和田直希 × AYA TAKANO 対談 「アートが、音楽になった瞬間」 | Numero TOKYO
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和田直希 × AYA TAKANO 対談 「アートが、音楽になった瞬間」PROMOTION

和田直希の音楽プロジェクト「NUTOИ」が本格始動し、4月にリリースした楽曲「Don’t Ever Say Goodbye(Feat.MIYEON)」のジャケットアートワークではアーティストのAYA TAKANOとコラボレーションした。彼女の作品をきっかけに生まれたという本プロジェクト。両者のクリエイションへの真摯な姿勢が共鳴するとき、混迷の時代に届けたいメッセージとは。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年9月号掲載

──「NUTOИ」プロジェクトが始まった経緯は?

和田直希(以下、W)「今回のプロジェクトは不思議な流れで始まりました。デジタルメディアに移行したティーン誌の復刊を手がけることになり、AYA TAKANOさんに表紙の絵をオファーしたんです。いま僕が社会に対して感じていることをお伝えして、『Things Fall Apart』というテーマで描いてほしいと。それで出来上がった絵があまりにも素晴らしくて、これをテーマに音楽を作りたいと思いました」

──「Things Fall Apart」とは?

W「ナイジェリアの小説家、チヌア・アチェベの『Things Fall Apart』という小説です。アフリカの伝統的な世界が西欧に植民地化されていくなかで起きる悲劇が描かれています。10代は感受性の強い時期。SNSやAIが台頭する新しい時代と古くからの価値観との折り合いをどうつけるのかというテーマのほうが読者に響くと考えたんです」

──「NUTOИ」の意味は?

W「僕は人の縁も『万有引力の法則』のようなものだと思っているんです。ビジネスのために人脈を広げるのではなく、気の合う人たちと自然に何かをやっている。AYAさんとも、そういう流れで会うことが多くて。それに自分の名前が直希なので、Nで始まる名前がいいなというのもありました(笑)」

AYA TAKANO(以下、A)「オファーをいただいて、和田さんと話しているうちに、私たちは思想が一緒だってわかったんです。私はいまの世の中に対する違和感があって、教育も生活のあり方も変えたいと思っていて。和田さんには、自殺する人をなくしたいという思いがあり、そこには共通するものがありました。そういえば、2024年の日本での個展に和田さんが来てくれたときも『ピンときた』と言ってくれましたよね」

W「あの個展を見て『こういうことだよな』と思ったんですよ」

A「その個展では、都市生活をエンジョイする『現代』と、文明の恩恵も受けながら自然に近い形で生きる『未来』を描きました。昨年のLAでの個展でも日本でも、Z世代の子がたくさん来てくれました。食料や環境の問題もあるし、都市は生き物としての人間にはあまりに合っていない。若い世代ほど、私が描く未来に共鳴してくれたのかもしれません」

W「僕も最近、流れが変わったと感じます。昔はクラブイベントに行っていた人たちが、今は田植えをしたり、地元で何かを始めたりしている。行きすぎたテクノロジーや都市化への揺り戻しなんでしょうね」

A「今回の絵は、未来の『海の民』と『山の民』というイメージでした。大きな自然災害が起きたあとに、人々が農作物や海産物を分け合って暮らしているような世界。国会議事堂のような建物が傾いていますが、人々はそこでもちゃんと暮らしている。そういう未来です。私は『人生はもっと楽しい』と伝えたいんです。だから自分自身も、苦しみながら絵を描くのではなく、日々をエンジョイするように努力しています。もちろんネガティブな作品があってもいい。でも自分は、ポジティブな方向を選びたいし、みんなにもハッピーになってほしい」

W「僕もそう思います。座右の銘のように思っているのは『楽をしたいから、たくさん努力する』ということ。ストレスなく生きるために努力する。それって、実はすごくポジティブなことだと思うんです」

©AYA TAKANO 「Don't Ever Say Goodbye(Feat.MIYEON)」和田直希がプロデュースし、アートワークをAYA TAKANOが手がけた本作。描かれているのは、未来の「海の民」と「山の民」。AYA TAKANOがティーン誌のために描いたオリジナルをクロッピングして仕上げられたジャケット。
©AYA TAKANO 「Don't Ever Say Goodbye(Feat.MIYEON)」和田直希がプロデュースし、アートワークをAYA TAKANOが手がけた本作。描かれているのは、未来の「海の民」と「山の民」。AYA TAKANOがティーン誌のために描いたオリジナルをクロッピングして仕上げられたジャケット。

世界は変わり始めている

──現代社会への違和感を、アートや音楽でポップに提示しているところも、お二人の共通点ですね。

A「ポップな見た目で、ウイルスみたいに内部から破壊できたら、社会も変わってくるんじゃないかなって。でも、説教くさくなるのは嫌。絶対にポップで、かわいくありたいんです」

W「大事なことですよね。『Don’t Ever Say Goodbye(Feat.MIYEON)』では、『死という選択肢はない』ということを伝えたかったんです。でもそれを深刻に表現するのも違うなって」

A「デモを聴かせてもらったとき、すごくいいと思いました。正直、日本のポップソングってあまり好みじゃないんですけど、この曲は魂が乗っている感じがして」

W「うれしいです。AYAさんの絵には思いを一瞬で伝える力がありますよね。音楽はメッセージが届くまでに時間が必要だけど、絵は見た瞬間に突き刺さる。自分にないピースを、AYAさんが持っていると感じました」

A「いま世界中で戦争や争いが起きていますが、人の意識が外側をつくっていくと思うんです。だから、内側から変えたほうがいい」

W「結局、戦争の先にあるのは破壊ですよね。世界を破壊し尽くすことって合理的じゃない。みんなの意識をハッピーな方向に向けていくほうが、ずっと合理的だと思います」

A「世界のZ世代に日本のマンガやアニメが人気なのも、前時代的な『トキシック・マスキュリニティ』とは違う価値観に共鳴しているからなんじゃないかと思うんですね。『友情・努力・勝利』や、不思議で神秘的な世界観とか」

W「だから僕は、日本から世界に届く作品を作りたいんです。日本の田園風景や星空、そこで暮らす人たち。そこにある思いや価値観を、音楽を通して届けたい。今後も楽曲のリリースを控えていて、最終的には、一つのアルバムとして完成させて『こういうことが言いたかったんだ』と感じてくれたらうれしいです」

Nagomi Meets NUTOИ

今秋NUTOИからリリースされる楽曲「Starry Night」のジャケットとMVに出演するモデルのなごみ。クリエイティブコレクティブ「TOPANGA HILLS MAFIA」とコラボ制作し、NUTOИが歌唱。迷いや不安のなかでも、大切な人の存在が暗闇を照らし、進むべき場所へ導いてくれるという思いが込められた楽曲だ。MVという新たな表現に挑む、なごみに注目したい。

トップ¥408,100 パンツ¥874,500/ともにSaint Laurent by Anthony Vaccarello(サンローラン クライアントサービス)
トップ¥408,100 パンツ¥874,500/ともにSaint Laurent by Anthony Vaccarello(サンローラン クライアントサービス)

胸元のリボンがしなやかに揺れる白のブラウスに、レザーのショートパンツでエッジをひとさじ。柔らかさと力強さが響き合い、芯のある美しさを際立たせる。纏うことで生まれる堂々としたアティチュードまでも、スタイリングの一部にして。

なごみ
Z世代を中心に高い支持を集めるインフルエンサー、モデル。国内外のファッション・ビューティーシーンで活躍しながら、自身のコスメブランド「GENTY」をプロデュースしている。

 
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Photos:Kinya Fashion Director:Ako Tanaka Hair & Makeup:Kouta Interview & Text:Miho Matsuda Edit:Miyu Kadota Fashion Associate & Text:Makoto Matsuoka

Profile

和田 直希 Naoki Wada 1980年、兵庫県生まれ。2014年に「KAMARQ」を創業。国内では家具のサブスクリプション事業を展開し、業界トップシェアを確立後、24年に売却。20年にグローバルエンターテインメント事業として株式会社LANDを設立し、アーティストのプロデュースを手がける。
あや たかの AYA TAKANO 1976年、埼玉県生まれ。村上隆率いるKaikai Kiki所属。幼少期から科学やSF、超自然的な世界に魅了され、SF的世界観を背景にした独特のエロティシズムが漂う作品を国内外で発表。3.11以降は地方や自然に対する理解を深め、その世界観はさらに深化している。
 

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