初の一人舞台に挑む、三浦透子インタビュー「覚悟を、持たなければいけない」 | Numero TOKYO
Interview / Post

初の一人舞台に挑む、三浦透子インタビュー「覚悟を、持たなければいけない」

現在、Numero TOKYO 6月号(4月28日発売)の「わたしを彩るいろ」特集が発売中。さまざまな分野で活躍するクリエイターと“彩るもの”の関係性に迫る「クリエイターの日常を彩るもの」では、俳優であり歌手の三浦透子が出演。本記事ではそのウェブ拡大版として、7月1日より上演される舞台『プライマ・フェイシィ −私の声を聞いて−』で初の一人芝居に挑む彼女に、舞台に懸ける思い、そして俳優活動と音楽活動それぞれとの向き合い方について話を聞いた。日本初上演となる本作は、オーストラリア出身で弁護士としての経歴も持つ劇作家スージー・ミラーが2019年に発表して以来、欧米をはじめ世界各国で実力派俳優たちが体当たりで演じてきた話題作。野心的に勝利を追い求める法廷弁護士テッサ・エンスラー役に、三浦透子が挑む。

ブラウス¥133,000、パンツ¥81,000、シューズ ¥105,000/すべてLemaire(エドストローム オフィス) バングル¥202,400、イヤリング¥189,200/ともにAhkah(アーカー ギンザ シックス店)
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──今回一人芝居で演じるテッサ・エンスラーは、野心的で感情をぶつける場面も多い役柄です。この役に、どのような魅力を感じていますか?

「一人で舞台に立つのは今回が初めてなので、まずはその責任の大きさを強く感じました。扱っている題材も含めて、自分がこの作品の代表として立つという覚悟を持たなければいけないなと。稽古がどう進むのかも想像がつかなくて。本作の演出を務める栗山民也さんの演出作品にはこれまでも出演したことがあります。きっと痺れるような体験になるだろうなと思いながら、いまはその緊張ごと受け止めようとしています」

──一人芝居という形式ならではのプレッシャーや自由もあると思います。舞台に一人で立つことと、どのように向き合っていますか?

「私は本当に緊張しいなんです。映像作品、舞台、ライブすべて緊張してしまいます。その対処法や回避の仕方はいまだによくわからなくて。規模が大きくなれば比例して緊張するという単純なものでもなくて、大きな舞台で妙に落ち着いていることもあれば、小さな場所でとても緊張してしまうこともあります。自分でコントロールできないんですよね。だからこそ、『コントロールできない』という前提に立つことが、私なりの向き合い方です。どうせ緊張するから100%の力は出せないとある程度割り切ってしまう。その分、事前に最初の100%をできるだけ上げる為の訓練をしますね」

──例えば、どんな訓練を?

「練習することがとても好きなんです。舞台は稽古ができる芸術なので、それが好きな理由のひとつでもあります。何が本当に効果的かは正直わからなくても、練習していると『やれることはやった』と思える。その安心感が、きっと支えになっているんだと思います。たとえ自分の中で『失敗した』と思っても、それは自分の基準であって、外からはわからない。体調も含めて常に完璧ではいられないと理解した上で、それでもなお良いものを届けられるよう準備をしておくことが唯一できることだと思っています」

──俳優として演じることと、音楽活動との向き合い方に違いはありますか?

「歌うことだけをしていた頃は、お芝居と音楽はかなり近い感覚でした。でも最近は曲作りもするようになり、少しずつ違いを感じています。お芝居は役の人生や思考、行動に向き合うこと。その人物を通して『自分だったらどうするだろう』と考える中で、逆に自分自身が見えてくる。人の人生を通して自分を知る感覚があります。一方で音楽はより直接的に自分と向き合うもので、『自分がどんな世界にいたいか』を考える行為でもある。そこにはまた別の楽しさがあります。角度は違ってもどちらも自分と向き合う大切な時間です」

──今回ご出演いただいた6月号(4月28日発売)の「色とりどり」特集では、ニューヨーク留学時に出会った写真家、Kana Motojimaさんの作品を紹介していただきました。自然を感じる色彩が印象的な一枚ですが、三浦さんご自身がこれまで訪れた場所で、忘れられない風景はありますか?

「2024年11月にリリースした『すっぴん』のミュージックビデオを撮影した場所が、とても印象に残っています。広い草原での撮影だったのですが、すぐ近くを飛行機が通る場所だったんです。緑が広がり、田んぼがあって、その上を飛行機が飛んでいく。その組み合わせがとても面白くて、不思議な感覚でした。Kana Motojimaさんの写真にも通じる部分があると思うのですが、そういった自然の中にちょっとした違和感やアクセントを感じる場所にはとても惹かれますね」

舞台『プライマ・フェイシィ-私の声を聞いて-』
作/スージー・ミラー
翻訳/徐賀世子
演出/栗山民也
出演/三浦透子

日程・会場/7月1日(水)~7月26日(日) 東京・ザ・スズナリ
7月29日(水)~7月30日(木) 群馬・高崎芸術劇場 スタジオシアター
8月1日(土)・8月2日(日) 福島・いわき芸術文化交流館アリオス セキショウ中劇場
8月5日(水)・8月6日(木) 茨城・水戸芸術館 ACM劇場
8月9日(日)~8月11日(火・祝) 大阪・近鉄アート館
8月14日(金)・8月15日(土) 兵庫・神戸朝日ホール
チケット発売中。前売チケット情報は公式特設サイトにて。

 

Photos:Nobuko Baba Styling:Shoh Sasaki Hair&Make-up:Eriko Yamaguchi Edit & Text:Saki Shibata

Profile

三浦透子 Toko Miura 俳優、歌手。1996年生まれ。北海道出身。映画『ドライブ・マイ・カー』(2021年)ではヒロインを演じ、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞。主な出演作は、主演映画『そばかす』(22年)、Netflixシリーズ『地獄に堕ちるわよ』(26年)、ドラマ『銀河の一票』(26年)など。歌手としても活躍しており、映画『天気の子』(19年)では主題歌を歌唱。同年、第70回NHK紅白歌合戦にも出演。5月には東京・大阪にて自身初のライブハウスツアー『三浦透子BANDSETTOUR2026“BOAT”』も開催予定。7月1日より舞台『プライマ・フェイシィ-私の声を聞いて-』で初の一人芝居に挑む。
 

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