ワタリウム美術館が劇場に。梅田哲也、ツアー型の展覧会を開催
東京・神宮前のワタリウム美術館にて、「梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」が開催中。2023年12月1日(金)から2024年1月28日(日)まで。2ヶ月の会期中、ワタリウム美術館を劇場に、パフォーマンス公演のような展覧会が行われる。
梅田哲也は、身近なものや現地にあるものを使ったインスタレーションや、普段訪れることない場所や時間帯、見ることのできない部屋など、さまざまな場所へと観客を誘うツアー形式の作品を手がけるアーティスト。また音響アーティストとしても知られている。
ツアー型の作品では、船で夜の水路を巡る『入船(ニューふね)』や、地図とラジオからの音声を手掛かりに別府市内を回遊する作品「梅田哲也 イン 別府『O滞』」などを発表。
また2020年には、森山未來や黒木華が出演した"ライブ配信のための演劇"「プレイタイム」の構成・演出も手がけている。その活動は横断的で、観客や鑑賞者の在り方も、これまでの枠から自由な地点へと誘われる。
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今回の「wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」は、ワタリウム美術館そのものを主役にしたツアー型の展覧会。事前予約が必要で、一公演6名までの少人数で20分おきにツアーが組まれる。観客は時折現れるキャストの行動に誘導されながら、展示室や普段は見ることのできないバックヤードなどを巡る。
リリースに寄せられた梅田哲也のコメントには「今いる場所にかつて何があったのか、何がおこなわれたかを想像することは、存在を確かなものにしてくれます。これはきっと時間の地図を描くようなことです」とある。
1964年、三角形の土地に和多利一家が引っ越し、1972年、自宅に現代アートのギャラリーを開設。そして1990年にプライベート・ミュージアムとしてオープンしたワタリウム美術館。
「自宅の改装から始まった小さなスペースは、世界のアートの中継点として活躍する美術館となっていきました。これまでに100を超える展覧会を開催し、最も多く開催されたシリーズ展覧会のタイトルは「アイ・ラブ・アート」です。和多利一家の、自分が生きてきた場所で大好きなものを知ってほしいという根源的な動機に触れて、自分もこの美術館のなかで自分なりの好きを探そうと思いました。そして、来館する人たちにもそれぞれのお気に入りを見つけてもらおう。これはそういう展覧会です。」
期間は1期と2期に分かれており、内容も変化するという。さらには、一緒に巡る参加者や訪れる時間帯によって、そして自分自身も変化するだろう。会期中に何度も参加できるツアー・フリーパスも、ぜひおすすめしたい!
また会期中には梅田哲也とともに、浅葉克己、東利恵、現代アートチーム 目[mé]、杉原環樹、角銅真実を招いての関連イベントも開催。こちらもあわせて楽しんでほしい。
梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ
期間/1期:2023年12月1日(金)〜2024年1月14日(日)
2期:2024年1月16日(火)〜2024年1月28日(日)
会場/ワタリウム美術館+空地
住所/東京都渋谷区神宮前3-7-6
休館日/月曜日(1月8日は開館)、12月31日~1月3日
時間/13:00~19:00
(事前予約制 毎20分ごとにスタート、所要時間:約50分、最終入館:18:00)
参加費/一般:2,800円 U25・O65:2,000円 ツアー・フリーパス:5,000円
TEL/03-3402-3001
※予約方法やイベントなど、詳細はHPをご確認ください。
URL/www.watarium.co.jp
Text:Hiromi Mikuni