2025年4月28日(月)発売の『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2025年6月号に寄せて。編集長・水戸美千恵からのエディターズレター。
Numéro TOKYOを手に取っていただき、ありがとうございます。はじめまして、編集長就任ほやほやの水戸美千恵です。どうぞよろしくお願いいたします。
6月号のテーマは「私らしく動き出そう」です。
2025年春夏コレクションでは「アクティブ」がキーワードの一つに。多くのデザイナーが活動的であることと自由を重視し、現代のライフスタイルに寄り添うファッションを提案しています。ディオールはフェミニンかつスポーティなルックを披露し、しなやかさを秘めた勇敢な女性像を。スイムウェアを取り入れた自由な発想のレイヤードでプレイフルな魅力を表現したミュウミュウ。アクティブなスタイルは機能性を超えて、新しい価値観や生き方の象徴となりつつあります。

とはいえ、アクティブでいるって難しいですよね。小さなことですが、私も気がつけば、読む予定の本が山積み、行きたかった展覧会が終わっている、友人と食事に行こうと話して1年が過ぎ……、あるあるです。そんな日々にあって、何かした気になるのがポッドキャストを聴くこと。学習ものから雑談までコンテンツはさまざま。自分のタイミングで楽しめ、気づきをもらえます。ポッドキャストの現在地を特集した「深化するポッドキャスト」(本誌p.124)で、お気に入り番組が見つかり、新たな世界が広がるかもしれません。
行動力のある俳優6人が自身で撮影した写真とともに登場する「カメラと冒険」(本誌p.104)では、カメラと一緒だったから知ることができた自分と世界を語っていただきました。共通しているのは、出会いや発見を大事にしていること。そしてそれを楽しんでいることです。
Numéro TOKYOで見つけたファッションアイテムで、または誰かの言葉で「何かしてみようかな」と思っていただけたらうれしいです。
life in layers

コレクション取材で訪れたパリで手に入れたコスチュームジュエリーブランド、ゴッサンス パリのクリスタルリング。シャネルの方が着けているのを目にして、あまりにも素敵だったのでマネしました。ゴッサンス パリは金細工のスペシャリストとして、60年余にわたってオートクチュールメゾンを支え、ガブリエル・シャネルのアパルトマンの家具もデザイン。2005年からシャネルのメゾンダールの一員に。そんな由緒あるブランドですが、背伸びしすぎない価格帯です。存在感のあるデザインと細工の美しさ。サントノーレにあるショップには欲しいものがたくさんあって震えました。
伊豆高原にある一日一組貸し切りという贅沢なオーベルジュ「bekka izu」。別家=もう一つの家として、リラックスして過ごしてほしいという思いが込められています。ゆったりとしたリビングには、フリーフローのミニバー。ベッドルーム2つに、お風呂は源泉掛け流しの温泉! 滞在のハイライトとも言える食事は、ドイツ帰りの料理人が繰り出す、自家栽培の野菜をはじめとした伊豆の食材をふんだんに使ったお皿の数々。朝食はドイツと和食から選べるのもうれしい。自分にとっての心地いいが揃っていました。
公式サイト/https://bekka-izu.jp/
Profile
Instagram: @mitomichie



