【Editor’s Letter】ボーダーの向こうへ | Numero TOKYO
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【Editor’s Letter】ボーダーの向こうへ

2026年5月28日(木)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numéro TOKYO)』2026年7・8月合併号に寄せて。編集長・水戸美千恵からのエディターズレター。

「ボーダー」という言葉を聞くと、つい線を思い浮かべます。国境、ジャンル、性別――世界はさまざまな境界によって分けられ、理解されてきました。けれど今、その線は以前よりもずっと曖昧で、自由になっている気がします。

今号では、国境を超えて活躍する表現者たちとその作品にフォーカスしました。俳優・コメディアンとしてグローバルに活動するユリエ・コリンズ、そして映画という表現を通して世界と対話を続ける濱口竜介監督。異なる文化や価値観を行き来しながら、線を引きがちな私たちに気づきをもたらしてくれます。

さらにパリでは、料理、花、陶芸、ショコラの世界で活躍する日本人女性クリエイターたちを取材しました。異国の地で、時に男性中心の価値観が色濃く残る職人の世界で、自分の表現を築いていくことは決して容易ではないはず。彼女たちに共通しているのは、自分の感覚を信じ抜くしなやかさ。ファッションもまた、ボーダーを横断しています。ネクタイやマフラーをベルトに、イブニングドレスを夜だけのものにしないこと。ルールやTPOという固定観念から離れて、身に着ける。そんなスタイルが、今の時代らしく自由に映ります。

どこで生きるか。どんな表現を選ぶか。自由とは、境界をなくすことではなく、境界に縛られない視点を持つこと。自分で限界や役割などを決めつけないこと。ボーダーの向こうには、新しい景色が広がっているはず。

life in layers

シャガールの舞台美術を劇場空間で楽しめるバレエ『アレコ』が、MoN Takanawa:The Museum of Narrativesにて5月29日(金)から6月7日(日)まで開催。マルク・シャガールが1942年にバレエ・シアターの依頼によって手がけた舞台背景画『アレコ』。内3点を青森県立美術館が所蔵。幻想的な美しさに感動した覚えがあります。今回の舞台は、その作品を高精細LEDによる空間演出として見せ、初演と同様、幕ごとに背景が変わり、身体表現・音楽・映像技術が交差する新たな鑑賞体験ができるというもの。素敵そうです。

パリ発ファッションブランド「セザンヌ」。2013年に創設され、ヴィンテージムードを纏ったフレンチシックなスタイルで大人気に。上質な素材、タイムレスなデザインで、ニットやデニム、レザーグッズまで幅広く展開。サステナビリティの意識が高いことにも賛同できます。日本語対応の公式ECがあり、気軽にネットショッピングできるのも魅力。夏に向けて、それぞれデザインが違うボタンがポイントのベストとパンツのリネンセットアップをセレクト。

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Profile

水戸美千恵Michie Mito 編集長。大学時代にジャーナリストアシスタント、ライターとして書籍、雑誌に携わる。卒業後扶桑社へ入社し、女性ファッション誌を経て『NumeroTOKYO』創刊1年目より副編集長に就任。連載「YOUのテキトーく」「佐久間由美子が聞く 女性表現者たちの闘い」を担当。好きなものは、ファッション、食、旅、アート。座右の銘は「いつも心にナンシーを」。
Instagram: @mitomichie
 

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2026.5.28 発売

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