東京の偶然を写し取るスナップショットの世界。立木義浩写真展「海月も骨に逢う」@馬喰町・KKAG|Numero TOKYO
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東京の偶然を写し取るスナップショットの世界。立木義浩写真展「海月も骨に逢う」@馬喰町・KKAG

2026年8月26日(水)〜9月19日(土)まで、東京・馬喰町のアートギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)にて、立木義浩写真展「海月(くらげ)も骨に逢う」が開催。立木が世界各地で撮り続けているスナップ写真の中から、直近2〜3年に東京で撮影した作品約20点を展示する。

©Yoshihiro Tatsuki
©Yoshihiro Tatsuki

日本のファッション写真、雑誌、広告の黎明期を支え、半世紀以上にわたり幅広い分野で活躍し、数多くの著名人を撮影してきた立木をして、「どうにも思い通りにはいかない」のがスナップ写真だ。

「海月(くらげ)も骨に逢う」という展覧会タイトルとステートメントには、立木が、そして私たちがなぜスナップ写真に魅了されるのかが表れている。

──それなしでは生きられないほどではないが、ないと実に退屈なのが写真である。普遍的かつ時間を超えたものを見いだすのも悪くはないが、スナップ・ショットの世界は、微妙にして繊細である。ゆえに、意図して進めるより、身体性の反応に委ねつつ流れに乗って撮影する。ひそかに期待しているあたりがまだ青臭いところかもしれないが、敵はさるもの引っ掻くもので、「藪から棒」やら「寝耳に水」や大袈裟なところでは「青天の霹靂」まで敵の持ち駒は多い。目論み、意図し、狙って撮ればよいものを、それをよしとしない、変なモヤモヤが私のどこかに巣くっているのだ。丸ごと信用はしていないはずの「偶然」に信頼を寄せるのは「自らの限界を打ち破る効用があるから」だと感じている。つまり、予定調和を取り除いた、写真の持つ意外性の驚きに納得するのである。私のなかに、観る人はわかってくれるという思いがある。観てもらうだけでいい。そこには実に多様な「出会い」が写っているはずだから。
写真は自己表現ではない。宇宙的世界の豊かさを表すものである。

晩夏、ギャラリーがひしめく馬喰町の一角へ。立木が切り取った東京の「出会い」を追いかければ、見る者自身にも思いがけない一枚との出会いが訪れるかもしれない。

立木義浩写真展「海月も骨に逢う」
会期/2026年8月26日(水)〜9月19日(土)
営業時間/水曜〜土曜日 15:00~21:00まで(日・月・火曜定休)
会場/KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)
住所/東京都千代田区東神田1丁目2-11 405
URL/http://kkag.jp/

Text:Chiho Inoue

Profile

立木義浩 Yoshihiro Tatsuki 1937年、徳島県徳島市生まれ。写真家。58年、広告制作会社アド・センターにフォトグラファーとして入社し、ファッション、エディトリアル、広告写真を牽引する。65年、『カメラ毎日』で巻頭56ページにわたって掲載された「舌出し天使」で脚光を浴び、69年にフリーランスに転身。以降、数々の著名人を撮影すると同時に、世界各地で市井の人々のスナップ写真を撮り続けている。
主な受賞に、日本写真批評家協会新人賞(1965)、日本写真協会賞年度賞(1997)、日本写真協会賞作家賞(2010)、文化庁長官表彰(2014)など。写真集に『イヴたち』『GIRL』『私生活/加賀まりこ』『MY AMERICA』『家族の肖像』『東寺』『KOBE・ひと』『ありふれた景色』『小女』『Tōkyōtō』『Yoshihiro Tatsuki 1~8』『étude』『動機なき写真 just because』『舌出し天使』『SNAP 20C』『Afternoon Paris』など多数。
KKAGにて写真展「海月(くらげ)も骨に逢う」を開催予定(2026年8月26日〜9月19日)。
 

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