葉が多くて」

松岡「うれしい!ありがとうございます」

「『ダウンタイム』のYuki Saito監督に茉優ちゃんは理論派で私は感覚的で直感型だと言われましたが(笑)、私も本を読んでみようかなと思いました。でも、寝ちゃうんだよね。絵本なら読めるかな」

──仲さんにおすすめしたい絵本はありますか?

松岡「うーん。里依紗ちゃんは自分で道を切り拓く人だと思うので、欲しいものは自分で手に入れている人だと思うから、『おくりものはナンニモナイ』っていう絵本を贈りたいです」

「ありがとう。まさに私は新しいものを自分で見つけていくのが好きなんですよね。あと、とにかく長生きがしたいあと、毎年遺言書を更新しようと思っていて、終活教室に通おうと思ってるんですよね」

松岡「すごい!(笑)」

「(笑)。遺言書を書くことが、自分の心に問いかけることにつながるかなと思っていて」

松岡「確かに、心が整理されて安心できるかもしれない」

Netflixシリーズ「ダウンタイム」


天才的なオペ技術を持つ形成外科医・沼田文(松岡茉優)は、不本意ながら美容医療の世界へ転身する。カリスマ美容外科医・遠山凜(仲里依紗)と対立するなかで、華やかな表舞台の裏に潜む金への欲望と人々の美への渇望が暴かれていく。

出演/松岡茉優 仲里依紗
監督/Yuki Saito
Netflixにて世界独占配信中

Photos:Ayako Masunaga Styling: Satsuki Asai(Mayu Matsuoka), Naomi Banba(Riisa Naka) Hair & Makeup:Chika Ueno(Mayu Matsuoka), Yoko Nasu(Riisa Naka) Interview & Text:Kaori Komatsu Edit:Mariko Kimbara 

Profile

松岡茉優 Mayu Matsuoka 1995年生まれ、東京都出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年)で注目を集める。日本アカデミー賞では『勝手にふるえてろ』(17年)、『蜜蜂と遠雷』(19年) 、『騙し絵の牙』(21年)で優秀主演女優賞、『万引き家族』(18年)で優秀助演女優賞を受賞。その確かな演技力が高く評価されている。その他の主な出演作に映画『愛にイナズマ』(23)、ドラマ「ギークス/GEEKS」(24)、「最高の教師1年後、私は生徒に■された」(23)などがある。今後、主演映画『男ともだち』(11月6日公開)が控えている。
仲里依紗 Riisa Naka 1989年生まれ、長崎県出身。ドラマ、映画に出演する他、ファッション誌ではモデルとしても活躍。幅広い役柄を演じる演技力で評価されている。また、自身のInstagramでは、家族との私生活が垣間見える投稿やファッショニスタとして人気を集める。2020年4月よりYoutubeチャンネルも開設。主な出演作にNetflixシリーズ「今際の国のアリス」〈シーズン1(20)、シーズン2(22)〉、Netflixシリーズ「離婚しようよ」(23)、TBSドラマ「不適切にもほどがある!」(24)などがある。待機作に映画『高校生家族』(2027年1月8日公開)がある。
 

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