富士山×海×夕日の絶景宿が誕生。全5室のスモールラグジュアリーホテル「富士青藍」へ | Numero TOKYO
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富士山×海×夕日の絶景宿が誕生。全5室のスモールラグジュアリーホテル「富士青藍」へ

提供元:富士青藍
提供元:富士青藍

2025年5月23日、全5室がスイートルームで、露天風呂・サウナ付きというスモールラグジュアリーホテル「富士青藍(ふじせいらん)」がプレオープンした。駿河湾越しの富士山、そして夕陽をダブルで拝める、西伊豆エリアの中でも唯一無二の絶景を誇る「富士青藍」へ一足先に訪ねたので、その全貌を紹介したい。

全室150平米以上のオーシャン&富士山ビュー!
露天温泉やサウナも備えたスイートルーム

提供元:富士青藍
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修善寺駅から車で40分ほど。西伊豆の戸田(へだ)港を望む高台に佇むのが、「富士青藍」だ。ロビーで出迎えてくれるのは、雄大な富士山と、深い青を湛える駿河湾。

提供元:富士青藍
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客室はもちろん、夕日を愛でるためだけに設えた夕陽見テラスからは、刻一刻と変化する空と海の色彩のグラデーションを楽しめるなど、ホテル内で過ごすどの瞬間にも絶景が共にある。

「富士青藍」の客室は、全室150平米以上の広さを誇るスイートルームだ。各部屋には、海に面したテラス、駿河湾と富士山を一望できる露天風呂、そして特別な屋外サウナが備わっている。リビング、テラス、ベッドルームからも駿河湾越しに富士山を眺められるのは、唯一無二だろう。

露天風呂は、近くで湧く戸田温泉のもの。ナトリウム・カルシウム硫酸塩泉で、無色透明の無臭ながら、肌をはじめ心身の保養に適した泉質だ。

全面ガラス張りのサウナからは、四季折々の自然を眺めながら、開放感あふれるととのい体験が叶う。温度は100度で設定されているが、好みに合わせて110度まで高温にできるほか、サウナストーンもあるのでアロマオイルを垂らした温泉をかけ、ロウリュを楽しむこともできる。内風呂もあるので、そちらに水を張って水風呂として利用するのもいいだろう。

客室は5室それぞれ、異なるインテリアデザインだが、すべてにドイツ・ミュンヘンのインテリアブランド「KARE」の照明やソファを採用。今回私が宿泊した「明星(AKEBOSHI)」は、スエード調のソファや、自然の力強さをイメージしたロッキングチェアが配されたマスキュリンな印象だった。岐阜の山奥の古民家で使用されていた古材や廃材も活用されるなど、サステナブルな取り組みも。ルームプレートはかねみつ漆器店によるアイアンアート、床はナラの木を使ったなぐり加工が施されているなど、職人技も随所に光る。

アメニティには、最先端の再生医療研究から生まれた 「ヒト骨髄幹細胞循化培養液」を高配合した幹細胞コスメの最高峰ブランド「MISUZU(ミスズ)」コスメシリーズを採用。化粧水や乳液、クレンジングや洗顔料、シートパックが用意されているほか、レプロナイザーのドライヤーが用意されているのが個人的に大変嬉しかった。

このほか、今治産タオル素材を採用したMISUZUブランドのバスローブとガウン、ヨガマットもあるので、デッキで海を見ながらヨガをする、なんていうこともできる。

ちなみにチェックインは客室で行ってくれるため、ロビーで待たされる心配がない。ウェルカムスイーツとしてふるまわれる和の趣のアフタヌーンティーと、静岡の緑茶を味わいながら、ゆったりとチェックイン手続きができる。

冷蔵庫の中に入っているスパークリングワインやビール、日本酒、ご当地ドリンクやアイスもフリーフローだ。コーヒーマシンには、伊豆半島唯一のクラフトコーヒーロースタリーである「Archipelago Roastery」のインドネシア産のマンデリン深煎りがセットされており、挽きたて、淹れたてを味わえる。

客室はリビング、ベッドルーム、和室、洗面所、内風呂、デッキテラスで構成されているので、二人で泊まっても広々。和室に布団を敷いて最大4名まで宿泊することもできるので、グループ旅にもいいかもしれない。

「夕陽見テラス」で軽食やドリンクと共に、駿河湾に沈む夕陽を愛でる

ホテルには、夕陽を眺めるためだけに設けられた特等席「夕陽見テラス」がある。先述した「Archipelago Roastery」のコスタリカ産カトゥーラを使った水出しコーヒーやアルコール、軽食も味わえる。

利用時間は、チェックインから21時半まで、翌日は朝食後からチェックアウトの時間まで。こちらも宿泊代込みだ。

あたりが暗くなり始めると、テラスのファイヤーピットに火が灯り、サンセットタイムを優雅に演出。戸田のケーキ屋「兎月」や「田子の月」の軽食と共に、スパークリングワインや静岡の地酒、静岡麦酒樽生、山梨ワインがマジックアワーを彩る。

伊豆半島の新鮮食材を使い、フレンチのエッセンスも光る創作和食

食事は、御浜岬の入り江と青い海越しの富士山を一望する、個室のお食事処で。港町・西伊豆戸田ならではの、地元網元直営・駿河湾の新鮮魚介や直営農場で育てた伊豆の新鮮な採れたて野菜をふんだんに使った、和食ベースの創作料理がいただける。

料理長は、下田出身の土屋昭典氏。東京・銀座の料亭「日本料理 むなかた」で修業し、「桜田温泉 山芳苑」や「ホテルジャパン下田」で料理長を務めた後、「富士青藍」を運営するウエストクリエイティブに参画した。夕食では、仁科の卵と戸田産ウニの高級茶碗蒸しに始まり、フォアグラと筍の挟み揚げ、アカザエビとキャビアの黄身酢がけ、戸田産鮑、戸田産原木椎茸とカニなど5種類の前菜がテーブルを彩った。どの料理にも鰹出汁のベースがききつつも、ソースや調理法などにフレンチのエッセンスも感じる。

その後、甘鯛のホタテすり身包み、戸田塩と戸田産わさびで味わう鮮魚の刺身と続き、伊勢海老の具足煮と蒸し野菜が登場した。一人前とは思えぬボリューム満点な伊勢海老は、港町である戸田ならではの贅沢さだ。

メインの肉料理は、静岡ブランド黒毛和牛「静岡そだち」のサーロインステーキ。58度の低温でじっくり2時間ローストしたステーキに地産野菜のロースト、黒トリュフソースが上品に寄りそう。

最後は、秋田県産さきほこれの炊きたて土鍋ご飯に、初鰹をのせ、あら汁のだしをかけていただくお茶漬けで〆。器はどれも有田焼や九谷焼など、こだわりの品々だ。

シャンデリアが輝く特注セラーには、1本1万円~55万円のボルドーやブルゴーニュのワインのほか、国産ワインも並ぶ。静岡県焼津の老舗酒蔵「磯自慢」の最高峰「La Isojiman」をはじめ、「獺祭」や「十四代」などの高級日本酒も揃うので、好みに合わせて料理とのペアリングを楽しみたい。

朝食は、イカ三升漬けや、修善寺産大ぐり湯葉蟹甲餡、富士宮産一口がんも甘露煮など、ご当地前菜が大きないぶき板に盛られて(写真は二名分)振舞われるのが印象的だ。このほかにもキンメダイの焼き物、マグロの刺身、静岡県産野菜の彩りサラダ、釜炊き白米、味噌汁、フルーツのヨーグルトがけなどがテーブルを彩る。

「富士青藍」から車で5分ほどの場所にある高足ガニの専門店「お食事処 かにや」の生け簀
「富士青藍」から車で5分ほどの場所にある高足ガニの専門店「お食事処 かにや」の生け簀

「富士青藍」の目の前に広がる駿河湾といえば、水深2,500メートルを誇る日本最深の海だ。そんな駿河湾の深海に生息するのが、世界最大の甲殻類と言われる高足ガニ。大変希少なカニで、プリっと弾けるカニの身の食感と、独特のうま味が特徴だ。

さばきたて、茹でたてのカニの足2本相当がつくボリューム満点な「高足ガニ定食」¥6,700
さばきたて、茹でたてのカニの足2本相当がつくボリューム満点な「高足ガニ定食」¥6,700

旬を迎える冬の季節には、この高足ガニを使った料理も「富士青藍」で提供予定だという。近辺には高足ガニの網元が運営する人気店「お食事処 かにや」もあるので、訪ねてみるのもいいだろう。

提供元:富士青藍
提供元:富士青藍

富士山と海、そして夕陽という三位一体の絶景が堪能できる「富士青藍」。喧騒から離れた静かな西伊豆の高台で、エクスクルーシブなステイを満喫してみてはいかがだろうか。

富士青藍
住所/静岡県沼津市戸田3878-61
TEL/0558-94-2345
URL/www.fujiseiran.jp/

Photos & Text: Riho Nakamori

 

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